ヘッドパーツの種類
ヘッドパーツはすべて同じ規格になっているわけではなく、いくつかの種類が存在します。新しく交換するヘッドパーツが自分の自転車に取り付け可能なのか、互換性はあるのか、など、交換する前に規格を確認しておくようにしましょう。また、ヘッドパーツの種類によって取り付け方も異なってきますので、注意が必要です。
スレッド式
ノーマルタイプのヘッドパーツです。スレッド式、ねじ切り式ともいいます。どちらかというとスポーツ車より、いわゆるママチャリ(かご付自転車)に多く使用されています。古くからある規格でメンテナンス性は高くありませんが、固定制の効果が高いといわれています。
スレッドレス式
スレッドレス式は、Aヘッド(アヘッド)タイプといわれるものです。多くのスポーツ車に採用されており、構造が単純であることからメンテナンス性が高くなっています。ただし、ステム交換が不便になってしまうことや、ゆるみやすいという特徴があります。
ヘッドパーツの交換①必要な工具
では、実際にヘッドパーツを交換していくために必要となる工具にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的な工具・自転車専用の工具・ヘッドパーツの交換に必要な特殊な工具の3つに分けてみていきましょう。
一般的な工具
一般的な工具としては、コンビネーションスパナやモンキーレンチ、ラジオペンチ等を用意していると作業が便利に進みます。ヘッドパーツの交換には、ヘッドパーツの部分だけではなく、ハンドルやステム、フロントフォークの取り外しも行うため、これらの工具はそうした際に便利です。また、ブレーキの取り外しも行いますので、プラスドライバーも準備しておくとよいでしょう。そのほか軍手やタオルなどもあると便利です。
自転車メンテナンス専用工具
自転車専用工具としては、六角レンチは必需品となります。ヘッドパーツ以外に、ステムやフロントフォークの取り外しを行いますので、その際に必要になってきます。また、ヘッドパーツの交換はフロント部分を持ち上げておく必要があるので、メンテナンススタンドがあれば作業が楽に行えます。グリス・ワックス・クリーナーのセットを用意しておくと、作業中に汚れも落としながら行えます。
ヘッドパーツの交換に必要な特殊な工具
ヘッドパーツがアヘッド式ではなく、ノーマルタイプのヘッドパーツの場合、調整を行うためにヘッドレンチが必要となります。また、ヘッドパーツの交換には、上下のワンをヘッドチューブに圧入する必要があります。この圧入する工具をヘッドワン圧入工具といい、圧入されたヘッドワンを取り外すためにはヘッドワンポンチという特殊工具が必要となってきます。
ヘッドパーツの交換②準備作業
では実際にヘッドパーツの交換に取り掛かっていきましょう。ただし、いきなりヘッドパーツが交換できるわけではありません。その前の準備段階として、ブレーキワイヤーの取り外しや、ステム、フロントフォークを取り外す作業を行う必要があります。
準備作業①ブレーキやシフトレバーのワイヤー類を取り外そう
まず、前ブレーキを解除します。ワイヤー固定ボトルを六角レンチでゆるめて、ワイヤーをブレーキから取り外します。またシフトレバーからワイヤー類を抜き取ってしまいます。ブレーキ類はヘッドパーツを取り付けたあと再度取り付けますので、そのまま別の場所に置いておくようにしましょう。
準備作業②ステムを取り外そう
ステムを取り外します。ステム上部にあるプレッシャープラグを六角レンチで取り外します。このときフロントフォークとヘッドパーツはセットになっていますので、フロントフォークの重みで、ステムを外した瞬間に、ヘッドパーツがバラバラになってしまう可能性があります。フロントフォークを抑えながら、ヘッドパーツがバラバラにならないように慎重にステムを外します。
準備作業③フロントフォークを取り外そう
ステムが外せれば、自然とフロントフォークも外せる状態になっているでしょう。フロントフォークをヘッドチューブから抜き取っていきます。このときヘッドパーツがバラバラにならないように注意しながら慎重に行います。フロントフォークを外せば、ヘッドパーツの一部も自然と取り外れている状態になっているはずです。
これでヘッドパーツ交換のための準備ができた。次ページでは、いよいよ交換作業に入っていくよ!
ヘッドパーツの交換には、ヘッドワン圧入工具とヘッドワンポンチの2つの専用工具がセットで必要になってくるんだね。