ロードバイクのコンポーネントとは
ロードバイクの駆動パーツの集合体
ロードバイクにはフレームを中心とし、ハンドルやタイヤ、ペダル、サドルなどのさまざまな機能パーツが取り付けられています。それらの中で、自転車の駆動に関わる基本的な部品の集まりを「コンポーネント」、略して「コンポ」と呼びます。
ロードバイクコンポは8つのパーツ
一般的に、レバー(ブレーキレバー/シフトレバー)、クランク、フロントディレイラー、リアディレイラー、ブレーキ(フロント/リア)、スプロケット、チェーン、BB(ボトムブラケット)の8つのパーツがコンポーネントとされています。
コンポーネントの種類はいろいろ
コンポーネントには、レース用から初心者、街乗り用までいくつかのグレードと種類があります。高級グレードほど精度が高く軽量、廉価グレードは高級グレードと比較すると精度が下がり重くなります。
コンポーネントを知るとロードバイクがわかる
どんなコンポーネントの種類が搭載されているかを見ることで、そのバイクのグレードや使用シーンを知ることができます。また、ロードバイクの価格はコンポーネントのグレードによって大きく異なりますから、自分の用途に応じたグレードを選ぶことも大切です。
世界の3大ロードバイクコンポーネントメーカー
グループセットの販売は3社のみ
コンポーネントを製造するメーカーは世界中にいくつかあります。しかし、これらのパーツを同一ブランドの同一グレードで揃える「グループセット」というシステムで製造・販売を行っているのは、シマノとカンパニョーロ、スラムの3社しか存在しません。
日本のメーカー シマノ
シマノは1921年創業の日本の老舗自転車パーツメーカーで、ロードバイクだけでなくママチャリなどのパーツも製造しています。品質や性能の高さは評価に値しますし、それらのわりに比較的安価なこともあり、自転車の本場ヨーロッパでも多くのスポーツバイクに採用され、シマノのコンポが世界に占めるシェアは8割といわれているほどです。
レーシングコンポメーカー カンパニョーロ
カンパニョーロは、80年以上の歴史を持つイタリアのレーシングコンポメーカーです。レースシーンでの使用を前提に設計されているので、シティサイクルなど一般の自転車パーツは製造していません。
マウンテンバイクのパーツメーカー スラム
スラムは2005年にロードバイク用コンポーネント市場に参入した比較的新しいアメリカのパーツメーカーです。もともとはマウンテンバイク用のパーツを製造していて、現在でもロードバイクよりマウンテンバイクのパーツのほうがシェアは高いです。
シマノのコンポーネントの特徴とグレード
シェアNo.1 シマノ
日本車はもちろん、海外のスポーツバイクの多くが採用しているシマノのコンポーネント。高いシェアを誇る理由として、信頼性や耐久性、精度の高さや他の2社と比較してリーズナブルな価格や種類の多さが挙げられるでしょう。グレードは高い方から「デュラエース」「アルテグラ」「105」「ティアグラ」「ソラ」「クラリス」「ターニー」の順となっています。
デュラエース(DURA-ACE)の特徴
シマノの最高峰ロード用コンポーネントです。レーシングパーツとしてツール・ド・フランスをはじめとした国際的なロードレースで使用されています。変速や操作性など動作性能が非常に高く、また軽量でありながら剛性にも優れています。電動式「Di2」やパワーメーター内蔵モデルもラインナップされています。
アルテグラ(ULTEGRA)の特徴
デュラエースに次ぐシマノのセカンドグレードコンポです。デュアラエースより重量が若干増加していますが動作性能は大きな差がないため、リーズナブルでコスパに優れていておすすめ、趣味でレース参戦するライダーだけでなくプロが採用することもあります。上位モデルの完成車に搭載されているケースが多く、電動式「Di2」もラインナップされています。
105(イチマルゴ)の特徴
レース用入門として人気のコンポーネントです。重量面や仕上げといった点で上位2モデルには劣りますが、それ以外の基本性能では遜色はないといっていいでしょう。上位モデルとの互換性があるので将来的にコンポのグレードアップを考えている人や、初めてロードバイクを購入する人でも予算に余裕があるなら105搭載モデルがおすすめです。
ティアグラ(TIAGRA)の特徴
