LOOK (ルック)とは
LOOK(ルック)は、フランスの自転車メーカーで、正式名称を「ルック サイクル インターナショナル」といいます。自転車業界への進出は1990年代に入ってからと、決して歴史のある会社ではありません。しかし、ルックが開発、製造してきたテクノロジーや技術は現在のレース界をはじめ、自転車業界、そして世界中のサイクリストへ大きなインパクトを与えています。
ビンディングペダルの元祖はルックから
ルックの創業は1951年、スキーのビンディングのメーカーとしてでした。そのころ、自転車レースの世界においては「トゥークリップ」というシューズとペダルをストラップで固定するスタイルが主流だったのに対し、ルックは本職の技術を応用して、足をひねる動きだけでシューズとペダルの脱着が可能な、現在のビンディングペダルの元祖ともいえる「PP65」を1984年に発表したのです。
ペダルに加えてカーボンフレームまで
翌1985年のツール・ド・フランスにおいて、膝の故障から完全復帰を目指すフランスの英雄ベルナール・イノーにこのペダルが供給されたところ、ツール総合優勝を勝ち取ったため、自転車業界は大きな衝撃を与えられます。さらに、その翌年、フロントフォークまでがカーボン製のフルカーボンフレームでツール・ド・フランスに参戦し、総合優勝を果たしました。
まさに「インターナショナル」な活躍
これらの栄光ある活動により、1990年代前半にスキー部門から自転車部門が独立して現在の「ルック サイクル インターナショナル」となり、その後も革新的なモデルを作り出していきます。また、トラックレース用のバイクの開発を進めるとともにフランス代表チームのスポンサーを務めて、オリンピックや世界選手権で数々のメダルを獲得しています。
ルックのロードバイクの特徴(4つ)
高い技術と革新的なテクノロジーやデザイン性が大いに支持されているルックは、世界中のサイクリストから尊敬と憧れを持たれ、「一度は乗りたい憧れのバイク」とさえ言われる存在です。しかし、日本でルックのロードバイクに乗っている人をあまり見掛けないのはなぜなのでしょうか。その理由は、ルックの特徴のいくつかにあるといえます。
ルックのロードバイクの特徴① 価格は高め
まずひとつ目が、価格です。ルックはフランスの高級メーカーという位置づけなので、相対的にかなり高めに設定されています。エントリーモデルとされるものでも、30万円程度します。もちろん価格に見合うだけの性能は誇っているのですが、初めてロードバイクを買おうという人にとって、この価格はかなりハードルが高いですよね。
ルックのロードバイクの特徴② 完成車は種類が限られる
多くはフレーム販売のみ
ふたつ目が、ルックのロードバイクの多くはフレームのみの販売であるという点です。フレームだけを買って、コンポーネントをはじめそれ以外のパーツをすべてお店で自分仕様にカスタマイズしてもらえるというのは、ロードバイクに乗る人にとってはひとつの憧れです。
カスタマイズには知識と経験が必要
しかしカスタマイズにあたっては、コンポーネントはどれがいいのか、またそれぞれのパーツの組み合わせの相性など、知識や経験が必要なことも少なくなく、ビギナーはもちろん、ある程度ロードバイクに乗っている人でも、パーツの選択はなかなか簡単ではないでしょう。
組み合わせ次第ではより高額に
さらに、フレームだけでも高価なうえ、そこにコンポーネントをはじめいくつものパーツを組み合わせていくとなると、カスタム次第では100万円といったケースもないとはいえず、なかなか手が届かないというわけです。
ルックのロードバイクの特徴③ 高性能なカーボンフレーム
ルック=高性能・高品質カーボン
ルックの3つ目の特徴としては、やはり高い技術力によって作成されるカーボンフレームが挙げられるでしょう。トップレベルのライダーからのフィードバックを受け、その厳しい要求に応え続けています。また、自社製品だけでなく他社製品にも耐久試験を行うことで、自社製品の耐久性や安全性を確信しています。
品質は多くの賞で実証されている
こういった技術や研鑽のたまものこそが、ツール・ド・フランスやオリンピックをはじめ、さまざまなレースにおいて数々の賞を獲得するなどの栄光を得ていることで実証されているといえるでしょう。
レースモードの「本気」のバイク
