ロードバイクでロングツーリング
ロードバイクで遠出をしよう
ロードバイクというと高速でレースで疾走するといったイメージがありますが、ゆっくりとしたスピードでロングライドやツーリング、旅行へ出掛けるといった乗り方をする人も多くなっています。そもそもロードバイクは速度もさることながら、長距離を少ないストレスで楽に走ることができるという利点も持ち合わせています。
ロードバイクでキャンプも人気
特に近年はキャンプ用品をバイクに積んでツーリングに出掛けるキャンプツーリングが人気です。近場でキャンプも悪くはありませんが、やはり非日常を求めるなら遠出のロングツーリングとなります。自分の力だけで遠くまで移動できるツーリングは、自転車の醍醐味のひとつといえるでしょう。
装備や荷物が増える
ただし、自転車、特にロードバイクとなると持ち運べる荷物や装備には限りがあります。日帰り旅行だとしてもある程度持ち物はありますし、数日間の旅行となるとさらに荷物は増えてしまいます。また、キャンプとなると1泊でもそれなりの荷物や装備が必要です。
荷物対策が必要
グラベルロードやツーリング用のロードバイクには荷物用のバッグが取り付けられるような拡張機能が備わっていますが、それでも持ち運びできる荷物には限度があります。ロードバイクで長距離ツーリングや旅行をする際には、持ち運びする荷物対策をじっくり考える必要があります。
ロードバイクツーリングで必要なアイテム
ロングライドやツーリングといっても距離によって持ち物や装備は変わってきますし、単に長距離を走るだけなのか、旅行なのか、宿泊はホテルや旅館なのか、キャンプでテントなのかなど、目的や状況によっても大きく異なります。ここでは、シチュエーション別に持ち物や装備を紹介していきましょう。
①必須アイテム
まず最初に紹介するのは、距離や目的、宿泊などに関わらず、ライドに出掛けるなら必ず持って行くことをおすすめするアイテムです。
ライドでの必須アイテム
- パンク修理セット
- 予備のチューブ
- タイヤレバー
- 携帯ポンプまたはCO2インフレーター
- 携帯工具(アーレンキー)
- 鍵
- お金
- スマートフォン
パンク修理セットは必須
街中などライドルート上に自転車屋があるようなところなら問題はありませんが、山の中や辺鄙な場所でパンクするとパンク修理をしなければならないので、パンク修理セットは必要です。CO2インフレーターは空気を入れる手間が省けるのがメリットですが、慣れていないと失敗する危険があるので、携帯ポンプだけ、もしくは両方持っていくことをおすすめします。
スマホの充電もお忘れなく
今や生活の必需品となっているスマートフォン、ナビ代わりに使っている人も多いでしょう。そうでなくとも事故やケガをした際に警察に連絡したり、機材トラブルなどで動けなくなった時にタクシーを呼んだりといった場合に必要です。ライドの前日にはフル充電を忘れないようにしましょう。
お金があればなんとかなる
お金は補給食や飲み物の補充などで必要となりますが、それ以外でもお金があればなんとかなります。最近はキャッシュレス決済が普及していますが、対応していないジュースの自動販売機などもあるので、少額の現金とキャッシュレス決済アイテムの両方があれば万全です。
②200km以上の日帰りツーリングで必要なアイテム
200km以上の日帰りツーリングで必要なアイテム
- ライト(できれば2灯以上)
- テールライト
- 反射材のついたベストなど
- モバイルバッテリー
- 輪行袋
- 免許証
200kmライドは10時間超
200km以上の長距離ライドとなると、巡航速度やプランにもよりますが、休憩時間を含めると10時間以上を要するでしょう。出発時刻や季節にもよっては夜間走行の可能性があるので、ライト関連は必需品となります。
前後ライトが必要
ライトはひとつでも構いませんが、万が一のバッテリー切れやトラブルに備えて2つ以上持って行くといいでしょう。特に山間部や人家の少ない場所を走るのであれば、光量の大きなもののほうが安全です。車からの視認性を高めるためにテールライトは必需品ですし、反射材のついたベストやたすきなどもおすすめです。
充電切れに備えてモバイルバッテリー
長距離ライドとなるとスマートフォンの電池の消費は案外早いもの、特にスマホでナビ機能やStravaなどのアプリを使用しているとすぐにバッテリーがなくなってしまいます。GPSサイコンの充電も可能ですから、モバイルバッテリーも忘れないようにしましょう。
アクシデントへの対処に
機材トラブルや体調不良、怪我などでリタイヤして電車など公共の交通機関で帰る場合には、ロードバイクそのままの形では乗ることができないので輪行袋が必要となります。また、万が一の際に備えて、免許証など身分を証明できるものを携帯しておくことをおすすめします。
③宿泊ツーリングで必要なアイテム
宿泊ツーリングで必要なアイテム
- 着替え(下着)
- レインウェア
泊りでも特別な用意は必要ない
