パンクしないタイヤは実在する?気になる種類・価格や交換方法は?

パンクしないタイヤは実在する?気になる種類・価格や交換方法は?

自転車トラブルで最も多いのが、タイヤのパンクです。パンクに合った人のほとんどは「パンクしないタイヤがあればなあ」と思っていることでしょう。しかし、実際にパンクしないタイヤは存在します。ではパンクしないタイヤとはどんなものか、チェックしてみましょう。

記事の目次

  1. 1.パンクしないタイヤが欲しい
  2. 2.パンクしないタイヤの歴史
  3. 3.パンクしないタイヤの構造と種類
  4. 4.パンクしないタイヤの価格
  5. 5.パンクしないタイヤの交換について
  6. 6.パンクしないタイヤのデメリット
  7. 7.パンクしないタイヤの評判
  8. 8.パンクしないタイヤは進化している

パンクしないタイヤが欲しい

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パンクはタイヤトラブルNo.1

多くの人が、自転車に乗っていて最も気になるのはタイヤのパンクではないでしょうか。実際に自転車のトラブルで最も多いのが、タイヤのパンクです。走行中に釘などを踏んで空気が抜け突然走れなくなるだけでなく、乗ろうとするといつの間にか空気が抜けているスローパンクもあります。

パンクによるさまざまな問題

パンクの原因はいろいろ考えられますが、修理に費用がかかりますし、通勤や通学で出掛ける前や途中で起こってしまうと遅刻という事態にもなりかねません。また、走行中なら深刻な事故につながるリスクもあります。

パンクしないタイヤは存在する!

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パンクは自転車に乗る人にとって一番の悩みといってもいいでしょう。そして、ほとんどの人が「パンクしないタイヤがあれば…」と思っているに違いありません。実は、そんな自転車乗りの願いを兼ねてくれるパンクしないタイヤ、「パンクレスタイヤ」が実在するのです。

パンクしないタイヤの歴史

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パンクしないタイヤの歴史は古い

パンクしないタイヤというと最新の技術を駆使した製品と思う人も少なくないかもしれませんが、実は自転車の黎明期から存在しているのです。自転車の起源から長年にわたり車輪は木製で、地面からの衝撃がダイレクトに伝わるため乗り心地は最悪でした。

木の車輪にゴムを巻き付けたのがはじまり

その改善策として木の車輪に直接ゴムを巻き付けたスタイルへと変化しました。これが「パンクレスタイヤ」の最初ですが、やはり乗り心地は悪くまた壊れやすかったのが実情でした。その後改良と発明を重ね、現在の主流となる空気入りのタイヤへと移り変わっていったのです。

正式名称は「ソリッドタイヤ」

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パンクレスタイヤはノーパンクタイヤやエアレスタイヤ、エアフリータイヤと呼ばれることもありますが、「ソリッドタイヤ」が正式名称です。ソリッドは英語で「固体」や「硬質」「中まで密である状態」といった意味です。しかし、ソリッドでは意味がわかりにくいということもあってパンクレスタイヤという名称が普及しましたが、海外では通じないかもしれません。

パンクしないタイヤの構造と種類

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自転車に乗る人にとって夢のような存在であるパンクしない「パンクレスタイヤ」の構造はどのようなものなのでしょうか。また、素材や作り方などによっていくつかの種類があるので、それらもチェックしてみましょう。

構造

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普通のタイヤはチューブをタイヤが覆っている

タイヤの中にあるチューブに空気を入れ、このチューブをタイヤが覆うことで外部より受ける衝撃から守っているのが、一般的な自転車のタイヤの構造です。ただし、外部から衝撃を受けたり釘などの鋭利なものが刺さるとチューブが破れたり穴が開いてチューブ内から空気が漏れてしまうのが、パンクの原因です。

チューブが存在しない

パンクレスタイヤには、チューブが存在しません。タイヤの内部にはチューブがないだけでなく、ウレタンやゴムなどがぎっしり詰められています。したがって、衝撃を受けたり鋭利なものが刺さっても空気が抜けてパンクするという心配は無用というわけです。

