キャノンデールのバッドボーイとは?
バッドボーイ(Bad Boy)は、キャノンデールのクロスバイクの中でも評判の高い人気シリーズで、2020年モデルは1〜3までの3種類がラインナップされています。マットブラックで統一されたボディと、特徴的な片側しかないフロントフォークを装備した、ちょっと異質なクロスバイクです。見た目は悪そうな印象だけど実は優等生、それがキャノンデールのバッドボーイです。
キャノンデール(Cannondale)について
1971年創業のキャノンデールはアメリカの自転車ブランドです。バッドボーイ以外にもさまざまなタイプの自転車やアパレル用品などを数多くリリースして、どれもハイレベルで評判の高い一流ブランドです。社名の由来は、創業当時に会社の目の前にあった駅名をそのまま採用しています。
バッドボーイは最高のアーバンスタイルバイク
バッドボーイは運動性能や操作性のよさも評判で、まるでステルス戦闘機だと比喩(ひゆ)されます。余計な装飾を省いた無駄のない洗練されたボディは街中でもよく映え、高い運動性能と操作性により街中を泳ぐように走るさまから、そう表現されています。まさにバッドボーイは最高のアーバンスタイル(都会的)クロスバイクです。
キャノンデールのバッドボーイの魅力
バッドボーイは直訳すると「悪ガキ」ですが、悪そうな外見に反して中身は優等生なクロスバイクです。漆黒のボディはちょっと近寄りがたいオーラを放っていますが、実際に乗ってみると走行性能や安全性能がとても高く、見た目とのギャップに驚くことでしょう。ワルそうなのに心優しい少年のようなバッドボーイ、その魅力について詳しくみていきましょう。
魅力①独自路線をゆくレフティフォーク
バッドボーイの最大の特徴ともいえるのが、キャノンデール独自の片側フォーク「Lefty(レフティ)」です。通常、フロントタイヤは二本のフォークで左右から挟むように支持していますが、レフティは左側一本のみで支えています。その異質な佇(たたず)まいは強烈なインパクトを放ち、初めてみた人は誰もが驚きます。
レフティフォークの特徴
片側だけで問題ないのか?という疑問が浮かぶかと思いますが、心配ありません。片側だけで車輪を支える構造はもともとは戦闘機などにも採用されていて、信頼と実績のある技術です。フォーク内部を多角形構造とし、ニードルベアリングを採用することで高い剛性とスムーズな動きを確保しています。デメリットとしては、やや重量があることと、値段が張ってしまうことでしょうか。
魅力②マットな質感の漆黒ボディ
余計な装飾は一切排除し、ホイールに至るまで艶なしのマットブラック「BBQカラー」で統一されたボディが、バッドボーイの「ワル」な印象の大きな要因です。黒は黒でも、あえて艶のないマット系にすることでキリッと引き締まり、クールで無骨なルックスに仕上がっています。
BBQカラー
「BBQ」は「バーベキューブラック」のことで、艶なしの黒一色でまとめられたカラーリングのことです。キャノンデールが誕生したアメリカではバーベキュー文化が根付いていて、どの家庭にもバーベキューグリルがあるそうです。なので、「艶がない黒いもの=バーベキューグリル」という、なんともアメリカらしい発想からきています。
魅力③アルミフレーム
「CAAD」シリーズに代表されるキャノンデールのアルミフレームは、カーボンフレームをも凌駕すると評判で、「カーボンキラー」の異名を持つほどの高性能フレームです。バッドボーイもアルミフレームを採用しており、キャノンデールのアルムフレームに対する並々ならぬこだわりが感じられます。独自技術のシームレス構造により滑らかな質感と高い剛性を確保しています。
魅力④油圧式ディスクブレーキ搭載
バッドボーイは、すべてのモデルに油圧式ディスクブレーキを採用しています。ディスクブレーキは雨などの悪天候でも高い制動力を保つことができ、油圧式なので安定した性能を発揮してくれます。ブレーキユニットの取り付け位置が低いことで車体の重心が下がり、走行安定性も高くなるのもメリットです。
油圧式のメリット
ディスクブレーキには大きく分けて、ワイヤーで制御する「機械式」と、油圧で制御する「油圧式」があります。一般的に油圧式のほうが安定した高い制動性を発揮・持続できると評判です。メンテナンスは少し慣れが必要ですが、天候や気温に左右されないブレーキ性能は大きなアドバンテージとなります。
魅力⑤650B×40cタイヤ
迫力のあるタイヤもバッドボーイの大きな特徴のひとつで、650B×40cを採用しています。ボリュームのある極太タイヤはどちらかというとMTB要素が強く出ていて、一般的なクロスバイクとは一線を画する仕様です。路面状況やちょっとした段差など細かいことは気にせずにガンガン走れるのも大きな魅力でしょう。
650Bとは
650Bとはホイールサイズの一種で、だいたい27.5インチに相当します。通常、ロードバイクやクロスバイクは700c(29インチ相当)が採用されていますが、ワンサイズ小さいホイールとすることで、厚みのあるタイヤを履かせています。これによりタイヤ(チューブ)に空気がたくさん入ることになり、クッション性が増して街中での走行が楽になるメリットがあります。
