ボントレガーのホイール「Aeolusシリーズ」を最新版含め詳しく解説!

ボントレガーのホイール「Aeolusシリーズ」を最新版含め詳しく解説!

ホイールの中ではなかなか選択肢の種類に挙がることの少ないボントレガー。ですが主力製品のAeolusシリーズは、その性能とコストパフォーマンスで多くのライダーから支持を集めています。今回はボントレガーAeolusというホイールについて、その種類や特徴に迫ります。

記事の目次

  1. 1.bontrager Aeolusシリーズとは?
  2. 2.ボントレガーホイールの実績:トッププロを支える実力
  3. 3.bontrager Aeolus:おすすめするこれだけの性能
  4. 4.ボントレガー Aeolusシリーズの種類一覧
  5. 5.ボントレガーAeolus:自分にはどのホイールがおすすめ?
  6. 6.まとめ

bontrager Aeolusシリーズとは?

ボントレガーはトレックの一部門として、バイクパーツやアクセサリーを手掛けるブランドです。もちろんバイクに搭載されるホイールも手がけており、bontrager Aeolus(アイオロス)はロードバイク用に使われるホイールの種類です。

ボントレガーのミドル~ハイエンドホイール

bontrager Aeolusは、前後セットで190,000円〜300,000円程の値段が中心となっており、ミドルグレードからハイエンドまでをカバーするボントレガーのホイールの主力シリーズになっています。

名前の由来

Photo by rondostar

Aeolus(アイオロス)とは、ギリシャ神話に登場する風の神たちの長であり、風を支配する力を持つとされています。まさにロードレースにおいては風は最大の敵。自分たちはまさに、その風を制するために全力を尽くす、という強い意志がその命名に込められているのです。
 

ボントレガーホイールの実績:トッププロを支える実力

出典: https://racing.trekbikes.com/wp-content/uploads/2019/08/Poland-1-Dege-e1565966781872-1000x0-c-default.jpg

ボントレガーはトレックの傘下に入っているブランドですので、ワールドチームのトレック・セガフレードを機材面でサポートしています。そこで選手からのフィードバックを直接得られることで、ホイールも世界最高レベルの性能を追求し続けることができるのです。
 

グランツールでも大活躍

トレック・セガフレードは今年のツール・ド・フランスでAeolus XXX4とAeolus XXX6の2種類を使い分け、3週間の過酷なレースを戦い抜きました。この大会でマイヨ・ジョーヌを2日間着用した若手のジュリオ・チッコーネ選手は、ジロ・デ・イタリアでも山岳賞を獲得するなど、目ざましい活躍ぶりを見せてくれました。

世界チャンピオンもbontrager Aeolusで

出典: https://racing.trekbikes.com/wp-content/uploads/2019/09/1177866935-1000x0-c-default.jpg

つい先日イギリスのヨークシャーで行なわれた世界選手権で、トレック・セガフレード所属のマッズ・ペデルセン選手(デンマーク、写真右)が勝利し、若干23歳で世界王者に輝きました。誰もが大雨と水たまりの厳しいコンディションに苦しめられるなか、若きペデルセン選手もbontrager Aeolusで過酷なレースを勝ち抜き、栄光のアルカンシエルをつかんだのです。

bontrager Aeolus:おすすめするこれだけの性能

それではここから、bontrager Aeolusが他のメーカーのホイールと比べて何が優れているのか、高性能なホイールを探しているユーザーへ、おすすめできる点はどんなところか、ということをご説明していきます。

独自開発のカーボン

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/FeatureAsset_AeolusXXX_OCLV?wid=1140&hei=641&fmt=pjpeg&qlt=50,1&op_usm=0,0,0,0&iccEmbed=0&cache=on,on&fit=crop

トレックは1992年以来、自転車用カーボンの自社での開発に乗り出しました。その結果作り出されたのがOCLVカーボン。超高密度で繊維の隙間が極めて少なく、その分強度が強いのに軽いという特性に優れ、飛行機や宇宙産業用の製品を上回る性能を誇ります。

コストパフォーマンスの良さを実現する直営での製造

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/Carbon_Tech_Gallery_16x9_10?$responsive-pjpg$&cache=on,on&wid=1440

それだけハイグレードなカーボンを使用しているにもかかわらず、トレックの製品が値段の面で不利になることはありません。むしろホイールなどは、種類によっては他メーカーの製品よりリーズナブルな値段のものもあるくらいです。原材料のカーボンを外部に委託せず自社直営で開発しているため、コストを抑えることができるからです。

