仏式バルブの空気の入れ方
ここでは仏式バルブの空気の入れ方を紹介します。基本的には英式バルブと同じような入れ方ですが、構造的に壊れやすい部分があるので、扱いには注意が必要です。また、高圧で空気を入れるほど、空気の抜けるスピードが早くなります。最低でも2週間ごと、できれば1週間ごとに空気を入れた方が安心です。
空気の入れ方①キャップをはずす
まずはキャップを反時計回りに回してはずしましょう。キャップはバルブ先端の保護や、雨水が入らないように付いています。しかし、絶対に付けないと壊れるというほどのものではなく、付けなくても問題ありません。
空気の入れ方②小ねじをゆるめる
バルブ先端に付いている小ねじを反時計回りの方向に回し、ゆるめていきます。小ねじが回らなくなるまでゆるめてください。小ねじがバルブ先端に移動すれば、空気入れの口金が取り付けられる状態です。
空気の入れ方③少しだけ空気を抜く
小ねじをチョンと軽く押して、少しだけ空気を抜きましょう。仏式バルブは英式バルブのように虫ゴムではなく、パッキンで空気を保持する構造になっています。このため、仏式バルブは高圧な空気にも耐えられるのですが、このパッキンが固着しやすいのです。パッキンが固着すると、スムーズに空気が入りません。そこで、軽く空気を抜いてパッキンの固着をほぐすのです。
空気の入れ方④空気入れの口金を取り付ける
バルブに空気入れの口金を取り付けます。口金はバルブの先端に対して、まっすぐに取り付けましょう。バルブの先端は細いので、無理な方向から取り付けると、簡単に曲がってしまいます。口金が素直に入らない時は、一度はずしてやり直した方がいいです。
空気の入れ方⑤空気入れの口金をロックする
バルブに取り付けた口金を、はずれないようにロックしましょう。ロックする方法は空気入れによって異なるので、それぞれの方法に従ってください。筆者が使っている空気入れの場合は、上の写真のように口金についているレバーを倒してロックします。ちなみに、この空気入れは仏式バルブの他に、米式と英式に切り替えが可能です。
空気の入れ方⑥空気圧の適正値をチェック
タイヤの側面に表記されている、空気圧の適正値をチェックしましょう。仏式バルブは英式バルブよりも気圧管理が厳密です。適切な空気圧で空気を入れないと、最悪タイヤが破損します。例えば、筆者の折り畳み自転車の場合、適正値は「4.0~6.0bar、55~85psi」です(上写真)。なので、この範囲で空気を入れます。
空気圧の単位
実は空気圧をあらわす単位表記は、タイヤのメーカーやブランドごとにバラバラです。以下のように4種類もあります。
- bar(バール)
- psi(ピーエスアイ、プサイなど)
- kPa(キロパスカル)
- kgf/㎠(重量キログラム毎平方センチメートル)
空気の入れ方⑦空気を入れる
空気入れの圧力計を見ながら、ハンドルをポンピングして適正な空気圧まで入れてください(上写真)。空気圧が高くなるほど、車輪の転がりがよくなる反面、乗り心地が硬くなります。なお、適正値以上の空気を入れると、タイヤがバーストする恐れがあるので、注意しましょう。
空気の入れ方⑧口金を抜く
ロックを解除し、バルブから口金を抜きます。口金はまっすぐに抜いてください。バルブの先端は細くて華奢なので、無理な方向に引っぱると、簡単に曲がります。最悪、折れてしまったらチューブごと交換することになりますので、注意しましょう。
後輪はスプロケットのない方に取り付ける
後輪はスプロケットがある側(車体後方から見て車輪の右側)に口金をつけると、口金をはずす勢いでスプロケットの刃に触れてケガする恐れがあります。口金はスプロケットのない側(車輪の左側)に取り付けた方が安全です。
空気の入れ方⑨小ねじを閉める
バルブ先端の小ねじを時計回りに回し、小ねじが回らなくなるまで閉めます。小ねじ以外に、バルブの根本についている小ねじもきちんと最後まで回っているか確認してください。最後にバルブにキャップをかぶせて、作業完了です。英式バルブとは空気の入れ方が異なり、最初は戸惑うかもしれませんが、何度かやっていくうちに慣れます。
まとめ
以上、仏式バルブについて紹介してきました。英式バルブと違い、仏式バルブは速く走るのに適した特徴を持っています。華奢で壊れやすい構造は確かにデメリットですが、慣れれば問題ありません。ただし、買えるところが限られているので、パンクなどに備えて、予備チューブを持っていた方が安心です。
- 1
- 2
筆者撮影