グリスとは
自転車、特にロードバイクといったスポーツバイクのメンテナンスにグリスは重要です。グリスは潤滑油のひとつで、BB(ボトムブラケット)やペダル、ヘッドセット、プーリーなどのおもにベアリング(潤滑面)に使用されます。
定期的なメンテナンスが必要
グリスは、ペダルのネジなどをほこりや水分、酸化から保護するためにも使われます。また、粘度が高く密閉性に優れているので雨などの水に流れ落ちにくく、性能が長持ちするのがメリットです。とはいえ、異物が混入したり高温によって劣化することもあるので、定期的に塗る(グリスアップ)ことが必要です。
グリスと潤滑油との違い
グリスは潤滑油のひとつで、塗ることで摩擦を減らし回転や動作をスムーズにするのが目的です。ロードバイクの潤滑油というとチェーンオイルもあります。チェーンオイルもグリスも潤滑をよくするのが目的なら、グリスはチェーンオイル代わりに使えると考えている人もいますが、それは間違いです。
グリスとオイルは使い分けよう
グリスは潤滑油の粘度を調整し、半固体状にした潤滑剤です。わざわざ潤滑油を半固体状にするのには、耐荷重性を強めたり、飛散や漏洩を減らすという理由があります。また、オイルと比べて粘度が高いので吸着力が強いのも特徴です。これらの特徴を活かして、グリスとオイルは使い分ける必要があります。
グリスとオイルの選び方の違い
グリスを使用するのはハブ、ボトムブラケット、ヘッドセット、ペダル、オイルはチェーン、スプロケット、変速機、ブレーキシューを除くブレーキ本体の可動部(ブレーキレバーを含む)、各ワイヤー部分です。つまり、選び方としては、ベアリングなど内蔵部分にはグリス、軽い力で動く部分にはオイルと考えればいいでしょう。
選び方と間違うとトラブルが生じる
グリスを使うべき箇所にオイルを使用すると、粘度が足りずベアリング内の潤滑性能が不足してベアリングを破損してしまう恐れがあります。逆にオイルを使用するべき箇所にグリスを使うと、ほこりやゴミ、砂粒などがつきやすくなってそれぞれのパーツのスムーズな動きを妨げてしまいます。
セラミックグリスとは
グリスは、潤滑油の種類と含有される成分や添加剤などによって、さまざまに分類され、その種類は多岐にわたります。したがって、購入の際には選び方がわからないという人も少なくありません。そこでおすすめするのが「セラミックグリス」です。
セラミックスを配合したグリス
セラミックグリスとは、超微粒子セラミックを配合したグリスです。セラミックは硬くて耐熱性、耐食性などに優れており、陶磁器やガラス、セメント、耐火物などに使用されています。
静かでスムーズな動き
セラミックの配合されたグリスを塗ることでベアリング部分の摩擦や熱の発生が減少し、その結果作動が静かでスムーズになります。また、グリース本来の持つサビの発生といった効果ももちろん備えています。
おすすめセラミックグリス2選
自転車のグリスとして優れた働きをするセラミックグリスですが、残念ながら「セラミック」を大きく謳っている製品は多くはありません。その中から、特にロードレーサーに人気が高くおすすめの製品を紹介しましょう。
おすすめセラミックグリス①AZ BGR-004 自転車用セラミックグリス
AZ(エーゼット) BGR-004 自転車用 セラミックグリス ボロンナイトライド配合 50g 自転車グリース BG083
参考価格: 1,162円
メンテナンス全般に使用可
コスパの高さで人気の自転車ケミカルメーカーAZ(エーゼット)のセラミックグリスです。高性能オレフィン系合成油をベースにセラミック粉末を贅沢に配合した高性能グリスです。BBやハブ、ヘッド部分のベアリングへのグリスアップをはじめ、サビ防止など自転車メンテナンス全般に使用できます。
メリットはいろいろ
温度変化によって潤滑性が損なわれることの多いグリスですが、この製品は温度変化に強く、低温下でも潤滑性能は変わりません。摩擦抵抗が非常に低いのも特徴で、さらに長期間にわたって潤滑性能をキープできるのでメンテナンス頻度を減らせるのもメリットです。
おすすめセラミックグリス②フィニッシュライン セラミックグリス
FINISH LINE(フィニッシュライン) セラミックグリス 60g
参考価格: 1,298円
摩擦抵抗を大幅に低減
自転車専用のケミカルメーカーフィニッシュラインのセラミックグリスです。超微粒子セラミックが使用されており高回転時の摩擦抵抗を大幅に軽減するので、ハブやBBなどの回転部分や可動部分の抵抗を抑えるのに使用するといいでしょう。
リーズナブルな価格も魅力
もちろん防錆や防水といったグリスの基本的な効果もあるので、いろいろな部分に使用できます。価格がリーズナブルなのも魅力のひとつです。
その他の人気グリス2選
セラミックグリス以外にも、高性能なグリスやさまざまな特徴や効果を持ったグリスもあります。
おすすめグリス①モチュール テックグリス 300
MOTUL(モチュール) TECH GREASE 300 (テックグリース 300) コンプレックスリチウムグリス[正規品] 200g 16601101
参考価格: 3,672円
幅広い使用がOK
モチュールテックグリスは、レースで培った技術を活かして開発されたリチウム系グリスです。ベアリングやハブ、ユニバーサルジョイント、ボールジョイント、ワイヤーケーブルなど、幅広く使用できます。
回転のよさは特筆もの
このモチュールテックグリスの特徴は、何といっても低フリクションで回転が非常によいという点です。高速回転や高負荷でもスムーズに回ってくれますし、フリーボディに使用した場合もしっかり馴染むのでラチェット音が静かです。他の製品から変更したならすぐに違いがわかると評判です。
おすすめグリス②チッコイグリースガンと自転車用グリース
便利なグリスガンセット
グリスを塗る際に手を汚したくない、簡単・便利にグリスを塗りたいという人におすすめなのが、グリスガンとセットの製品です。グリスガンの先端が尖っているうえに本体が小さいので細かな部分で使いやすく、思った量が注入しやすいのがメリットです。
ウレア系グリスを使用
グリス量は20g、40g、80gの3種類があり、ジャバラ部分の交換で選択できます。ジャバラ部分に入っているのは耐熱性と耐水性に優れるウレア系グリスです。ウレア系グリスは防錆効果や耐摩耗性、さらに長期潤滑性にも優れています。
まとめ
グリスアップは、ベアリングの中以外はたっぷり目に塗るのがコツです。したがって、高いものよりリーズナブルなもののほうがコストを気にせず使えるので好ましいといえるかもしれませんね。セラミックグリスならさほど高くはありませんし、安定した性能が得られるのでよりおすすめというわけです。