不慮の破損でも補償するボントレガーのカーボンケア・ホイールプログラム

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ボントレガーでは、フルカーボンのホイールの走行中のあらゆる破損に対し、無償で修理や交換を行なうサービスがあります。まさに自社開発の強みですね。条件としては新規購入のファーストオーナーであること(中古・転売品不可)、購入2年以内でレシートなどがあることです。カーボン製品はとても高価ですから、これはありがたいです。

全てのミドルグレードモデルはクリンチャー&チューブレスに対応

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タイヤの交換が容易でメンテナンスがしやすいクリンチャータイヤと、パンクの不安が少なくチューブが無い分、重さの面で有利なチューブレスタイヤ。そのどちらにも対応できるチューブレスレディがボントレガーのホイールの特色です。商品名にTLRという名前が入っているものが全てチューブレスレディですので、安心してタイヤを選べます。なお一部モデルのみチューブラー専用のものがあります。

今年ついにディスクブレーキホイールがフルラインナップ

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急速に進むロードバイクのディスクブレーキ普及で、ボントレガーのホイールもほとんどの種類でディスク対応になりました。2019年Aeolusシリーズの一部に新たにディスクホイールが追加されたことで、ほとんどのクリンチャーモデルにはリム、ディスク両方が揃ったことになります。

ハイト高リムでも横風に強い

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/FeatureAsset_AeolusXXX_Aerodynamics?wid=1140&hei=641&fmt=pjpeg&qlt=50,1&op_usm=0,0,0,0&iccEmbed=0&cache=on,on&fit=crop

アルミリムよりリムハイトが高くできるカーボンホイールですが、その分横風をもろに受けるとあおられやすいという欠点がありました。ボントレガーでは徹底した風洞実験を繰り返し、横風でも安定して高速走行ができるホイールを生み出しました。

徹底した空力対策

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/CFD_Image_16x9?$responsive-pjpg$&cache=on,on&wid=1200&hei=900&fit=fit,1

ボントレガーのホイールは、常に最適な空力性能を発揮できるようにリム形状の見直しを続けてきました。XXXシリーズならSpeed Stablity Shaping、ProシリーズやD3シリーズならD3 Dual Directional Designと、重さ、空力、耐久性、速さの全てを満たす理想的な設計方法がAeolusシリーズの品質の根幹を成しているのです。

ボントレガー Aeolusシリーズの種類一覧

ここからはAeolusシリーズの一覧をモデル別にご紹介します。なお全てのモデルはSHIMANOとSRAMのみ対応で、Campagnoloは非対応ですのでご注意ください。

Aeolus シリーズ一覧:bontrager Aeolus XXX

プロがレースで使用するシリーズのトップモデル。10000回もの試作の末、3種類のリムハイト形状を開発。ハブとスポークはDT Swissで最高の回転性能。フルカーボン製リムホイールの弱点だった、ブレーキの熱と制動力を克服するLaser Control Track採用など、性能の追求に妥協はありません。

Aeolus XXX 2(リムハイト28mm)

  • TLR クリンチャー/リム 重さ:580g/725g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:630g/750g
(前:138,000円、後:156,500円)
  • チューブラー専用 重さ:505g/645g(前:128,800円、後:147,300円)

Aeolus XXX 4(リムハイト47mm)

  • TLR クリンチャー/リム 重さ:630g/770g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:675g/780g
(前:147,300円、後:165,800円)
  • チューブラー専用 重さ:565g/705g(前:138,000円、後:156,500円)

Aeolus XXX 6(リムハイト60mm)

  • TLR クリンチャー/リム 重さ:695g/835g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:730g/845g
(前:156,500円、後:175,000円)
  • チューブラー専用 重さ:620g/760g(前:147,000円、後:165,800円)

Aeolus シリーズ一覧:bontrager Aeolus Pro

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/BontragerAeolusPro5TLR_22641_A_Hero?$responsive-pjpg$&wid=1440&hei=1080

耐久性、重さ、空力のバランスの良いミドルクラスホイール。フルカーボンなのにDura-Aceのアルミリムモデルと同クラスの値段も魅力です。リムサイドの溝が放熱性と制動力を高め、カーボンのシックなカラーリングはどんなバイクにもマッチします。Pro 3Vは太いタイヤを低い空気圧で履くのにも最適な、25mmという太いリム幅。荒れた路面をも、ものともしない安定性が最大の特徴です。

Aeolus Pro 3V(リムハイト35mm)

  • TLR クリンチャー/ディスクのみ 重さ:720g/855g

Aeolus Pro 3(リムハイト35mm)

  • TLR クリンチャー/リム 重さ:656g/850g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:715g/885g