上位3モデルが11速なのに対して10速ということからエントリー用コンポとみられがちですが、ホビーレース程度なら問題なく使用できます。ミドルクラスのロードバイクに搭載されているケースが多いのですが、クランクやレバー形状など見た目にも上位グレードと変わらないのでおすすめです。ただ、105との価格差があまり大きくないので上位グレードと互換性のある105モデルが選ばれることも少なくありません。
ソラ(SORA)の特徴
リア9速のソラは、エントリーモデルでありながらもスポーツライドを重視したモデルに搭載されることが多いです。ただし、上位モデルと比較すると変速性能に劣る点がみられるので、定期的なディレイラーの調整やメンテナンスが必要となります。ロードバイクだけでなく、クロスバイクのコンポとして採用されることもあります。
クラリス(CLARIS)の特徴
入門用モデルに多く搭載されている、リア8速コンポです。廉価グレードとはいえ、さすがシマノ製だけあって操作性や耐久性に優れています。フラットバーロードやクロスバイクに採用されることもあり、普段使い用には必要十分な性能を持っているので、通勤や通学、ポタリングといった目的で乗るモデルならおすすめです。
ターニー(TOURNEY)の特徴
シマノのコンポーネントの最下位グレードがターニーです。以前は廉価版ロードバイクのコンポに搭載されていたのですが、7速ギアはロードバイクとしていささか物足りないこともあり、近年はクラリスにとって代わられクロスバイクなどでみるケースのほうが多いです。とはいえ、通勤や通学、街乗りでは十分な働きをしてくれます。
2019年、砂利や泥など荒れたオフロードでも快適に走ることができるよう設計されたグラベルロード専用コンポとして「GRX」が新たにランナップに加わりました。バイクに合わせて11速と10速が選択でき、さらにフロントシングルや電動式も用意されています。
カンパニョーロのコンポーネントの特徴とグレード
イタリアの老舗メーカー カンパニョーロ
感性に訴えるかのような操作感や見た目の美しさ、カッコよさが、さすがイタリアンパーツと感じさせます。握りやすいシフター、変速性能、ブレーキ性能のよさが支持され、世界中に多くのカンパニョーロファンが存在しています。グレード順は「スーパーレコード」「レコード」「コーラス」「ポテンツァ」「ケンタウル」「ヴェローチェ」となります。
スーパーレコード(SUPER RECORD)の特徴
リア12速のカンパニョーロの最上位グレードで、チタンやカーボンといった素材を使用することで軽量で高剛性、かつ上質で高性能な操作性を生むハイエンドモデルです。一方、リアディレイラーのプーリーにセラミックボールベアリングを装備するなど、コストを度外視し性能を追い求めるシビアなパーツ類は定期的なメンテナンスが欠かせません。
レコード((RECORD)の特徴
スーパーレコードに次ぐセカンドグレードという位置付けになっていますが、違いは使用しているチタンの素材が異なる程度で基本的な性能はほとんど変わりません。リア12速の操作感や質感、耐久性に優れ、上質な仕上がりのデザインが大いに支持されています。
コーラス(CHORUS)の特徴
クランクやシフター、リアディレイラーにカーボン素材を使用するなど、高い操作性能を誇るカンパニョーロのミドルグレードコンポーネントです。リアは12速、デザインも上位グレードと同じで変速性能に大きな違いはなく重量がやや重い程度なので、コストパフォーマンスに優れているグレードといえます。
ポテンツァ(POTENZA)の特徴
リアが11速となっていますが、上位グレードと変速性能に大きな違いはありません。ただし、チタンやカーボンといった高級素材は使用せずアルミ素材中心としたことで重量はやや増えたものの性能や操作性のよさは上位グレードから引き継いでいます。素材の見直しによって価格が抑制され、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。
ケンタウル(CENTAUR)の特徴
アルミを基本素材とし、カーボン強化樹脂を併用することで軽量化とコストの抑制を実現しています。エントリーグレードという位置づけになっていますが、ギアは11速で上位モデル譲りの優れた変速性能を誇ります。
ヴェローチェ(VELOCE)の特徴
カンパニョーロのエントリー用コンポーネントで、シマノのクラリスに相当します。エントリー用とはいえチープな感じはなく、さすがカンパニョーロといったところです。カンパニョーロを手頃な価格で味わいたいという人におすすめのグレードです。
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