自転車のヘッドライトとは
自転車を安心・安全に乗るために欠かせないアイテムといえば、ヘッドライトです。各都道府県の条例においても、軽車両(自転車)にはヘッドライトを装着することが義務付けられています。このヘッドライトは、シティサイクルには標準で付属しているものの、ロードバイクをはじめとするスポーツ自転車では付属していません。そのため、自分のサイクリングスタイルに合ったヘッドライトを選ぶ必要があります。
自転車にヘッドライトが必要な理由
上記の通り、条例でヘッドライトの装着は義務付けられていますが、ではなぜ、スポーツ自転車において、ヘッドライトが必要なのでしょうか。理由は主に2つあります。
①路面の状態やカーブなどの進行方向を確認するため
車やバイクと同じく暗いなかを無灯火で走行すると、進行方向を見誤ったり路面に落ちている割れたガラスや空き缶などの障害物に気づきづらくなります。特に、スポーツ自転車ではタイヤが細くちょっとした障害物で転倒しやすいため、路面の状態をいち早く察知することは自分の身を守ることに直結します。
②前方から来る車両へ自分の存在をアピールするため
自転車においてヘッドライトが必要な理由はもうひとつあります。それが、前方から来る車両へのアピールです。自転車は、エンジンの音がしないうえに、車のように大きなシルエットではないため、前方からの走行車両から見えづらい場合があります。そのため、日が沈んで真っ暗になる前にも自分がいることをアピールするためのヘッドライト点灯が安全な走行の手助けになります。
CATEYE(キャットアイ)とは
そして、ヘッドライトの最大手メーカーといえば、CATEYE(キャットアイ)です。キャットアイのヘッドライトはvolt(ボルト)と呼ばれてお理、volt(ボルト)は、明るさによって100ルーメンから1700ルーメンの幅広いラインナップがあります。
明るさを「ルーメン」って言うのね。でもどれを選んだらいいか、よくわからないわ・・・。
確かに、このキャットアイのヘッドライトを選ぶ際に、どのモデルを選べばいいのかとても悩まされますが、そのなかでも、街乗りからロングライドまで幅広く使えるモデルがvolt400(ボルト400)とvolt300(ボルト300)です。ですので、今回は、volt400(ボルト400)とvolt300(ボルト300)比較して、ご紹介します。
キャットアイvolt400のスペック
CATEYE volt400
- 最大の明るさ:400ルーメン
- あたり一面を照らす、広がりの大きい光です
<最大の明るさ>
- 400ルーメン
<点灯モード>
5種類
- ハイ:400ルーメン
- ミドル:100ルーメン
- ロー:50ルーメン
- デイタイムハイパーコンスタント:400/50ルーメン
- 点滅:50ルーメン
<点灯時間>
- ハイ/約3時間
- ミドル/約8時間
- ロー/約18時間
- デイタイムハイパーコンスタント/11時間
- 点滅/60時間
<充電時間>
- USBで6時間、専用の急速充電クレードル(別売り)で3~5時間
<重量>
- 120g
<光線の特徴>
- 広がりが大きく、あたり一面を照らせます。
キャットアイvolt300のスペック
CATEYE volt300
- 最大の明るさ:300ルーメン
- 光はまっすぐ遠くまで届きます
<最大の明るさ>
- 300ルーメン
<点灯モード>
5種類
- ハイ:300ルーメン
- ミドル:100ルーメン
- ロー:50ルーメン
- デイタイムハイパーコンスタント:300/50ルーメン
- 点滅:50ルーメン
<点灯時間>
- ハイ/約3時間
- ミドル/約8時間
- ロー/約18時間
- デイタイムハイパーコンスタント/11時間
- 点滅/60時間
- USBで6時間、専用の急速充電クレードル(別売り)で3~5時間
<重量>
- 120g
<光線の特徴>
- まっすぐ遠くまで照らす光線です。
vol300とvolt400には最大明るさの違いと、光の広がり方にそれぞれ特徴があります。
取り付け用ブラケットは共通
共通のブラケット
取り付け用ブラケットはこのような形です。輪っかになっている部分に自転車のハンドルを取り付け、画像の親指部分にある締め付け用のねじを締めこむと、輪っかが小さくなることでハンドル部分にブラケットが固定されます。あとは、正面から本体を差し込めば完成です。工具いらずの簡単なブラケットとなっています。
volt400の別ブラケットタイプ"volt400XC"
volt400XC
また、volt400においては数台の自転車でライトを共有するのにとても便利なゴムのブラケットタイプ「volt400XC」もラインナップされています。こちらはブラケットのゴムを引っ張って爪にひっかけるだけですので、さらに取り付けが簡単です。
キャットアイvolt400の明るさを検証
50・100・400ルーメンとはどんな明るさ??
