自転車のワイヤーロックとは
自転車の盗難はなくならない
自転車の盗難は後を絶ちません。全国で発生している犯罪の中で窃盗件数が最も多いのですが、その中で自転車の盗難は毎年トップの件数となっています。そして、ママチャリやシティサイクルといった自転車だけでなく、ロードバイクやクロスバイクといった高級なスポーツバイクも盗難被害に遭っています。
自転車の種類で盗み目的が違う
ママチャリやシティサイクルの場合は酔っ払いや歩くのが面倒だからといった人が鍵の掛かっていない自転車を「ちょっと拝借」と乗って行ってしまうケースが多いのですが、ロードバイクやクロスバイクでは売却する目的で盗むケースが多数を占めます。
ロードバイクに鍵は装備されていない
一般的にロードバイクやクロスバイクには鍵が標準装備されていないので、購入後に自分で手に入れなければなりません。ママチャリやシティサイクルには鍵はついていますが、簡単なものなのでその気になればすぐに解除できます。したがって、盗難を防ぐのであれば別に鍵を用意するほうが安心です。
ワイヤーロックは人気
ワイヤーロックは、いろいろある鍵の種類のひとつです。頑丈さを増すためにスチール製ワイヤーを何本も束ね、外側をビニールやナイロンなどで覆ったロープ状の鍵です。携帯性や防犯性、そして価格とのバランスのよさから人気が高く、多くの人が使用しています。
おすすめのワイヤーロック4選
①クロップス Q3 SPD08
クロップス Q3 SPD08
参考価格: 1,667円
特にロードバイクに乗る人に絶大な人気を誇るワイヤーロックです。100gを切る軽量さとサイクルジャージの後ろポケットにもポイっと放り込んでライドに出掛けられるコンパクト性や携帯のしやすさが支持されています。
短時間の駐輪向け
またダイヤル式なのでキーを持ち歩く必要がありませんし、ワイヤーは180cmと長いので前後タイヤとフレームを余裕で地球ロックできます。ただし、ワイヤー自体は細いので長い時間の駐輪には適しておらず、ライド中にちょっとコンビニへ、といった場合に使用するのがおすすめです。
②クリプトナイト NEW YORK LOCK
クリプトナイト NEW YORK LOCK
参考価格: 1,830円
盗難防止に効果的なワイヤーロックといえばすぐに名前が挙がるほど、クリプトナイトの軽くて頑丈なスチールコードを編み込んだダブルループケーブルは信頼度の高さで人気です。ワイヤーロックは頑丈になるほど重量が増すのですが、これは約300gと比較的軽量なのもメリットです。
使い方はU字ロックとの組み合わせがおすすめ
長さは1.2mほどで地球ロックにも十分対応できます。ただし、しっかりした造りのため丸めてもさほどコンパクトにはならないので携帯はしにくいかもしれません。またこれひとつではロックできず、使い方はU字ロックなど他の鍵と組み合わせる必要があります。
③アブス STEEL-O-FLEX IVERA 7200
アブス STEEL-O-FLEX IVERA 7200
参考価格: 7,978円
世界中から多くの支持を集めるドイツの鍵メーカーアブスのワイヤーロックです。700gと重めですが、22mmの太さは盗もうとする気を失わせるに違いありません。またナイロンとケプラーを組み込んだカバーにより、耐久性がアップし自転車に傷がつきにくくなっています。
安心のセキュリティレベル7
キーシリンダーはピッキングに強いストレートシリンダーです。アブスでは独自に15段階のセキュリティレベルを設けていますが、この商品はレベル7で必要十分な頑丈さを持っています。
④バイク ダイヤルロック ワイヤーロック
バイク ダイヤルロック ワイヤーロック
参考価格: 1,199円
手軽な値段で自転車の鍵が欲しいという人におすすめのアマゾンベストセラー1位のワイヤーロックです。長さは1.2mと地球ロックに十分ですし、5桁のダイヤル式ロックは防犯にも効果的でしょう。暗証番号は、自分の好きな番号に変更が可能です。
持ち運びに便利なダイヤル式ロック
