自転車のバルブとは
自転車におけるバルブとはタイヤに空気を入れる為の口です。「バルブ」をそのまま訳すると「弁」となります。ポンプから空気を入れるときは、開いてタイヤ内に空気を充填し、充填した中の空気が出ようとするのを止める役割をする「弁」となります。
バルブの種類①英式(ダンロップバルブ)
こちらが英式バルブです。通称ママチャリバルブとも呼ばれます。安価な空気入れはこの英式バルブのみに対応しています。空気の逆止は「虫ゴム」と、チューブの内圧で担っています。
英式バブルのメリット
英式バルブのメリットは、安価で大量生産に向いていること、構造が単純なので取り扱いが容易であることです。ママチャリで使用されている一番親しみがあるバルブです。
英式バブルのデメリット
英式バルブのデメリットは、逆止弁の役割を担っている「虫ゴム」に常にストレスが掛かっているので劣化しやすく、劣化させたまま放置していると、空気が漏れやすくなりますので、年に一回の交換が推奨されます。また、空気圧の計測や、微調整が出来ないという特徴もあります。
BRIDGESTONE(ブリヂストン) 虫ゴム不要のスーパーバルブ VS-5 A710005XXC
参考価格: 605円
次世代英式バルブ
ブリヂストンほか数社から発売されている、次世代英式バルブ(スーパーバルブ)は、虫ゴムの弱点である耐久性を大幅に改善しています。また、空気の抜け具合も少なくなります。
バルブの種類②仏式(フレンチバルブ)
こちらが仏式バルブで、「フレンチバルブ」と呼ばれる事が多いです。主にロードバイクやクロスバイク、一部のマウンテンバイクに使用されます。空気の逆止は内部のプランジャーと呼ばれる部品にかかる、チューブの内圧のみで担っています。チューブのサイズは、インチや太さによってさまざまあり、英式や米式チューブは限られたサイズの物しか製造されませんが、仏式チューブは、ほとんどのサイズが製造されています。
仏式バルブのメリット
仏式バルブのメリットは、高圧に対応している事と、軽量である事です。ロードバイクやクロスバイクなど、スポーツタイプの自転車は、特に空気を高圧に入れる必要があるので、仏式が用いられます。
仏式バルブのデメリット
仏式バルブのデメリットは、空気が抜けやすく、こまめな空気圧管理が必要となります。また、バルブの頭が細く、無理にポンプの口金を押し込もうとすると、曲げたり壊したりしてしまう事があります。
バルブの種類③米式(シュレーダーバルブ)
こちらが米式バルブです。一部のマウンテンバイクやBMX、ビーチクルーザーなどアメリカンスタイルの自転車に使用されます。空気の逆止はプランジャーにバネが着いており、そのバネの力および、チューブの内圧で担っています。車やバイクに使われている物と同じなので、ガソリンスタンドなどでも空気を入れられます。
米式バルブのメリット
米式バルブのメリットは、丈夫で壊れにくい事と空気が抜けにくいことです。車やバイクに使用されるのもそのためです。また、逆止弁にバネの力がかかっているので、低圧でも比較的に安定しています。
米式バルブのデメリット
米式バルブのデメリットは、重いので、軽さを気にするロードバイクやクロスバイクには向きません。また、バルブ本体が太いので細身のスポーツ自転車に似合わないという点もありますね。
空気の入れ方とアダプター
それでは、それぞれのバルブ形式ごとの空気の入れ方を解説していきます。空気入れはバルブ形式に合った専用のものが必要になりますので、対応している空気入れを購入しましょう。
英式バルブの場合
こちらはママチャリで空気を入れるのと同じです。ポンプの口金とバルブがしっかり噛んでいる事を確認してから入れましょう。
仏式バルブの場合
仏式が一番手順が多いです。まず、上の写真のように、バルブコアの先を緩めます。そしてバルブコアの先を指で軽く押し、チューブ内の空気が「プシュッ」と抜けるのを確認します。これは、バルブコア内部でプランジャーのゴムが張り付いていることがあるので、それを剥がす目的があります。
次にポンプの口金を差し込み、ロックします。斜めに差し込むと、バルブを曲げてしまうことがあるので、垂直に入れましょう。タイヤには指定の空気圧が書いてありますので、空気圧メーターを見ながら空気を入れます。空気を入れ終わったら、バルブコアを締めるのを忘れないように、気をつけましょう。
米式バルブの場合
米式の入れ方は簡単です。ポンプの口金を咥えてロックをし、後は入れるだけです。こちらも空気圧を見ながら入れられます。
アダプター
バルブアダプター 自転車用空気入れ 自転車バルブ変換アダプター 仏式/米式/英式変換 4点セット (米式→仏式,1個 / 仏式→米式,2個 / 仏式→英式,1個)
参考価格: 395円
アダプターを使えば、ママチャリ用ポンプでも仏式や米式バルブの空気を入れられるようになります。ただし、ママチャリ用ポンプでは高圧が入りませんので、細いタイヤのロードバイクには向いていません。空気圧も計測出来ませんので、非常時に使用する程度に留めましょう。
まとめ
いかがでしたか? 三種類のバルブ形式と特徴について解説しました。空気が少ない状態で走行すると、パンクのリスクが増大したり、走りが重かったりと、いい事がありません。こまめに空気圧管理をして、快適なサイクリングを楽しみましょう!
出典:イラストAC