40cとは
40cというのは、タイヤの幅が40mmであることを示しています。通常のクロスバイクは28c〜32cくらいが主流なので、いかに太いかがお分りいただけるでしょうか。豊富なエアボリュームの極太タイヤは、街中に潜むグレーチングや路面のでこぼこなどものともせずにアグレッシブな走りが可能です。
魅力⑥抜群の夜間視認性
内装式LEDライト搭載(バッドボーイ1・2)
バッドボーイ1と2にはフロントフォークとシートポストに内装式のLEDライトが装備され、夜間やトンネルなどの暗い場所での視認性にとても優れています。内装式なので見た目にスッキリとしていて、ライトの盗難も心配ありません。どちらもUSB充電式なので、経済的にも安心です。
リフレクター多数(全モデル共通)
バッドボーイに限らず、キャノンデールのバイクはリフレクター(反射材)の多さも高い評判を得ています。フレームの随所に配置されたリフレクターはあらゆる方向からの光に反応し、自車の存在を強烈にアピールします。ダウンチューブの「cannondale」のロゴもしっかりとリフレクター機能を備えており、評判のよさもうなずけます。
魅力⑦トップチューブバンパー
トップチューブサイドにはバンパー(保護膜)が付いているので、街中で気軽にバイクを立てかけることができます。大事な愛車を傷から守る意味もありますが、ツルツルのフレームよりも摩擦抵抗が高いので、立てかけたバイクがずれるのを防止する効果もあります。
キャノンデールのバッドボーイの全ラインナップ
【Bad Boy 1(バッドボーイ1)】
キャノンデールお得意の高品質アルミフレームに加え、FABRICのサドルやバーグリップを採用した、バッドボーイのハイエンドモデルです。一般的なチェーンドライブではなくベルトドライブ式なので、注油の必要がなくメンテナンス性がよいのも特徴です。ギアは内装式で汚れや雨などに強く、停車時でもギアの切り替えが可能です。
注意点
2020年12月現在、バッドボーイ1の2021年モデルは新車ラインナップから外れています。後述しますが、生産のめどが立たないことが原因のようです。2や3よりも特殊な構造となっているためと考えられ、現時点でバッドボーイ1を入手するには2020年モデル以前の在庫を探すか、中古車をあたるしかなさそうです。
バッドボーイ1
- 変速:8段(フロントシングル・リア内装式8段)
- サイズ:S・M・L
- 価格:¥190,000(税別)
【Bad Boy 2(バッドボーイ2)】
バッドボーイシリーズのミドルモデルです。バッドボーイ1と同様に、フレームや内装式LEDライトなどを採用していますが、ドライブトレインを中心に廉価版とすることで価格を抑えています。チェーンドライブ式、フロント2枚・リア9枚の外装式18段変速となり、フロントのチェーンリングはガード付きなので、ズボンを巻き込むなどの可能性が低く安心です。
バッドボーイ2
- 変速:18段(フロント2枚・リア9枚)
- サイズ:S・M・L・XL
- 価格:¥119,900(税別)
【Bad Boy 3(バッドボーイ3)】
末っ子的な存在の、バッドボーイシリーズのエントリーモデルです。内蔵LEDライトはありませんが、そのぶん他のモデルよりもお買い得価格となっています。この価格で油圧式ディスクブレーキが搭載されていて、40c極太タイヤと相まって段差やウェット路面でも気にせずにガンガン使えます。ワイドなギア比設定なので、坂道なども楽に上ることができるでしょう。
バッドボーイ3
- 変速:16段(フロント2枚・リア8枚)
- サイズ:S・M・L・XL
- 価格:¥89,100(税別)
クロスバイクは世界的に品薄状態
近年、クロスバイクは世界的に品薄状態といわれています。納期まで半年〜未定ということもあり、欲しくてもなかなか手に入らない事態もありえます。温暖化問題が深刻化する中で環境に優しい自転車が注目され、街乗りや通勤で使いやすいクロスバイク人気が高まっていることや、コロナウイルスの影響で部品の生産がままならず、供給量が減っているのが大きな要因のようです。
中古という方法もある
新車が手に入らないのであれば、中古を探すのもひとつの方法です。タイミングが合えばサイクルショップなどで置いてあることもあり、いい中古車が見つかるかもしれません。通販などで探す場合は、購入前に程度やサイズをよく確認しましょう。また、購入後はメンテナンスを施(ほどこ)して安全を確認してから乗るようにし、不安な場合はショップにお願いすると安心です。
キャノンデールのバッドボーイはおすすめな高性能クロスバイク
悪そうなルックスなのに実は優等生、バッドボーイの魅力はお分りいただけたでしょうか。何事も見た目だけでは判断できないという、まさにお手本のようなクロスバイクです。価格は安いとはいえませんが、それに見合った魅力と価値は十分兼ね備えているのではないでしょうか。ぜひバッドボーイを手に入れて、クールに街乗りを楽しんでくださいね。