宿泊の場合は長距離ライドになるケースが多いのですが、ライドの際の必須アイテムや200km以上の日帰りツーリングのアイテムを準備しておけば、旅仕様をする必要は特にないでしょう。自転車で走ることが第一目的であればなるべく最低限の荷物にまとめましょう。
ウェアの用意
旅行中サイクルウェアだけで済ますならホテルに到着してからウェアを洗っておけば翌日には乾いていますが、普段着で観光する場合は着替えが必要です。洗面道具やタオル、パジャマなどはほとんどのホテルに用意されていますが、ないこともあるので事前に確認することをおすすめします。また、宿泊の際に電気機器の充電ができるのでモバイルバッテリーは必要ないかもしれません。
雨天への備え
天気予報をチェックして雨を避けても突然降られる可能性もあるので、レインウェアも持って行きましょう。寒さ対策としてウインドブレーカーもあったほうがいいですが、持ち物が増えるのでレインウェアでも代用することもできます。いずれにせよ、防水・透湿性能に優れた高機能なレインウェアがおすすめです。
キャンプはさらに荷物が増える
キャンプ旅行の場合はテントや寝袋、自炊道具など、普通の旅行より持ち物が増えます。その場合でも、なるべく荷物は厳選して最小限にするのが鉄則です。最近はバイクパッキングに適した軽くて小さくまとまるギアもたくさんあるので、ぜひチェックしてみましょう。
ツーリング用ロードバイク以外でもOK
ツーリングや旅行となるとたくさんの荷物や装備を運ばなければならないから普段乗っているロードバイクでは無理、と諦めている人もいるかもしれませんね。しかし、普段の愛車でも工夫次第でツーリング車に十分なります。
ツーリング用バイク ランドナー
確かに、ランドナーといったツーリング用のロードバイクはホイールベースが長め、クロモリフレームで振動や衝撃性に優れている、太めのタイヤで衝撃吸収性や安定性がいい、荷台やバッグ類を取り付けるダボ穴が多く設けてあるなど、2、3泊の自転車旅行やキャンプに向いています。
ツーリングの際の注意点
もちろんこういったツーリング用ロードバイクは、遠出や旅行、ロングライドに適している「旅仕様」の自転車ですが、普通のロードバイクでも工夫次第で遠出ツーリングや旅は可能です。ただし、積載できる荷物の絶対量は限られるので、いかに持ち物を少なくするかがロードバイクツーリングの最大のポイントです。
荷物は最小限に
ツーリングや自転車旅行では荷物は最小限にするのが鉄則ですが、どうしても持ち物や装備は多くなりがちです。そんなときはどんな点に注意が必要なのか、紹介しましょう。
①サイクルバッグを活用しよう
荷物を身につけるケース
通常のライドやサイクリングなら、サイクルジャージのバックポケットに必要なものを入れている人も多いでしょう。また、ウエストバックやバックパック、メッセンジャーバッグを使っている人もよく見かけます。こういったアイテムはバイクから降りたときに持ち運びがしやすいのがメリットです。
荷物は自転車に背負わせよう
しかし、ロングライドでは肩や腰に直接重さがかかると、肩が凝ったり腰が痛くなったりと身体への負担が大きく疲れやすくなってしまいます。また体と密着した箇所に汗をかきやすく、夏でなくても不快に感じます。こういった事態を避けるために、サドルバッグやフレームバッグ、ハンドルバッグなど自転車にとりつけるバッグを活用しましょう。
バッグを自転車に取り付ける
おすすめなのが、サドルバッグやフレームバッグです。ハンドルバッグを使用する場合は、ハンドリングに影響を与えるので軽いものや小さめのものを入れるといいでしょう。バッグ類は、雨に備えて防水性能に優れたものがおすすめです。
大は小を兼ねない
ただし、バッグ類は大き過ぎるとペダリングの際に足が擦れたり車体が左右に振られたり、余分な空間ができて荷物が安定しないといったこともありがちです。荷物が多い場合は大きなバッグひとつにすべてまとめるのではなく、なるべく複数のバッグに分散させましょう。
②すべての荷物を持って行かないという選択もあり
宅配便を活用
特に旅行先で観光をするといった場合なら、サイクルウェア以外に普段着やスニーカーなどが必要といったケースもあるでしょう。そんな際は、あらかじめ宿泊先に宅配便などで送っておくのもおすすめです。帰りは逆に自宅宛てに返送すれば、持ち運ぶ荷物が少なくなります。
コンビニで手に入るアイテムも
ポケットティッシュや絆創膏、リップクリームなどもあれば便利ですし、夏のライドでは日焼け止めクリームも必須です。このような小物は途中コンビニでも手に入るので、必ずしも荷物として持って行かなくてもいいでしょう。ただしルート上に必ずコンビニがあるとは限らないので、事前のチェックも必要です。
経験で荷物は厳選される
ロードバイクの旅仕様といっても、特別難しいことや変わったことをする必要はありません。普段持っているギアに必要に応じたアイテムを追加していくだけです。最初の内はトラブルを心配していろいろなものを持って行きがちですが、慣れるにしたがって必要なものと不必要なものの見極めがついてきて、次第に荷物は少なくなっていきますよ。