はじめに
この記事では注目を集めるトレック「マドン」の2020モデル、2020モデルをきっかけにトレック社や「マドン」シリーズに興味を持った方は少なく無いかと思います。そこで今回の記事では、マドンの歴史や特徴、トレック社そのものが巨大企業になるまでの経緯について知っていただきたいと思います。また、トレック「マドン」の2020モデルについても触れていきます。
トレックのマドンっていつ生まれた?
今ではトレックと聞いて「マドン」と思い浮かべる人も多い程、トレック社を代表するブランドとなった「マドン」ですが、このブランドのスタートは2003年に発売されたマドン5.9という自転車からです。これを聞いて意外に最近と感じる方も多いのではないかと思います。そんなマドン5.9について簡単にインプレや特徴を紹介していきます。
このモデルの特徴は大きく突き出たシートチューブと言えます。この突き出た部分は後輪への整流効果を高めるもので、長距離の走行に適したモデルとなっています。また、このモデルでは当時主流のホリゾンタルフレームが使用されており、トレックファンの間ではたまらない一品となっています。今でも中古品の売買が行われているそうなので、興味のある方はマドン5.9のインプレなどについての記事などをご覧になってみてください。
トレック(TREK)社の歴史
みなさんがご存知のトレック社は、1975年にディック・バークとベボル・ホッグが創設した「Trek Bicycle」が元となっています。この会社は主に自転車のフレームのブランドであり、1982年頃にフレーム生産から自転車全体の生産に着手しました。その後、今回の記事でも取り上げた「マドン」や「ドマーネ」、「エモンダ」などのブランドを立ち上げました。それから吸収合併を繰り返して、1992年以降から国際的な自転車メーカーとしての地位を確立しました。
トレック社の吸収合併の経緯
ここでは1975年に設立された「Trek Bicycle」から始まり、現在のような世界的な自転車メーカーに成長するまでに行った吸収合併や子会社設立について、いくつか代表的なものをピックアップし、簡単に紹介していきたいと思います。
エレクトラ
エレクトラは、1993年にベノバンジガーとジェノ・エルフォースによってカリフォルニア州ビスタに設立されたトレック社の子会社です。この会社では主にクルーザーバイクのブランドを持っており、2003年には「Townie」を発表し、2014年にトレックがエレクトラのブランド支援の意味も込めてElectra Bicycle Companyとし、エレクトラはトレックの子会社となりました。
ボントレガー
この会社はキース・ボントレガーによって1980年代前半に設立された会社です。この会社はモトクロスの選手であったキースが、1970年代に独自にロードバイクの製作を始めたことがきっかけで作られた会社であり、創設当初はバイクのフレーム製作の会社でした。この会社は1995年にトレック社の傘下に入る形となりました。
トレック社のマドンの性能とは?主な特徴は?
現在最新の2020モデルが発表されており、どのような特徴があるのかに注目されています。ここでは従来のマドンの性能やインプレ、今の最新モデルであるマドンSLR6の違いについてなど紹介していきたいと思います。
簡単にマドンの特徴について見てみましょう!!
空力性能の高さ
マドンブランドの大きな特徴は、圧倒的な空力性能の高さにあります。マドンの自転車に乗った方の多くは、「自分が自転車を運転していることが分からないと思えるほど早く軽い」といった感覚に陥るといわれています。このような感覚を味わえるのはトレック社のマドンならではといっても過言ではないでしょう。
ディスクブレーキのみに特化
2019年までのマドンではディスクブレーキとリムブレーキの2種類での販売が行われていました。しかし、最新の2020モデルのマドンではリムブレーキでの販売が行われないことが明らかになりました。原因としては近年のディスクブレーキの流行の影響が考えられ、今後のトレック社の動きを見る上で注目すべきポイントの1つであるといえます。
ディスクブレーキの特徴とは?