チューブレスやチューブラとは別

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ロードバイクやマウンテンバイクといったスポーツバイク用のタイヤにも、チューブのない「チューブレスタイヤ」やチューブとタイヤが一体化した「チューブラータイヤ」があります。これらもパンクしにくい特徴を持っていますが、タイヤの内側には空気が入っているのでパンクする可能性はあります。しかし、パンクレスタイヤにはそもそも空気が入っていないのでパンクするリスクはゼロなのです。

素材

パンクレスタイヤで使われる素材には、ゴムや発泡ゴム、ポリプロピレン、ウレタンが主ですが、もっとも多く使用されているのは発泡ゴムです。

種類

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種類①多層ゴムタイプ

タイヤの外側には摩擦に強いトレッドゴム、内側に土台となる強いゴムと2種類のゴムを使用するタイプです。さらに、外側と内側の間に別の柔らかいゴムを入れて3層にするタイプもあります。3層タイプの方がクッション性がアップして乗り心地がいいという特徴があります。

種類②ウレタン注入タイプ

タイヤの内部に、空気の代わりにウレタンといったクッション性のある素材を注入するタイプです。現在では、注入する素材はウレタン以外にもさまざまなものがあります。

種類③プレスオンタイプ

金属製のベースバンドにトレッドゴムを接着させたタイプです。大きな荷重に耐えられるという特徴があります。

パンクしないタイヤの価格

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パンクレスタイヤの価格はさまざまですが、最低でも1本2,000~3,000円程度といったところです。チューブなら安ければ500円ほどで購入できることを考えると割高な感じはありますが、何度もパンクして修理や交換を繰り返すのであれば、かえって安上がりといえるかもしれません。

パンクしないタイヤの交換について

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摩耗すれば交換は必要

パンクレスタイヤはパンクしないのでパンクによるチューブ交換は必要ありませんが、ゴムであるタイヤの外側(トレッド部分)は摩耗します。したがって、タイヤの表面がすり減ってくるとタイヤを交換しなければなりません。

問題点も多い

タイヤの交換は自分でも可能ですが、専用工具が必要なのでサイクルショップに依頼するほうがおすすめです。ただし、専用工具を持っていない店も少なく、また技術も必要、さらに取り寄せなどで時間がかかるといった点や工賃が割高になるといった点に注意が必要です。

パンクしないタイヤのデメリット

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パンクしないタイヤのメリットは、何といってもパンクをしないことです。これだけでタイヤトラブルの多くが解消されることでしょう。また、空気を入れる手間がなくなる点も大きなメリットです。一方、デメリットはどうでしょうか。実は、パンクしないタイヤにはデメリットが少なくないのです。

デメリット①乗り心地がよくない

ウレタンやゴムなどの衝撃吸収性の高い素材を使用しているので乗り心地が極端に悪いわけではありません。しかし、実際に乗った人の評判を耳にすると、空気の入ったチューブと比較するとパンクレスタイヤのほうが乗り心地はよくないという意見が目立ちます。

デメリット②重い

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タイヤの内側にウレタンやゴムなどが詰まっているのですから、空気の入ったチューブを使うタイヤに比べて重量が重くなるのは仕方のないことでしょう。また、タイヤが重いのでペダルまで重くなってしまう点も避けることはできません。

デメリット③価格が高い

チューブなら500円程度の価格で購入できるのに対して、パンクレスタイヤは安くても2,000~3,000円程度と割高です。パンクを何度も繰り返すことを考えれば金銭的・精神的にはお得かもしれませんが、最初に掛かる価格が高いのはネックとなり得るでしょう。

デメリット④工賃が高いうえに扱える店が少ない

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ショップに依頼するのがおすすめだが…

パンクレスタイヤの修理や交換には、パンクレスタイヤ専用の工具が必要です。したがって、自分で行うよりサイクルショップに依頼するほうがおすすめなのですが、修理や交換を受け付けてもらえないケースがないとはいえません。