ワイヤーの太さは12mmなので長い時間の駐輪にはあまり適しているとはいえませんが、買い物やポタリングといった際の短時間なら大丈夫でしょう。シートポストに固定できるようにホルダーがついているので、持ち運びにも便利です。
ワイヤーロックのメリット・デメリット
自転車用の鍵として人気の高いケーブルロックには、いくつかのメリットがある一方、デメリットも存在します。購入の際には、その両方をしっかり認識して選ぶことが大切です。
メリット①携帯しやすい
ロープ状なのでフレームに巻きつけたりクルクルと丸めてハンドルに引っ掛けたり、肩からたすき掛けのようにして携帯できます。また、サドルの下にホルダーを設けて固定できるものもたくさんありますし、サドルバッグの中に入れてもさほどスペースを取りません。
メリット②軽量
U字ロックやチェーンロックと比較すると、非常に軽量です。軽量さがメリットのロードバイクやクロスバイクなのに、鍵が重くてはデメリットとなってしまいます。
メリット③比較的安価
ケーブルロックにはいろいろなタイプがあり値段もさまざまですが、比較的手頃な価格の商品も少なくありません。強度や使い方、予算などに合わせた選択肢が多いのも大きなメリットです。
デメリット:頑丈さに不安のあるものもある
残念ながら、U字ロックやチェーンロックと比較すると頑丈さに劣るといわざるを得ません。ケーブルの太さは商品によっていろいろですが、家庭用のペンチやニッパー、ワイヤーカッターのような工具で簡単に切断されてしまうものもあり、強度面で不安が残ります。
自転車ワイヤーロックの防犯性能を高めるコツ
ワイヤーロックで施錠するときにちょっと鍵のかけ方や使い方を工夫するだけで、防犯性を高めることができます。悲しい自転車の盗難を防ぐためにも、鍵のかけ方や使い方にはこだわってもらいたいものです。また、こういったかけ方・使い方の工夫はチェーンロックなどでも応用できるので覚えておきましょう。
①太めのものを選ぶ
太いワイヤーロックなら簡単に切断されるリスクは減ります。太さ15mm以上となると専用工具を使わなければ切るのが難しくなるので、なるべく太めのものを選びましょう。
②地球ロックが原則
固定物とロックする
鍵を掛ける場合は、必ず「地球ロック」を忘れないようにしましょう。地球ロックとは、ガードレールや電柱、地面に固定されているポールなどの建造物と自転車を一緒にワイヤーロックでつないでロックする方法です。
担いでは持って行けない
特にロードバイクは軽量なので、単にフレームとタイヤを鍵で固定しただけでは担いで車に乗せて盗まれる恐れがあります。地球ロックで建造物などとつながれていると、ロックを切断しなければ持って行かれることはないので盗難防止対策に効果的です。
③高い位置でロックする
ワイヤーカッターには、大きな力が必要な太いワイヤーを切断するために、足で踏んで使うものもあります。高い位置でワイヤーロックを施錠しておけば、足踏み式のワイヤーカッターは使えないので有効です。2段式の駐輪場なら、上段に停めてロックすることをおすすめします。
④フレームとタイヤを一緒に施錠する
タイヤだけが盗まれることも
ロードバイクやクロスバイクのタイヤはパンク修理などメンテナンスがしやすいようにレバーを緩めるだけで簡単に取り外しができます。そのためフレームだけに施錠していても、タイヤだけを外して盗まれる危険性があります。
特に高級ホイールは注意
そんな事態を避けるためにも、フレームと前後タイヤはまとめてロックしましょう。特に高級ホイールは目立つうえに高価で売れるため窃盗団に目をつけられやすいので、要注意です。
⑤ほかの自転車と一緒に施錠
友だちや知り合いと一緒に駐輪する場合には、複数台でまとめてロックしましょう。複数の自転車と一緒にロックしてあれば、ほかのロックも外さなければ盗めません。盗む側としては窃盗になるべく時間を掛けたくありませんから、盗む気を失わせる効果が期待できます。
⑥複数の鍵を使う
ひとつよりふたつ
