Vitus(ビチュー)とは
Vitus(ビチュー)は、先見的な構造の独特のアルミ接着「ラグ製法」のフレームにより、一世を風靡したフランスのロードバイクのブランドです。時代の最先端の技術により作成されるフレームは、OEMとして多くのブランドに供給され、世界中のレースにおいて活躍を見せていました。
Vitusの衰退
しかし、モノコック成型の発展やカーボン素材の登場によりその位置が取って代わられることとなり、ビチューのアルミフレームは徐々に姿を消していきました。そもそもあまり日本国内でも見かけることは少なく、自転車に詳しい人たちが知っていたくらいでしたが、ビチューとしては、しばらく生産活動自体をストップしていたようです。
Vitusの復活
ところが、近年になってイギリスの自転車通販会社大手のCRC(チェーン・リアクション・サイクルズ)のサポートを受け、ビチューは復活しました。そして、コンチネンタルチームの強豪アンポスト・チェーンリアクション・ショーン・ケリーにトップモデルバイクが提供され、今や世界のレースシーンにおいて活躍を見ることができます。
「ビチュー」は「ヴィータス」へ
現在、Vitusはスペルはそのままで読み方を英語読みの「ヴィータス」に変更して、CRCのオリジナルブランドとなっています。フレームは現代のバイク事情に適応したものへと進化し、それを採用したロードバイクやマウンテンバイク、グラベルバイク、シクロクロス、アーバンといわれるいわゆるクロスバイク、さらにはキッズバイクを通信販売しています。
Vitusの特徴①4つのタイプ
Vitusのロードバイクは、主にレース仕様やスポーツ走行、ビギナー向け、そして通勤・通学といった使用目的に対応した4つのタイプに大別することができます。もちろん、それらの目的にしか使用が不可というわけではありませんが、カテゴリーを明確にすることで、そのバイクの持つ性質やポテンシャルを測り知ることができます。
①Vitesse(フィテッセ)
レースで使用される最速モデル
Vitusのバイクの中で最速で、プロレースチームがレースで使用するモデルです。Vitesseシリーズのすべてのモデルにおいて、カーボンシャーシが採用されています。カーボンの軽量性と剛性を活かしたヒルクライムだけでなく、砂利や小石などの少々荒れた路面でも難なくこなすポテンシャルも兼ね備えています。
レースからビギナーまで対応可
レースから初心者まで幅広いユーザーへの対応が可能です。ただ、通勤や通学には、そのポテンシャルを持て余す可能性があるので、あまりおすすめできないモデルといえるでしょう。
②Venon(ベノン)
レースも可能なエンデュランスモデル
レースモデルであるVitesseよりも全長が短いため、より直立したポジションが取れるロングライドに向いたエンデュランスモデルのバイクです。とはいえ、レースに全く不向きというわけでもありません。レースからスポーツ走行、初心者、さらには通勤・通学まで、オールラウンドに幅広いシーンに対応できる1台です。
快適性とスピードの両立
カーボンフレームとフォークにシマノの油圧式ディスクブレーキを採用するなどにより、路面コンディションや天候などに左右されることなく、快適性とスピード性を両立させるライドを実現してくれます。
③Zenium(ジーニウム)
幅広く対応できるオールラウンダー
スポーツ走行から初心者、そして通勤・通学まで幅広く対応できオールラウンダーモデルが、Zeniumです。フレームやフォークはカーボン、コンポーネントはシマノのティアグラからアルテグラまでラインナップされていたり、ブレーキはシマノの油圧式と機械式があるなど、予算によっての選択の幅が広いのは嬉しい限りですね。
④Razor(レイザー)
ロードバイクがはじめての人におすすめ
「ロードバイクははじめて」という人におすすめのエントリーモデルのロードバイクが、Razorシリーズです。レースへの出場はむずかしいですが、スポーツ走行に不自由はありません。もちろん、通勤や通学、ポタリングといった普段使いにも適しています。
女性専用モデルもあり
ドライブトレインはシマノのクラリスからティアグラまで、車体もアロイフレームやフォークを採用するなどにより、手の届きやすい価格となっています。また、ブレーキもディスクブレーキを採用したモデルもありますし、シリーズには女性専用のモデルを用意するなど、幅広いニーズに対応しています。
Vitusの特徴②優れたコスパ
Vitusのもう一つの特徴が、何といっても非常にコストパフォーマンスに優れている点でしょう。Vitusのバイクは、現在通販でしか手に入れることができません。一般的に、通販は店舗販売より価格が安い傾向が見られますが、Vitusのバイクも例外ではないのです。
コスパというより「バーゲン」
たとえば、Vitesseシリーズの「EVO CRS」は、カーボンフレーム&フォークにシマノのフルアルテグラのコンポーネント、シマノアルテグラの油圧ディスクブレーキ、さらにホイールはプライム、タイヤにシュワルベワンという装備を採用して、30万円を切る価格で手に入れることができるのですから、コスパに優れているというより「バーゲン」と呼んだほうがいいでしょう。
安いことも大きな魅力
ビギナー向けのモデル「Razor」なら、アルミのフレーム&フォークでメインコンポにシマノのクラリス、テクトロの機械式ディスクブレーキといった仕様で8万円以下と、クロスバイク程度の金額でロードバイクを購入することもできます。このコスパの優秀さは、Vitusの特徴というより大変な魅力です。
続いて、Vitusのインプレを紹介!
https://www.wiggle.jp/vitus-razor-womens-disc-road-bike-claris-2020/