Aeolus Pro 5(リムハイト50mm)

  • TLR クリンチャー/リム 重さ:705g/900g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:780g/940g

値段:全てのモデルで前:84,000円、後:100,000円

Aeolus シリーズ一覧:bontrager Aeolus Comp 5

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/21803_C_3_Bontrager_Aeolus_Comp_5_TLR_Wheel?$responsive-pjpg$&wid=1440&hei=1080

アルミリムとカーボンの複合ホイールでお手頃な値段を実現。50mmのディープリムながら空力に優れたエアロ形状は一つ上の走りを味わえます。

 
  • TLR クリンチャー/リム 重さ:775g/1085g
  • TLR クリンチャー/ディスク 重さ:775g/1085g

値段:全てのモデルで前:45,000円、後:65,000円
 

Aeolus シリーズ一覧:bontrager Aeolus D3

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/09791_B_1_Aeolus_9_D3_Tubular?$responsive-pjpg$&wid=1440&hei=1080

一世代前のモデルですが、Proシリーズの上位製品としていまだ折り紙つきの性能を誇ります。

  • Aeolus 3 TLR Disc D3:TLR クリンチャー/ディスクのみ(後のみ:184,260円)重さ:786g
  • Aeolus 5 TLR  D3:TLR クリンチャー/リムのみ(後のみ:184,260円)重さ:790g
  • Aeolus 9  D3:チューブラー専用(前のみ:165,741円)重さ:744g

ボントレガーAeolus:自分にはどのホイールがおすすめ?

Photo byTeroVesalainen

同じAeolusシリーズでもこれだけ種類が違ってきます。では、あなたにおすすめするのはどのモデルか?より詳しい商品一覧と共に紹介していきましょう。
 

XXXシリーズ:レースで勝ちたいあなたへ

Photo by Studio Laurier

世界のトッププロが使うXXXシリーズなら、ホビーレーサーの決戦用として十二分な性能を備えます。ロードレース、エンデューロ、クリテリウムで一つでも上の順位を狙う方にはおすすめです。もちろん普段使いのライドでも快適で贅沢なサイクリングが楽しめます。

Proシリーズ:より快適に遠くへ

Photo by 上島町

レースには出ないけど、気軽にロングライドやヒルクライムを楽しみたい、という方でもAeolusはおすすめできます。手ごろな値段ながら最高性能のノウハウを受け継いだカーボン、軽量で高品質なハブを使用したAeolus Proなら、軽い力でどんどん転がってくれます。どこまでも長い距離を楽に走りたいまったりなライドでも、十分な恩恵が受けられるはずです。

Comp5:初めてのAeolusホイールを魅力的な値段で

フリー写真素材ぱくたそ

カーボンホイールは魅力的だけど、そこまでの値段はとてもつぎ込めない、という方。あるいは、完成車に付いてくる安いけれど性能の低いホイールから履き替えたい、という方にとっては十分おすすめできる選択肢です。リムこそアルミですが、その上に取り付けられたリムハイトは50mmカーボンの安定性と空力性能をもたらしてくれます。

D3シリーズ:1秒を削りたい人へ

Photo by Martin Nikolaj

タイムトライアルの競技では1秒の差が明暗を分けます。そこでおすすめするのがD3シリーズです。タイムトライアル専用のホイールではありませんが、最高級カーボンと限界まで突き詰められた空力は異次元の走りをもたらしてくれます。

まとめ

出典: https://trek.scene7.com/is/image/TrekBicycleProducts/FeatureAsset_AeolusXXX_4?wid=1140&hei=641&fmt=pjpeg&qlt=50,1&op_usm=0,0,0,0&iccEmbed=0&cache=on,on&fit=crop

bontrager ホイールの主力製品、Aeolusシリーズ一覧を詳細にご紹介してきました。ホイールは走りを高めるうえで絶大な効果をもたらします。当然、性能に比例して値段も高くなりますが、だからこそ買って後悔のない品を選びたいですね。その点Aeolusシリーズであれば、鉄下駄を卒業したい初心者から、より高みを目指すミドル~ハイエンドまでおすすめできる、最高の相棒となることでしょう。

ちゃりぶらりあん
ライター

ちゃりぶらりあん

自転車、特にロードバイクをこよなく愛し、チャリでブラブラするのが好きな図書館司書(ライブラリアン)。 すなわち「ちゃりぶらりあん」とは私のことです。 怠けているので速くはなく、稼ぎはないので高いパーツも買えませんが、走る楽しさは何よりの宝物です。 海外レースもよく観戦します。

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