メリット
- 天候にパフォーマンスレベルが左右されない
ディスクブレーキは晴天の日でも雨天の日でもブレーキの効きが変わらないという特徴があります。この特徴は通勤通学など悪天候の中で自転車を使用する可能性が高い一般のドライバーには適した性能であることが言えます。 - ブレーキを掛けやすい
リムブレーキと比較するとディスクブレーキはブレーキを軽くかけることができ、ドライバーの負担削減の意味で大きな役割を果たしていると言えます。
デメリット
- ブレーキ自体の重量が重い
一般的にディスクブレーキは他のブレーキシステムと比較するとブレーキ本体の重量が重いといった特徴があります。長距離を走行するレースに参加する事を目的に自転車を購入する方や重量に強いこだわりがあるドライバーには大きなデメリットと言えます。 - 火傷の危険性が高い
ディスクブレーキはブレーキをかける際にローター部分に大きな摩擦熱を発生させるといった特徴があります。したがって高速で走行した際などは大きな熱がローター部分で発生するのでドライバー自身で注意を払わなければ火傷を負ってしまいます。
フレームに500シリーズカーボンが登場
トレック社の発売した「マドンSL6disc」では、フレームには前回のマドンSLRに引き続き700シリーズのOCLVカーボンを使用しています。しかし、最新の2020モデルでは500シリーズのOCLVカーボンの選択肢が追加されました。500シリーズは700シリーズに比べリーズナブルな価格となっており、より一般ドライバーに対するアプローチを強めるトレック社のマーケティング戦略が伺えます。
700シリーズOCLVカーボンとは?
700シリーズOCLVカーボンとは、トレック社が誇る現在最高品質のカーボンフレームです。製品の軽さ、運転中の快適性、どの分野をとっても他のシリーズを上回るトレック社の技術の傑作といえるものです。最新の2020モデルでも使用されています。技術力が高い分より価格は高くなります。しかし、圧倒的な乗り心地を求める方にとっては必要不可欠な製品ともいえます。
500シリーズOCLVカーボンとは?
500シリーズOCLVは700シリーズOCLVに比べると剛性は劣るといえます。しかし、振動吸収力などは極めて高く、700シリーズOCLVに劣らない性能を持っています。また500シリーズOCLVを採用したマドンSL6は700シリーズOCLVを採用したマドンSLR6と比較すると価格が約30万円安く、よりリーズナブルな価格設定となっています。これから自転車を趣味にしたい一般ドライバーの方でも手の届きやすい価格といえるでしょう。
トレックのマドン2020モデルの価格は?購入予算について
最新モデルである2020モデルの発売に伴ってみなさんの気になるマドンの価格やインプレについて何点か紹介していきます。今回記載した価格はあくまで新車の価格帯であり中古品の販売価格ではないので、その点はご了承下さい。また、記載した本体価格自体、販売店舗によっても変動します。今回は2020年1月現在の価格を紹介しています。
マドンSLR6 disc speed
商品名 | マドンSLR6 disc speed |
メーカー | トレック社 |
価格(20年1月現在) | 88万8000円(税抜) |
マドンSLR6 disc speedはあらゆる点で最新である2020モデルを代表する自転車です。フレームはトレックの最高峰の振動吸収性能のIsoSpeedを持つ700シリーズOCLVを使用しています。その他にもUltegraの油圧ディスクブレーキを使用しているなどトレックが誇るテクノロジーを注ぎ込まれた自転車です。また、レース仕様のパーツも備えており、幅広いユーザーに対応した製品であるともいえます。
マドンSL6disc
商品名 | マドンSL6Disc |
メーカー | トレック |
価格(20年1月現在) | 53万円(税抜) |
マドンSL6Discの価格は、マドンSLR6Disc speedなど他の最新モデルに比べ比較的安くなっています。価格を抑えることができた原因はステムとエアロバーを採用したこと、フレームを最高品質の700シリーズOCLVではなく500シリーズOCLVを使用したことが挙げられます。しかしこれらを差し引いても空力性能などは最高レベルで維持できており、運転中の快適性などの点においては大変優れた性能を持っているといえます。
最後に
ここまで簡単にではありますがTREKの歴史や成長の過程、TREKのブランドである「マドン」の特徴、インプレなどを紹介してきました。TREKは中古車の中にも優良な自転車がたくさんあるので、新車・中古にこだわらないという方は手軽なところから始めてみてもよいでしょう。まだまだ進化が止まらないTREKについて、今回の記事をきっかけに興味を持っていただけたら幸いです。
マドンってよく聞くけど何がすごいんだろう?