1個より2個の鍵でロックしたほうが盗む側にすれば切断や開錠に時間がかかるため盗むのを諦める可能性があるので、複数の鍵で施錠しましょう。この場合、ひとつの鍵で前輪とフレーム、もうひとつの鍵でフレームと後輪と施錠したうえで地球ロックをすればかなり防犯効果は高まります。
種類が異なるほうがベター
ワイヤーロック2個でももちろん効果的ですが、ワイヤーロックとチェーンロック、ワイヤーロックとU字ロックなど種類の違う鍵を使うかけ方がさらに効果的です。種類の違う鍵なら切断の際に異なった工具を使用しなければならなくなることもあり、盗むのに手間が増えるからです。
自転車のワイヤーロックの選び方
ワイヤーロックにはいろいろなタイプがあります。価格もさまざまなうえ、盗難されにくいものもあれば盗難リスクの高いものもあります。どんなワイヤーロックが盗難されにくいのか、チェックしてみましょう。
①キー式かダイヤル式か
ワイヤーロックには、施錠の際や開錠の際に鍵を使用するキー式とダイヤルを指定番号に合わせて施錠や開錠を行うダイヤル式があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
キー式のメリット・デメリット
キー式のメリットは施錠や開錠が簡単なことや、暗い場所でもダイヤル式より施錠・開錠がやりやすい点が挙げられます。キー式はディンプルキーのほうが防犯性能は高いのでおすすめです。デメリットはキーを紛失すると使えないという点、特に施錠した後にキーをなくすと開錠できずに非常に困ったことになってしまいます。
ダイヤル式のメリット・デメリット
ダイヤル式はキーの紛失がない点がメリットです。デメリットはダイヤル指定番号を忘れると施錠・開錠ができない点がありますが、番号を自分で自由に設定できる商品もあるのでそれを選べばそういった事態は防げます。また、暗い場所では番号が見にくく開けづらいかもしれません。ダイヤル設定番号の桁数が少ないものは防犯性に劣るので、できれば4桁以上のものがおすすめです。
②太さ
防犯性を高めるのであればワイヤーは太いほうが効果的です。しかし、太くなるとその分重量が増えてしまいます。特に軽量さを求めるスポーツバイクにおいて、少しでも軽くしたいのに鍵のせいで重くなってしまうのはなかなか納得しにくいところでもあるでしょう。ライドの目的や使用する状況によってワイヤーロックの太さを使い分けるのもおすすめです。
③携帯性
長いほうがおすすめ
短めのワイヤーロックのほうが軽量で携帯性も優れていますが、地球ロックをするのであればある程度の長さが必要です。前後輪とフレームを一緒に地球ロックするのであれば、最低でも1m以上、できれば1.5mくらいの長さは欲しいところです。
ホルダーで取り付けもおすすめ
ただ長くなると携帯性が悪くなってしまいます。そこで、フレームやシートポストにクルクルと丸めてホルダーで取り付けられるタイプなら使わないときも持ち歩く必要がないので便利です。
④特殊なカバーで覆われている
弱点を補う
ワイヤーロックの弱点は、切断されやすいことです。できるだけ太く頑丈なワイヤーでできたものを選ぶのはもちろんですが、ワイヤーの外側を特殊な布や金属などのカバーで覆われたものを選ぶのも防犯に効果的です。
カバーでも防御する
メーカーによってカバーの種類はさまざまですが、布が切断されにくい頑丈な素材でできていたりカバーする金属が工具の力を逃して切断しにくくするといった技術が駆使されているので、簡単には盗めません。
基本はロックを忘れないこと
盗難リスクを少しでも減らすために鍵は不可欠です。ワイヤーロックは手軽で効果的ですが、駐輪する場所や長さなどによって適・不適があるので、使い方など状況に応じたものを選択することが大切です。自分の自転車の使い方や駐輪の仕方にあった鍵をしっかり選んだうえでかけ方にも工夫して、盗難といった悲しい事態から愛車を守りましょう。
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