はじめに
ここ数年で、一般的な丸型のハンドルとは別に、上ハンドル部分がつぶれたような形状をした「エアロハンドル」の人気が高まってきています。ヨーロッパのプロ選手はもちろんのことですが、一般的なサイクリストの方もよく使用するようになってきました。しかし、今までの一般的な丸型ハンドルとエアロハンドルでは、どのような違いがあるのでしょうか? 今回は、エアロハンドルについて詳しく解説します。
エアロハンドルの特徴
エアロハンドルの性能について解説する前に、エアロハンドルがどのようなハンドルなのかを理解した方がいいでしょう。そのため、まずはエアロハンドルの特徴について解説していきます。
特徴①上ハンドル部分が平らになっている
エアロハンドルは、上ハンドル部分が平らになっているため、ぱっと見た感じで普通の丸型ハンドルと違うことがわかります。エアロハンドルの一番の特徴である「上ハンドル部分が平らに潰されたような形状」は、正面から見てみると細くなっていますが、その分だけ上から見た場合ではハンドルの面積が広くなっています。
特徴②ドロップ部分は丸ハンドル
エアロハンドルは、上ハンドル部分は平らになっており、正面から見た場合は、細くなっていますが、上ハンドルからドロップ部分になると、普通の丸型ハンドルと同じ形状になっています。ドロップ部分まで平らになってしまうと、握りにくくなり、操作性が著しく悪くなるため、ドロップ部分は握りやすいように丸型になっています。
特徴③素材はカーボンが使われる
エアロハンドルはカーボンが素材として利用されています。エアロハンドルは、非常に複雑な形状になっているため、アルミやスチールなどの金属で成型することは、難しいです。しかし、カーボンであれば比較的自由に成型できるようになったため、複雑な形状をしているエアロハンドルは、カーボンで作られています。
エアロハンドルの効果
エアロハンドルの特徴について解説しましたので、次はエアロハンドルを使用した場合の効果について紹介していきます。
エアロハンドルの効果①空気抵抗削減できる
エアロハンドルの効果として、一番大きいものは、空気抵抗の削減です。上ハンドルの部分を平らな形状にすることで、前から見たときにハンドルが細くなります。それによって、ハンドルが受ける空気の量が少なくなるため、空気抵抗の削減が行われています。最近では、上ハンドルの平面部分に、小さな凹凸をつけて、空気の通り抜けをスムーズにして、さらに空気抵抗の削減を行っているものもあります。
エアロハンドルの効果②ハンドルの剛性が高い
次に、エアロハンドルにしたときに感じられる効果としては、ハンドル剛性の高さです。今までのカーボンハンドルはハンドルの剛性が不足していることが多く、力強くハンドルを引っ張ったりするとたわむこともあり、体の大きな方などには避けられていました。しかし、カーボンハンドルは、円型のハンドルよりも、使われているカーボン繊維の量が多いため、剛性が高くなっています。
エアロハンドルの効果③見た目がかっこよくなる
最後に感じられる効果としては、ロードバイク全体の見た目の変化です。エアロハンドルは、普通のハンドルと比べて、見た目が特殊なので、非常に目立ちます。また、バーテープが巻かれている面積が、円型ハンドルよりも少ないため、カーボンの黒色の割合が増えて、全体的な印象が引き締まります。
エアロハンドルのデメリット
エアロハンドルは、空気抵抗の削減などのメリットがあり、非常に魅力的な部分が多いですが、その一方でデメリットも存在しています。次は、エアロハンドルのデメリットについて解説していきます。
デメリット①製品の選択肢がまだ少ない
エアロハンドルは、以前よりも商品ラインナップは増えてきましたが、それでも円型ハンドルと比べると、商品の選択肢が少ないのが現状です。そのため、実際にエアロハンドルを導入しようとしても、他の方とかぶってしまったりすることもあります。また、ハンドルの形状が自由に選ぶことができないため、導入したくても自分のポジションに合わないため、導入できない方もいるでしょう。
デメリット②重量が重い
エアロハンドルの二つ目のデメリットは、ハンドルの全体重量が重いということです。スチールハンドルよりは軽量なことがほとんどですが、円型のカーボンハンドルよりは重量があります。エアロ形状で作り上げているため、カーボン繊維の使用量が多くなっているために、どうしても重量が増してしまう傾向があります。しかし、最近では高性能なカーボン繊維も開発されてきているため、以前よりもエアロハンドルの軽量化も進んではいます。
ヒルクライムでは不利な部分が多い
平地や下り坂では、ロードバイク全体に加わる空気抵抗は大きいですが、上り坂などで速度が遅くなった状態では、空気抵抗が小さくなってしまいます。その状態でエアロハンドルを使用していても、あまり効果がありません。また、重量も重くなってしまうので、エアロハンドルは、ヒルクライムには不向きなポイントが多いということも覚えていきましょう。
デメリット③価格が高い
エアロハンドルの最後のデメリットは、購入時の金額が高いという点です。エアロハンドルは、成型する工程が複雑で、使っているカーボン繊維の量も多いため、価格も高くなる傾向があります。ハンドルは実際に使用してみないと分からない部分も多いパーツの一つなので、そういう迷いがある方がエアロハンドルを導入するときには、十分に下調べするなどの慎重さが必要になるでしょう。
続いて、エアロハンドルの選び方について解説していきます!