ロングライドに必要な装備とは
ロングライドは車やバイクでしか行ったことのない場所や、全く知らない場所などを自転車でゆく、なんとも言えない爽快と開放感にあふれています。しかし近隣を走る普段のサイクリングとは違い、長距離を走るロングライドでは必要な荷物や服装などの装備が変わってきます。この記事ではロングライドに適した荷物や服装などについて紹介します。
ロングライドの定義
ロングライドの定義は人によってさまざまです。「一日中走る」などの、時間で考える場合もあれば、「〇〇km以上」などの走行距離で考える場合など、いろいろなパターンが考えられます。そして日帰りなのか、宿泊をともなうのかによっても必要な持ち物は変わってきます。そこでこの記事でのロングライドの定義は「日帰り・最長200km」と設定して解説していきます。
この記事での「ロングライドの定義」
- 日帰り
- 最長200km
ロングライドに限らず、不測の事態に備えることは重要です。しかし持ち物が多いと重量も増すので、疲労を早めることになります。ロングライドでは、荷物をいかにコンパクトに軽くまとめるかが重要なポイントとなります。
ロングライドの装備【身に着ける装備編】
200kmのロングライドに最低限必要だと考えられる装備を厳選しました。普段のサイクリング等でも使用しているであろう装備も含まれますが、重要度の高いものはあえてここでもピックアップしていきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
①ヘルメット・サイクルキャップ
頭部を守るヘルメットは必須です。自分の頭にしっかりとフィットし、安全認証されたGSマークがついたものを選びましょう。ヘルメットの下にはサイクルキャップを合わせるとさらに快適です。夏場は頭皮の日焼けを防いだり、汗を吸収・蒸発させてくれます。寒い時期は風をシャットダウンしてくれ、頭部の保温効果が期待できます。
②アイウェア
紫外線や飛び石などから目を守る、サングラスなどのアイウェアもあると安心です。バイザー付きのヘルメットでもいいですね。トンネルやナイトランを考慮して、クリアレンズに近いものか偏光レンズなどがおすすめです。近隣のサイクリング程度であればそこまで考える必要はないですが、長距離走るとなると目への負担も結構かかることを意識しておきましょう。
③グローブ
手を守るグローブも装備しましょう。汗による操作ミスや、路面からの振動を和らげて手への負担を軽くする効果があります。転倒時にもグローブがクッション材の役目をしてくれます。手のひらのパッド部分が厚くなっている、長距離向けのグローブがおすすめです。
④ウィンドブレーカーなど
標高の高い場所など、走る場所によっては真夏でも寒く感じる場合があるので、服装にも注意が必要です。自転車用のウィンドブレーカーはとても軽量で、ジャージの背面ポケットに収まるほどコンパクトになります。日焼け対策や防寒目的として、アームカバーやレッグカバーも有効です。季節に応じたものを用意しましょう。
⑤身分証明証
公道を走る以上、最悪の事態も想定しておかなければなりません。自分の身元や緊急連絡先などが、救急隊員などの他者にもわかるように準備しておきましょう。保険証のコピーをとり、裏面に緊急連絡先を書いてジップロックなどに入れておくなどするとよいでしょう。スマホのパスコードロックを解除しておくのも有効です。
ロングライドの装備【車体装備と荷物編】
①前後ライト
ライトは前後とも必須です。道中にはトンネルがあることや、予想以上に時間がかかりナイトランになる可能性もあります。また、明るい時間帯であっても前後ライトを点滅させておくことをおすすめします。自分の存在を他者へアピールすることで視認性の向上が見込まれ、追突や巻き込みなどの事故にあう確率を軽減させる効果が期待されるためです。
②予備チューブ
不意のパンクに備えておくのはロングライドでも普段のサイクリングでも同様です。長距離になればなるほどパンクリスクは高まるので、できれば2本以上持っていくと安心です。軽量なものがいいように思えますが、ここは多少重くなっても耐パンク性に優れた厚手のチューブが望ましいです。チューブ交換に慣れていない人は、事前に練習しておくことをおすすめします。
③現金
普段のサイクリングでは電子マネーが使えるコンビニなどがあるので、スマホひとつあれば事足りる場合も多いです。しかしロングライドでは、ルートによっては電子マネーが使える場所が全くないことも珍しくありません。多く持っていく必要はありませんが、必要に応じた金額の現金を持っていくようにしましょう。
④補給食
ロングライドでは、補給のタイミングも重要なポイントです。ですが、補給したいときにお店や自販機がないということもロングライドではよくあることです。エネルギーバーやジェルなどの補給食は必ず携帯しておきましょう。塩飴やボトルに入れるクエン酸なども有効です。
⑤モバイルバッテリー
長距離走るとなるとそれ相応の時間もかかるので、スマホ・サイコン・前後ライトなどのバッテリーがもたないことも考えられます。モバイルバッテリーをもっていれば、出先でも充電ができるので安心です。身体への負担を考慮しつつ多くの機器を充電できるように、軽くて小さな容量10000mAh程度のものがおすすめです。
接続ケーブルも忘れずに
忘れがちなのですが、各機器に対応した接続ケーブルも持っていきましょう。走りながら充電することも想定して、モバイルバッテリーを積む場所と各機器までの位置関係を考慮し、必要な長さのケーブルを用意します。走行中にケーブルを巻き込まないような取り回しにも工夫が必要です。
⑥日焼け止め
特に夏場は日焼け止めは必須です。一日中走るとなると、朝に塗った日焼け止めが汗で流れて効果が薄れてくるので、休憩のときに塗り直すことで効果を持続できます。日焼けの防止は肌のケアだけでなく、体力の消耗を軽減させることにもなります。首元や耳の後ろなどが焼けやすいので、そこも忘れずに塗っておきましょう。
⑦輪行袋
輪行袋は、自転車を中に入れることで電車などの公共交通機関に持ち込むことが可能になるアイテムです。電車などを使うことでロングライドの幅はさらに広がります。例え輪行をする予定が無くても、「いざというときは輪行で帰れる」という心理的な安心感があることは、ロングライドにおいて重要な要素です。
⑧バッグ
当然、これらの荷物を入れるバッグも必要です。リュックやサコッシュなどの身につけるタイプと、フレームバッグやサドルバッグのような自転車につけるタイプがあります。それぞれメリットデメリットがあり、好みが別れるところです。どちらかというとロングライドでは自転車につけるタイプのほうがおすすめです。
リュックなど
リュックの場合、休憩や観光などで自転車を降りるときにそのままさっと行けるメリットがあります。反面、長距離だと疲労が蓄積されやすく、背中の接地面が蒸れやすいのが難点です。
シートポストバッグなど
自転車のフレームやシートポストにつけるタイプのバッグであれば身体への負担は少なく、重心も下がるので安定性が増します。その反面、自転車を離れるときは必要なものをいちいち取り出す手間があるところがデメリットと言えます。
次のページでは荷物のパッキングのコツとロングライドの心得を紹介します!
出典:筆者撮影