ロードバイクタイヤの種類とサイズの種類
ロードバイクのタイヤは主に3種類あり、用途やシチュエーションによって最適なタイヤが異なります。また、サイズでは大きさ(直径)と太さ(幅)に要注目ですが、大きさの種類は少なく、ロードバイクタイヤの選び方で重要なカギを握るのは太さです。
ロードバイクのタイヤの種類
- クリンチャー:タイヤの中にチューブを入れて使用。
一般的にはこのタイヤが主流 - チューブラー:タイヤ内部にチューブが縫い付けてある。
限界性能が高くプロはほぼチューブラー一択 - チューブレス:空気を閉じ込める仕様でチューブ不要。
チューブレスレディはシーラント剤が必要
ロードバイクのタイヤサイズの種類①大きさ(直径)
ロードバイクに使用されるタイヤはWO(ワイヤードオン)のフランス規格で『700×25c』などと表記され、タイヤの側面やパッケージに印字されています。大きさはこの表記の前半の「700」の部分で、タイヤの外径が700ミリという意味です。ほとんどのロードバイクは700ミリ規格ですが、女性モデルの完成車を中心に少し小さい650ミリ規格もあります。タイヤの外径はホイールの外径とイコールでなければいけませんので、タイヤ交換時はホイールの大きさに合わせる必要があります。
ロードバイクのタイヤサイズの種類②太さ(幅)
『700×25c』の後半部分「25」がタイヤの太さ(幅)を表しており、25ミリ幅という意味です。ちなみに「c」はこのタイヤに対応するホイールリムのサイズのことで、ロードバイクの700ミリ規格ではほとんどがcになります。ロードバイクでは長らく細い20~23c幅が主流でしたが、現在は25cが転がる際にロスの少ないことが分かったため主流となっており、さらにワンサイズ太い28cが標準装備されている完成車も増えています。
自転車のタイヤサイズの見方
ロードバイクのタイヤはWOのフランス規格になりますが、WOにはイギリス規格もありサイズの表記法が異なります。また、ロードバイク以外は別規格も使用されるように、自転車タイヤは規格が乱立している状態です。そこでここでは自転車タイヤの規格についてまとめます。
自転車のタイヤサイズの見方①WO(ワイヤードオン)規格
ロードバイクタイヤはWOのフランス規格ですが、大人用のママチャリはイギリス規格が採用されています。WOというのはホイールのリムにはめ合わせるタイヤの「ビード」部分の形状のことです。フランス規格とイギリス規格のビードの形状は同じですが、タイヤの大きさが違うとホイールにはめられませんので、基本的に互換性はありません。
WO規格のタイヤサイズの見方
- フランス規格:タイヤの外径×太さ(幅)をミリで表記し、
適合するリム幅を記号で表記
(例)700×25c
- イギリス規格:タイヤ外径をインチ、太さをインチ分数表記
(例)26×1-5/8
自転車のタイヤサイズの見方②HE(フックドエッジ)規格
HE(フックドエッジ)はアメリカで生まれた規格ですので、アメリカ発祥の自転車であるMTBやBMXに採用されることが多いです。WOとはビードの形状が違いますので、互換性は全くありません。
HE規格のタイヤサイズの見方
- タイヤ外径をインチ、太さをインチ小数点表記
(例)27.5×2.1
自転車のタイヤサイズの見方③統一基準「ETRTO(エトルト)」
ETRTOとは?
規格が乱立し表記もそれぞれで異なるため、自転車タイヤはホイールリムとの互換性が確認しにくい状況でした。そこで生まれたのが「ETRTO」という統一基準です。ETRTOは従来の外径を表記するのではなく、ビード径を表記します。外径はおおよその数値であるためはめわせ方やタイヤの太さ次第では誤差が発生しますが、ビード径は実測値のため、ホイールとの互換性も正確です。
ETRTOの表示場所
ETRTOにより互換性の確認がしやすくなったことで、一般的なWOやHE規格のタイヤには従来のサイズの横にETRTOによるサイズも併記されるようになりましたので、タイヤとホイールの互換性の確認はETRTOで行うのがおすすめです。
ETRTOによるタイヤサイズ表記の見方
- 太さ、ビード径の順にミリで表記されている
(例)25-622
ロードバイクのタイヤサイズを基準としたタイヤの選び方
ロードバイクのタイヤの大きさはまれに650B、650cが見られますが、ほぼ700cとなりますので選択肢はそれほど多くありません。ただし、太さはホイールリムの幅との関係で限度はありますが、選択肢はかなり多いです。そこでここではタイヤの太さを基準にロードバイクタイヤの選び方を解説します。
タイヤの選び方①タイヤの太さがロードバイクに与える影響
タイヤが太くなると…
タイヤは太くなると内部の空気量が多くなりクッション性が出ます。そのことで地面からの振動や段差を越える際の衝撃を吸収しやすくなるため、乗り心地がよくなります。しかし、地面との接地面積が広くなり抵抗が大きくなりますし、タイヤが転がる際に変形の度合いが大きくなってロスが生じますので、スピード面で不利になります。
タイヤが細くなると…
細いタイヤは内部の空気量が少ない分高圧で空気を入れるため、タイヤが硬くなります。そのことで地面との接地面積も狭く転がる際の変形度合いも少ないため、タイヤがよく転がるようになり、加速が付きやすくスピードの維持もしやすくなります。しかし、地面からの振動や衝撃を吸収しないため、乗り心地がハードになります。
タイヤの選び方②ロードバイクタイヤの太さは25cが主流!
ロードバイクは20cや23cなど従来細いタイヤが主流でしたが、速く走れる上に乗り心地がよいため少し太い25cが主流になりました。完成車の多くが25cを標準装備するようになり、さらにグラベルロードなどオフロードにも対応するモデルでは28cを標準装備とし、32c以上のタイヤを履けるクリアランスを持ったフレームも多くなってきています。
タイヤの選び方③自分の用途、乗り方から考える
タイヤの太さの主流が25cだからとはいえ、全てのライダーに25cがおすすめというわけではありません。登坂競技のヒルクライムやスピード勝負の短距離レースでは23cなどの細いタイヤが有利になります。また、ロードバイクでもスピードを重視せず、乗り心地や安定感を重視するのであれば、28c以上のタイヤがおすすめです。ホイールリムとの関係性やフレームのクリアランスに注意が必要ですが、可能であれば数値にこだわり過ぎず、自分に合った選択を優先するのがおすすめの選び方です。
ホイールリム内径とタイヤの太さの関係性
- 適正なタイヤの太さはリム内径(内側の幅)で決まる
- 「リム内径×1.4~2.4」の数値がタイヤの太さの適正範囲
- 適正を下回るとビードが上がり切らずタイヤが歪む可能性あり
- 適性をオーバーするとはまりが甘くなりタイヤが外れてしまう可能性あり
- この関係性からリム内径17ミリ以上のワイドリムホイールでは、23c以下のタイヤが適合しないことになる
ロードバイクにとってタイヤサイズの選択はとても重要!
ロードバイクはタイヤの太さによって走りの性質がガラリと変わりますので、タイヤのサイズ選択は非常に重要です。タイヤの太さはホイールリムとの関係性やフレームのクリアランスにさえ許せばかなり選択肢が広がりますが、ロードバイクでは25cを中心に、ワンサイズ細い23c、ワンサイズ太い28cくらいまでが一般的ですが、その数値に限らず、自分の走りに何が重要なのかを考えて選択するようにしましょう。
出典:illustAC