フリーパワーとは?電池不要なアシストギアの構造やメリットを解説!

フリーパワーとは?電池不要なアシストギアの構造やメリットを解説!

TBSのテレビ番組「がっちりマンデー」で紹介されたことで有名となったアシストギア「フリーパワー」。このフリーパワーは、電池不要ながら自転車の走行をアシストしてくれます。この画期的なギアの仕組みと構造、メリットや自転車の選び方について解説します!

記事の目次

  1. 1.フリーパワー(Free Power)とは
  2. 2.フリーパワーの自転車クランク内の構造
  3. 3.フリーパワーのメリット
  4. 4.フリーパワーの種類
  5. 5.フリーパワーはどこで手に入るの?
  6. 6.まとめ

フリーパワー(Free Power)とは

出典: https://www.olympic-corp.co.jp/cycle/c20200229

フリーパワー(Free Power)とは、宮崎県宮崎市の株式会社フリーパワーが開発した自転車の走行を楽にする画期的なギアシステムです。2008年から「エコギヤ」という名称で開発が始まり徐々に認知を広めています。いまでは大手量販店「サイクルオリンピック」で取り扱われる人気商品です。

自転車のクランクに付けるだけで坂道が楽になる

このフリーパワー(Free Power)は、電池のいらないアシストギアのシステムです。モーターを使わない「後付け電動自転車」ともいえるこの仕組みは、フリーパワーの構造が組み込まれたクランクを通常の自転車に取り付けだけで、漕ぎ出しや坂道が楽になる画期的なシステムです。

TBSテレビ「がっちりマンデー」で人気に火が付いた

フリーパワーは販売からわずか7か月で5000万円もの売り上げを達成し、さらには宮崎県のシェアサイクルにも採用されているため、話題となっています。そして、メディアにも多く取り上げられ、TBSテレビの「がっちりマンデー」で紹介されたことで一気に知名度を上げました。

ペダルの見た目は普通の自転車とほとんど変わらないね。なのにすいすい坂道を登れるだなんて驚きだね。

電動アシスト自転車と違って充電もいらず、これだけ楽に坂道を登れるなんて、まるで夢のような自転車ですね。

経済評論家の森永卓郎氏が「10倍以上軽さが違う」とも絶賛したこの「フリーパワー」とは、いったいどのような仕組みなのでしょうか。

フリーパワーの自転車クランク内の構造

Photo byOpenClipart-Vectors

フリーパワーが通常の自転車よりも格段に楽に走れる秘密は、クランク内の特殊な構造にあります。この特殊構造が、自転車を漕ぐときにどうしても生じてしまっていたエネルギーのロスを解決しました。ここからは、その構造について解説します。

自転車の長年の課題「デッドゾーン」を解決

自転車のペダルには「デッドゾーン」と呼ばれる箇所があります。これは、ペダルを踏み込んでも推進力に変換されないペダルの位置、つまりペダルの位置を時計の針で例えると「6時」にあたる下死点の位置です。この位置での踏み込みが弱くなることは、自転車が生まれてから200年続く課題でした。

「電池のいらないアシストギア」の仕組み

出典: https://www.olympic-corp.co.jp/cycle/citem/freepowercycle/page/2

この下死点でのロスを解決したフリーパワーの秘密は、クランクのギアの間に内蔵されたシリコンゴムの構造にあります。このシリコンゴムが踏み込むたびに縮んでは伸び、そのときの反発力こそが、フリーパワーの仕組み最大のポイントです。

踏み込み力でシリコンゴムが圧縮

フリーパワーのクランクにはシリコンゴムが5つ組み込まれています。このシリコンゴムは弾力をもっています。まず、ペダルを踏みこんだとき、このクランクのシリコンゴムが圧縮されます。クランクの回転に伴い、シリコンゴムも次第に圧縮され、反発力を生むためのエネルギーが蓄えられます。

デッドゾーンでシリコンゴムのエネルギーが解放

踏み込んだ時に圧縮されたシリコンゴムにはエネルギーが蓄えられています。そのエネルギーは、踏み込みの推進力が弱まる下死点、つまり「デッドゾーン」で解放されます。この解放されたエネルギーがクランクを回す力に置き換わることによって自転車の推進力をアシストする仕組みになっています。

