スペシャライズド・アレーのイチオシは？各モデルを徹底比較

スペシャライズドの「アレー」は、フレーム素材にアルミを使用したロードバイクです。最初のリリースは1979年、スペシャライズドのロードバイクで最も歴史のあるシリーズです。2021年はグレード上位から順に「Sprint Comp Disc」、「Elite」、「Sport」の3モデルがラインナップされています。アレーはロードバイク初心者向けのエントリーモデルですが、価格だけを抑えているわけではなく、性能の高さと広い用途に対応する多様性を兼ね備えています。

スペシャライズドは、1974年にアメリカで創業された総合スポーツバイクブランドです。ロードバイクやMTBを多くのプロチームに供給しており、グランツールを始め、日本でも表彰台に立つライダーがスペシャライズドを選んできました。市場でもモデル別に複数のグレードを用意しどれもが高評価を受けていますし、サドルやシューズなどのパーツ、バイクギアでも、専門ブランドに引けを取らないと評価されとても人気があります。

スペシャライズドは、全てのフレームサイズでパフォーマンスや乗り心地が同じになることを目指します。また、以前から乗り手にバイクを合わせる「ボディジオメトリーフィット」という考え方をさらに推し進め、上記の製造方法と融合させることで、汎用性ではなくライダー1人1人に適合するバイクを開発しています。それに加えアレーは適正身長が142cm～196cmまでのサイズ展開となっており、初心者だけでなく世界中のライダーから高評価を受け、愛されています。

ここではスペシャライズド・アレーの最新2021年モデルを紹介します。各モデルの特徴やスペックなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

SPRINT COMP DISCはスペシャライズド史上最も先進的なアルミ合金製ロードバイクと評価される、アレーのハイエンドモデルです。扁平したチューブや太いシートポストなどいわゆる「エアロロード」の形状ですが、現在アルミのエアロロードは非常に少なくなってきており、人と違ったロードバイクを求めている方にもおすすめです。

SPRINT COMP DISCは溶接材を必要なところにのみ多く配置し、軽量ながら剛性を落とさない「D'Aluisio Smartweld Sprint」という技術を採用しています。さらにペダルを漕ぐ力を全て推進力に変えるジオメトリを採用し、より丈夫で速いバイクに仕上げています。ただし、これだけでは乗り味が硬くなってしまうため、チューブを衝撃吸収性の高い形状に成型、上位グレードと同じフルカーボンフォークを装備し初心者にも硬すぎない乗り味になっています。

SPRINT COMP DISCはアルミフレームとしては相場よりも高額な部類です。ただし、シマノ・105のディスクブレーキモデルをメインコンポに、DT SWISSのホイールやスペシャライズドでも特に快適性の評価の高いBody Geometry Toupサドルを装備させ、長期間の使用に耐えられる仕上がりになっています。また、一概には言えませんが、多くのライダーが高い満足度を感じており長く乗り続けていますので、長期的なコスパの高さが際立ちます。

E5 ELITEは新設計のE5アルミ合金製フレームを採用した、アレーのミドルグレードです。売りはクラス最高レベルの軽量性で、前作と比べてフレーム+フォークだけで450gもの軽量化を果たしています。大幅な軽量化は丈夫さを犠牲にするリスクもありますが、E5フレームは大胆に薄くしてもタフさを失わないチューブが採用されているため、耐久性を求めるライダーにもおすすめです。

一般的に初心者モデルのロードバイクはフレームやフォークに安いアルミ合金やカーボンを使用しているため、乗り味が犠牲になっていることがあります。しかし、E5アルミ合金製フレームにフルFACTカーボンフォークを採用したE5 ELITEは、荒れた路面もスムーズに走れるほどの走破性と、思い通りのハンドリングが可能な操作性の高さがあり、乗り味も高く評価されています。

E5 ELITEは特製のキャリアや泥除けを取り付けるためのマウントが装備されています。そのため、通勤、通学などで荷物を運ぶのが必須な場合にもキャリアにバッグを装備できますし、スーツや制服を汚さないための泥除けが装備できます。ツーリングやサイクリングに加え、ロードバイクを積極的に普段使いしたい方はE5 ELITEがおすすめです。

SPORTは上位グレードと同じE5アルミ合金製フレームに、フルFACTカーボンフォークを採用しながら組み合わせるパーツをグレードに最適化して価格を抑えた、アレーの初心者グレードです。初心者グレードとはいえ、スピードや乗り心地で大きく劣るわけでもなく、通勤、通学などの普段使いにもおすすめの実用性の高いモデルです。

この価格帯のロードバイクには多くのメーカーがアルミフレームをラインナップさせていますが、ALLEZ SPORTのコスパの高さは特筆ものです。17万円台のE5 ELITEと同じフレームとフォークを採用し、シマノ・ソラをメインコンポとしてこの価格は中々のコスパです。また、現在のトレンドであるケーブル類をチューブに内蔵するデザインも採用されており、見た目にも初心者モデル感が無いのもおすすめポイントです。