製品仕様に「〇〇ルーメン」と書いていても、いったいどのくらいの明るさなのかがピンとこないと思います。明るすぎてもバッテリーが消耗するだけですので、どの強さを選べばいいか悩みどころです。
ちなみにこの「ルーメン」という単位は、1メートル先のろうそくを手元で確認できる明るさのことです。
つまり、例えば300ルーメンなら300本のろうそくが1メートル先にある明るさのことになります。
ますますイメージしにくいですね・・・。
そこで、以下では、実際にvolt400で、ローモード(50ルーメン)、ミドルモード(100ルーメン)、ハイモード(400ルーメン)でどのくらい明るさが変わってくるか確かめてみました。
①無灯火の場合
まずは無灯火の画像。ほぼ暗闇です。
②400ルーメンの場合
バイク並みの400ルーメン
最大強度の400ルーメンはバイクのライト並みです。約5m先の駐車場の壁まではっきり見渡せます。
③100ルーメンの場合
このくらいあれば大丈夫!100ルーメン
100ルーメンは、400ルーメンよりは暗いものの走行には支障のない明るさです。
④50ルーメンの場合
夜道は少し不安かも?50ルーメン
50ルーメンは、家庭用の懐中電灯くらいの強さです。駐車場の壁もほとんど見えなくなり、少し不安を感じる明るさです。
キャットアイvolt400とvolt300の明るさ以外の違い
カラーバリュエーションに違いあり
volt400はブラック、イエロー、レッド、ブルーの4色展開なのに対して、volt300ではシルバーカラーが選べます!照射強度が400ルーメンも必要なく、かつ自転車のカラーやほかのパーツとの兼ね合いを考えてシルバーを選びたい方はvolt300一択になります。(2019年8月時点)
キャットアイの使い方(volt400とvolt300共通)
明るくすればするほど、バッテリーの消耗も早くなります。特にハイモードでは、連続約3時間しか使用できないため、自転車に乗っているシチュエーションに応じて明るさを調節しすると良いでしょう。省エネすると長持ちできて安心です。
たとえば、夜道ではそれぞれの明るさをこのように使い分けができます。
300・400ルーメンの使い道
街灯の少ない道路や、サイクリングロードなどに適した明るさです。対向車にも十分なアピールになります。この明るさが確保されていれば、全く明かりのない山道以外は安心して走れます。※このくらい明るいときは、対向車の目つぶしにならないように、取り付けブラケットの向きにも注意が必要です。
100ルーメンの使い道
よほど暗くない、通常の道路を走るときに最適です。※ポタリングをはじめとする標準的なスポーツサイクルにおいては、この明るさが最低限必要です。
50ルーメンの使い道
とても明るい街中の歩道に最適です。
キャットアイのvoltシリーズは、バッテリー残量が少なくなると電源ボタンが赤く光って教えてくれます。急に電源が落ちることはないのでご安心を!
volt300とvolt400の比較まとめ
この記事では、CATEYEのヘッドライトvolt300とvolt400を徹底比較しました。比較をまとめると、
volt400とvolt300の比較まとめ
- ①バッテリーの保持時間や重量はどちらも同等
- ②volt400のほうが最大の明るさが大きく、光を照射する角度が広い。
- ③volt300は、スペック上の明るさが低いものの、volt400よりも光線が中央に集中するため遠くまで見渡すことができる仕様になっている。
volt400はキャンプ用のランプとしても使用可能
もし、メインライトをほかにも持っていてサブのライトとして買い足す場合は、メインライトの光の広がり方とvolt300あるいはvolt400の特性を比較して互いを補い合うようなライトを選ぶのがベストでしょう。またvolt400は、その光線の広がりを利用してキャンプ用のランプとしても代用することができるかもしれません。
まとめ
volt400の実験でわかるように400ルーメンもあればかなり明るいので、さまざまな道を丸々一日走り続けるブルべや東京大阪を一気に走り切るキャノンボールなどの長時間夜中を走り続けることが想定されないかぎりは、この300~400ルーメンが3時間持続すれば十分に安心・安全な走行ができます。つまり、CATEYEの製品群ではvolt300かvolt400をメインのヘッドライトとして選べば間違いないでしょう。カラーリングと光の広がり方の好みでヘッドライトを選んで、楽しく安全なサイクリングを!
この2つの目的に沿って、「メインライト」は照射強度の高いライト、「サブライト」は小型でバッテリー持続時間の長いライト、といったように、2つのライトを取り付けるパターンもあります。