フリーパワーのメリット

Photo byClker-Free-Vector-Images

フリーパワーを搭載した自転車は「後付け電動自転車」とも呼ばれるように、坂道が楽に走れる効果があります。しかし、坂道が楽になるだけではなく、その他にもさまざまなメリットがあり、ここでは代表的なメリットを解説していきます。

メリット①自転車の加速性能向上

フリーパワーを搭載した自転車は走行テストにおいて、通常ギアに対して約20%の加速性アップが認められています。つまり、同じ力でスピードが速くなるということです。これは、一般の自転車であれば車体にパワーを与えづらい下死点においても、シリコンゴムの効果で推進力が生まれるため、安定した推進力が得られるためです。

国士舘大学での6か月にもおよぶ実験で得られた性能向上データで、体力が少ない人ほどフリーパワーの効果がより得られることがわかりました。裏付けもしっかりしていますね。

メリット②自転車走行の負担軽減

Photo byPerlinator

フリーパワーを搭載した自転車と一般の自転車で比較実験を行った結果、最高65%の筋肉負担軽減がみられました。これは、フリーパワーのほうが自転車を漕いでいるとき、太腿全面が柔らかくなる効果が得られるためです。

シリコンゴムのアシストで漕ぎだしの負担が減るため、フリーパワー搭載車では膝の痛みや下腿後面への筋肉痛も発生しにくくなるメリットもあります!

メリット③エクササイズ効果が高い

フリー写真素材ぱくたそ

フリーパワーを搭載した自転車では、通常の自転車では使われにくい筋肉がバランスよく使われるという実験結果が得られています。筋肉をまんべんなく使うことができるため、高いエクササイズ効果が期待できます。

シリコンゴムの効果で膝にも優しく怪我もしにくくなるため、エクササイズも長続きできそうですね!

フリーパワーの種類

Photo byPublicDomainPictures

硬さの異なる3種類のシリコンゴム

フリーパワーの仕組みにおいて最も重要な部品は、クランクギアに搭載されているシリコンゴムです。このシリコンゴムには硬さが異なる「ソフト・ミディアム・ハード」の三種類があります。

脚力とシリコンゴムの硬さをマッチさせることで最適な効果が生まれます。導入する前に、ぜひ試乗して硬さを確認してみましょう!

シリコンゴムの選び方

乗り方と脚力で選ぼう

シリコンゴムの硬さが固いほど強く踏み込んだときでも反発力が生まれるため、スピードを出す乗り方に適しています。一方、やわらかいゴムは弱い踏み込みでもアシストしてくれるため、停車と発進が多い場合に適しています。しかし、固さの感じ方は個人差があるため選ぶには試乗をおすすめします。

通常の自転車とフリーパワー自転車を乗り比べよう

まずは、フリーパワーのついていない普通の自転車の乗り心地を確認します。次にソフトタイプのフリーパワー構造が搭載された自転車に試乗します。ここでそれぞれの乗り心地の違いを確認したうえで、ハードタイプ、ミディアムタイプを乗り比べて、自分に最も合った一種類を選択しましょう。

メンテナンス方法や耐久性について

Photo bychrisreadingfoto

分解メンテナンスは専門店へ

フリーパワーを搭載した自転車は、ユーザーでの分解メンテナンスは事故・故障・破損の恐れがあるため、専門店へ持ち込んでメンテナンスをしてもらいましょう。また、グリスアップには推奨グリスが必要なため、音が鳴った際にも点検を行います。メンテナンスの推奨頻度は、半年から1年です。

実験でのシリコンゴム耐久性は200万回以上

シリコンゴムの耐久年数は、個人の乗り方や気候などの環境で変化します。実験では200万回以上の圧縮テストに耐えられる性能が得られているものの、例えば環境変化が大きい場所での保管などによりシリコンゴムの性能は低下します。定期的な点検を通して、必要に応じてシリコンゴムの交換作業を依頼しましょう。

定期的に交換すれば、アシストが効果的に得られますね!

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フリーパワーはどこで手に入るの?

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