ショップでもできない場合もあり

というのも、お店が専用工具を持っていなかったり修理や交換の技術や知識がないことがあるからです。実はパンクレスタイヤはあまり普及していないため、工具を取りそろえていたり技術や知識を持っているお店が少ないのが現状です。

工賃が割高なだけではない

Photo by kaidouminato

専用工具や知識・技術があっても、工賃が割高になりがちです。また、時間もかかることが多いので、普通のタイヤのパンク修理のようにちょっと待っている間に作業が完了するというのは難しいでしょう。

デメリット⑤スポークが折れやすい

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車重が重くなる

空気を入れるタイヤと比べて衝撃吸収性に劣るため、乗っている人だけでなく自転車自体への衝撃も大きくなり、車体へのダメージも増えがちです。その対策として丈夫なパーツを使用しているのですが、その分車重が増加することは避けられません。

ホイールへの負担が大きい

車重が増えることに加えてパンクレスタイヤ自体が重いため、自転車全体の重さも重くなります。こういった車重の増加による負担はホイールにのしかかるわけですが、それに耐えきれずスポークが折れてしまう事例も少なからず報告されています。

デメリット⑥重い荷物は載せられない

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素材が持つ特性

ウレタンやゴムなどの素材が詰まったタイヤの場合、停車した状態で重い荷重がかかり続けると内部が変形するリスクがあります。ウレタンやゴムの上に物を置いておくと元の形に戻らなかったといった経験を持っている人もいるでしょう。

採用しないメーカーもある

もちろん、体重の重い人が乗って走行するくらいでトラブルが生じるわけではありませんが、電動アシスト自転車など車重の重いタイプの多くには、パンクレスタイヤは採用されていません。電動アシスト自転車の定番として人気のメーカーYAMAHAのサイトには「パンクしないタイヤは重量が重く、走行安定性や走行距離に影響を与える可能性があるため、採用しておりません」と記載されているほどです。

パンクしないタイヤの評判

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パンクレスタイヤには、パンクしない、空気を入れなくていいというメリットがある一方、デメリットも少なくありません。では、実際にパンクレスタイヤを使用した人はどう感じているのでしょうか。評判をチェックしてみましょう。

評判はまちまち

パンクがないのは最大のメリット

いくつかのデメリットはあっても、やはりパンクのリスクがないというのがパンクレスタイヤの最大のメリットです。特に通勤や通学に使用する際、朝出掛ける時にタイヤに空気がなかった、突然パンクしてしまったといった事態を防げるのは非常に助かるといった評判も少なくありません。

メリットとデメリットを比べてみれば…

Photo bygeralt

しかし、パンクレスタイヤはさほど普及していないのが実情です。自転車に乗る人の最大の悩み「パンク」がなくなるのであれば、もっと多くの人が使用しても不思議ではないはずです。それなのに普及しないのは、やはりメリットと比べてデメリットのほうが大きいと考えられているからでしょう。

普及にはまだ時間がかかるかも

使用した人の評判や評価を活かして、パンクレスタイヤのデメリット解消を目指した製品や、パンクレスタイヤを標準装備した自転車が販売されています。しかし、まだまだ価格が高かったり、取り扱い店舗が少なかったり、パンクレスタイヤ自体の評判が振るわないといったことなどからまだ広く普及には至っていないというのが現状です。

パンクしないタイヤは進化している

Photo byOpenClipart-Vectors

パンクしない点が最大の特徴でありメリットのパンクレスタイヤですが、デメリットも少なくないため、世間の評判はさほどいいとはいえないようです。しかし、重さや乗り心地の悪さ、また割高な価格といったパンクレスタイヤのデメリットを軽減した製品も増えてきています。絶対にパンクはいや、という人はそれらを選ぶのもアリですが、現在の技術ではパンクレスタイヤがチューブタイヤに勝つことは難しいと言わざるを得ません。

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S.ジャイアン
ライター

S.ジャイアン

週1ペースでライド、ポタリングに出掛けています。記事を通して多くの方と自転車の楽しみを共有できればと思っています。

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