つまり、価格もさることながら性能的にも、初心者ではなくある程度乗り込んだライダーが選ぶ傾向にあり、その結果、レースにエントリーするといった「本気」のバイクなのです。したがって、街中でというよりもレース会場で見掛けることが多いといえるでしょう。
ルックのロードバイクの特徴④ クロモリやアルミフレームはない
クロモリやアルミのフレームのバイクを販売していないという点もルックの特徴のひとつであり、オーナーが限定される理由でしょう。特にロードバイク初心者は、クロモリやアルミフレームのバイクを選びがちです。ルックのカーボンフレームは高品質・高性能であるだけに、ルックのバイクに乗るのに抵抗を感じることもあるというわけですね。
ルックのロードバイクおすすめモデル4選
ルックのロードバイクの特徴のひとつとして、フレームのみの販売が多くを占めるという点が挙げられます。これは、それだけカーボンフレームの完成度に自信がある表れといえるかもしれません。いくつかのモデルの中から、フレームのみと完成車の2つのカテゴリーから、おすすめモデルのスペックやインプレを紹介していきましょう。
ルックのロードバイクおすすめモデル①
おすすめモデル① 795 LIGHT RS
「795 LIGHT RS」は、ルックのフラッグシップモデルといえる795シリーズの中の1台で、風洞実験テストを繰り返し、10年の歳月を経て生み出された究極のエアロロードです。トップチューブへとつながった斬新な形状は、空気抵抗を抑えるエアロ効果とともに、剛性を高める作用も持っています。
剛性と快適性を両立
BB周辺とチェーンステーが強化されたことで、後述する695ライトより15パーセントもの剛性アップを果たしていますが、その一方で快適性は向上するといった相反する点を融合させているのが特徴的です。販売はフレームのみとなっています。
795 LIGHT SR のインプレ
ダンシング技術がアップする?!
高価なバイク、それもフレームだけなので、なかなかインプレは多くありませんが、実際に乗った人は、やはり抜群にほめています。ヘッド回りの剛性の高さやペダルの回転の良さ、また、上りのダンシングでも非常に軽く踏み込めるので、自分のダンシング技術が上がったように感じるという意見もありました。
エアロロードの本領発揮
平地ではさすがエアロロードといった感じで、シュッシュッと伸びるといいます。コーナーでの乗り心地は多少神経質な点はあるものの、軽快に走ることができるという意見も多かったです。
795 LIGHT RS のスペック
- カーボン製フレームのみの販売
- フレームサイズ XS、S、M、L、XL
- フレーム+フォーク重量 1,330g(Sサイズ)
- 価格 620,000円(税抜)
ルックのロードバイクおすすめモデル②
おすすめモデル② 785 HUEZ RS
フランスの高原リゾートで「ラルプ・デュエズ」への登坂ルートが所在する町の名前がついたスーパークライミングバイクです。ヒルクライムは軽快なクライミングが重要ですが、785 HUEZ RSは快適なダウンヒルに欠かせない安定したハンドリングをも持ち合わせています。
ルックの威信をかけた1台
最新鋭の技術と長年にわたるレーシング分野で培われた経験によって、ルック社の威信をかけて開発された究極の1台という位置づけをされているロードバイクのフレームです。
785 HUEZ RS のインプレ
スーパークライミングバイク
さすが、メーカーが「スーパークライミングバイク」と銘打っているだけあって、ダンシングの軽さやハンドルの振りやすさなど、軽快なクライミングを楽しめます。ヘッド周りやBB、チェーンステーの剛性感によって、上りが楽しめる1台という意見もあります。
加速、旋回性能が抜群
軽量、高剛性を活かした加速性能は非常にすばらしく、コーナーでの旋回も気持ちよくスムーズで、癖になるくらいという声もありました。こういったレーシングバイクに振動吸収性を求めるのはヤボかもしれませんが、それでも十分なレベルになっているそうです。
785 HUEZ RS のスペック
- カーボン製フレームのみの販売
- フレームサイズ XS、S、M、L、XL
- フレーム+フォーク重量(リムブレーキ仕様) 1,010g(Sサイズ)
(ディスクブレーキ仕様) 1,240g(Sサイズ) 価格 480,000円(税抜)
続いて、ルックのロードバイクおすすめモデル(後半)を紹介!