⑤GIANT(ジャイアント)/台湾
台湾の総合サイクルメーカーで正式名称は「ジャイアント・マニュファクチャリング」です。サイクルメーカーの中で最大規模を誇り、その圧倒的なコストパフォーマンスを武器に世界のシェアを席巻する注目の企業です。
購入価格は安く、コストパフォーマンスに優れる
価格が安い上に性能もよく、どこにいってもコストパフォーマンスに対する評価が揺らがないのがジャイアント製品です。高価なロードバイクを購入する際にもっともネックになる部分である購入価格に関して、ジャイアント製品は各グレードで業界最安値の水準です。
フレームは汎用的で堅実。女性向け専用ブランドを展開している
充実したエントリーモデル帯は癖がなく扱いやすいアルミフレームを主体とした製品展開をしています。安い価格のフレーム性能に疑問をもつ購入者もいますが、他の高級ブランドフレームも製造自体はジャイアントで請け負っているところも多くあり、その製造技術は極めて優秀です。それが他と比べ安価に手に入るのでコストパフォーマンスに優れるという評価につながっています。また、ジャイアントは女性向けブランド「Liv」を展開しています。他のサイクルメーカーのような女性向けにサイズ調整した製品ではなく、1つのブランドとして「Liv」を展開しており、設計から女性向け専用フレームとして作られています。
エアロロードして頂点に君臨したPROPEL(プロペル)
ジャイアント製品には空力特性に優れたエアロロード「プロぺル」シリーズがあります。ペダルを踏みこんだ時に効率よく前進エネルギーに変換できるように縦方向の剛性が高められているのが特徴で、数々のレースで優勝を飾ってきました。通常だとエアロロードはミドルグレードから製品展開しているメーカーがほとんどで、結果的にロードバイクの中でも高額になりがちです。そんな中にあってジャイアントのプロペルシリーズの「PROPEL ADVANCED 2」は22万円という破格のコストパフォーマンスを誇ります。
ジャイアント製ロードバイクのメリット・デメリット
メリット
購入価格が安く、性能とのバランスを考えると圧倒的なコストパフォーマンスです。初心者が買う最初の1台としてもっとも優秀といえます。また、取り扱う店舗が多くあって修理から整備、調整まで全国どこにいても困ることがありません。
デメリット
選べる製品カラーの種類が少なめです。流通している台数が多く、イベントなどに参加すると高確率で他の乗り手とかぶります。独自性を重視するのであれば、大きくカスタマイズをする必要があるでしょう。また、売却する時の下取り価格も安い傾向にあります。
⑥ANCHOR (アンカー)/日本
ブリヂストンサイクが手掛けるスポーツサイクルブランドが「アンカー」です。体格の大きい海外のサイズ基準であるロードバイクの中にあって、より国内むけに日本人の体格にあったサイズ展開に注力しています。独自のフィッティングシステムにカラーオーダーも細かく対応してくれるなど、国内メーカーだからこそできるサービスが強みです。
購入価格は良心的で、各種サービスが充実している
アンカーは国内の新規ロードレーサーを増やすべくエントリーモデル帯の製品が充実しています。その中でもロングライドに適したRLシリーズの「RL6 EX」が125,000円、「RL3 DROP」が105,000円というお手頃価格なのでおすすめです。レースなどの競技用に使える「RSシリーズ」も展開されており、「RS6 SPORT」が160,000円と手の届きやすい価格設定で提供されています。
日本人の体格に適したフレームサイズ
アンカー製品のフレームの特徴は「日本人の体格に合わせたフレーム」という点です。フィッティングシステムから最適なポジション出し、そして標準装備品をセレクトパーツとして細かくサイズ調整してくれます。海外メーカーではサイズがあわない小柄な体格のロードレーサーにはおすすめのポイントです。
アンカーにはエアロロード製品がない
2019年の時点ではアンカーブランドの製品展開の中に、空力性能に特化したエアロロードと呼ばれるモデルがありません。
アンカー製ロードバイクのメリット・デメリット
メリット
日本人にあわせたサイズ構成と独自のフィッティングシステムにより自分の体格にあったロードバイクを手にできます。豊富なカラーの種類から選べるのも嬉しいポイントです。国内メーカーである手厚いサービスと、購入後のメンテナンス環境の良さなどの安心感は日本製ならではのメリットといえるでしょう。
デメリット
アンカー製品は海外だと、ほとんど流通しておらず現状では国内限定ともいえる状況です。ブランド知名度が海外では低いということ以外では、カラーオーダーのサービスは全製品への対応ではありません。エントリーモデル帯の一部の製品(15万円以下)がカラーオーダーできない状況です。
まとめ
ここでは多くのスポーツサイクルメーカーの中でも各国を代表するロードバイク製品を扱う会社をご紹介してきました。簡単にではありますが、ここで紹介した各会社の特徴をまとめておきます。
各メーカーの特徴
- 憧れのブランドを目指すなら「コルナゴ」
- ヨーロッパブランドの流行にのるなら「ラピエール」
- 知識やメンテナンス技術があるなら「キャニオン」
- 自身の独自性でアピールしたいなら「サーヴェロ」
- コストパフォーマンスで選ぶなら「ジャイアント」
- 徹底したフィット感を求めるなら「アンカー」
最後に
ここでは各会社ごとにロードバイク製品の特徴を比較してきました。近年では多くのブランドが新規獲得のためのエントリーモデル帯に注力しており、新しいロードレーサーの獲得に余念がありません。ここで紹介できなかったスポーツサイクルメーカーからも気軽な街乗り、遠乗りから本格的レースへの参加など、目的と用途別にさまざまなロードバイクが製品展開されています。高価なロードバイクだからこそしっかりと自分に合ったモデル選びをしましょう。