シマノのティアグラ(TIAGRA)とは
スポーツサイクルのパーツには、シマノ製が多く使用されています。特にロードバイクのコンポーネントの大部分はシマノ製で、これは日本だけでなく、世界中の多くの自転車メーカーの傾向です。コンポーネントも例外ではなく、多くがシマノ製を採用しており、ティアグラ(TIAGRA)は、シマノ製のロードバイク用コンポーネントのグレードのひとつです。
シマノのコンポは7種類
シマノ製のロードバイク用コンポーネントは、7種類に分けられます。デュラエース(DURA-ACE)、アルテグラ(ULTEGRA)、105、そしてティアグラ(TIAGRA)、さらにソラ(SORA)、クラリス(CLARIS)、ターニー(TOURNY)と続きます。グレードでは、デュラエースとアルテグラが上級、105とティアグラが中級、ソラが初級、クラリスとターニーは入門と区分されるケースが一般的です。
ティアグラは10速中級グレード
一般的にコンポーネントは、STIレバー(R/L)、F/Rディレイラー、クランクセット、スプロケット、ブレーキキャリパー(F/R)、チェーン、ボトムブラケットの8点がセットです。グレードによる大きな違いはスプロケットの歯数(ギア数)で、デュラエースから105まではリアギアが11速、ソラは9速、クラリス8速、ターニーが7速となっており、ティアグラはミドルグレードに位置する10速ギアです。
上級グレードのほうが高性能
シマノの最上級コンポデュラエースと最もグレードの低いターニーとでは、10万円以上もの価格差があります。金額差だけでなく性能の差も非常に大きく、上位グレードの方が、スムーズな変速、レバータッチの軽さ、ブレーキの効き、重量(軽量化)といった点において優れています。
シマノ ティアグラのメリット(2つ)
ロードバイクを買う際には「105以上のグレードがおすすめ」といわれますし、今やロードバイクのホイールは11速ギア用が主流となっています。したがって、はっきり言って、10速ギアのティアグラは非常に不利な立場にあるといってもいいくらいです。ではここで、ティアグラのメリットとは何かをチェックしてみましょう。
メリット①初期コストが抑えらえる
価格が安い
ティアグラのコンポだけをわざわざ購入する人はまずいないでしょう。つまり、ティアグラのほとんどは完成車に装着されていることになります。ティアグラのメリットは、上位モデル搭載車より価格が安いので、購入時のコストが少なくて済むという点が挙げられます。
ティアグラのおすすめの人とは
また、ソラやクラリスといったコンポより性能は上ですから、それなりの走りを得ることもできるでしょう。とはいえ、将来走りが物足りなくなって上位コンポに組み替えるとなると、非常にコストがかかります。したがって、数年後には新しいバイクを購入する予定で、その間にコンポの組み換えの予定はない人や、ティアグラモデルのバイクをずっと乗り続けるといった人におすすめです。
メリット②チェーンの耐久性
シマノのチェーンは、変速段数が多いほど細くなるという特徴があります。チェーンが細くなると負荷の問題で、耐久性が悪くなりがちです。したがって、11速105より10速のティアグラのほうがチェーンの耐久性は高いといえます。
シマノ ティアグラの特徴(3つ)
ティアグラには、特徴もあります。メリットと重なる部分もあるかもしれませんが、ティアグラを選ぶ際には、そういった点にも注目しましょう。
特徴①安くても十分な性能
ティアグラモデルでレースに出場するのは、無理とはいえませんが、難しいといわざるを得ません。また、ヒルクライムなどで使用するには、性能不足も否めないでしょう。しかし、ポタリングや通勤・通学など、日常使いに使用するバイクのコンポとすれば、性能的に問題はありません。また、平地メインのロングライドでも十分な働きをしてくれます。
特徴②最新4700からルックスも改良
現在のティアグラは、4600から4700にモデルチェンジした最新型です。4700になったことで、クランクが5アームから4アームデザインへとかっこよくなったり、外装式だったSTIワイヤーが内装式になりハンドル回りがスッキリした印象へと変わったことなどにより、上位モデルとのルックスの違いは小さくなりました。
特徴③ホビーレーサーには10速で十分
性能が高いと価格も高い
シマノのコンポには7つのグレードがあり、上級グレードのほうが性能は高いのはもちろんですが、その分価格も大きく異なります。お金に余裕があれば、上級グレードを求めたほうが好ましいとはいえるでしょう。しかし、自転車の性能はコンポーネントだけで決まるわけではありません。
何速のコンポかが重要なのではない
フレーム素材やホイール、タイヤの太さや大きさ、性質、またジオメトリーバランスなども、自転車の性能を決める大きな要素です。特にロードバイクの醍醐味であるスピードは、何速ギアのコンポかという点ももちろんですが、エンジン、つまり乗り手の脚力によって大きく左右されます。
コンポが安くても勝てる
プロレベルのレースともなると、デュラエースとティアグラでの走力の差は歴然ですが、ホビーレーサーレベルなら、豪脚な人が乗るティアグラで貧脚な人があやつるデュラエースに勝つことは難しくありません。つまり、安いコンポで上級コンポに対抗することもできるというわけです。
続いて、ティアグラより105がおすすめなのかを解説!