ロードバイクのタイヤローテーションは有効?交換前の注意点を解説!

ロードバイクのタイヤローテーションは有効?交換前の注意点を解説!

自動車では一般的に行われているタイヤのローテーションですが、ロードバイクで行うことには賛否両論あるようです。ここではロードバイクのタイヤローテーションの是非を考えながら、ローテーションする場合のポイントをチェックしていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ロードバイクのタイヤローテーションとは
  2. 2.タイヤローテーションのメリット・デメリット
  3. 3.ロードバイクのタイヤローテーションの際の注意点
  4. 4.ローテーションする意味を理解しよう

ロードバイクのタイヤローテーションとは

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タイヤはすり減る

タイヤのローテーションとは、前後のタイヤの入れ替えをいいます。ゴムで作られているタイヤは、常に走行時地面に接触しています。その接地面を「トレッド」といいますが、トレッドは路面との摩擦により徐々にすり減ってしまいます。しかし、消耗の仕方はトレッド全体が均等なわけでもありませんし、タイヤの前後の位置によっても異なります。

消耗を均等にする目的

そこでタイヤの装着位置を入れ替えて、すり減りを均等にするのがタイヤローテーションです。タイヤローテーションは、自動車では一般的に行われているタイヤメンテナンスのひとつです。

後輪のほうが消耗は大きい

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駆動輪のほうがスタート時に摩擦抵抗が大きいためにすり減りは大きくなります。したがって、前輪駆動車では前輪のほうが、後輪駆動車では後輪のほうが消耗が早いです。またハンドルを切ることで起こるタイヤの摩擦では、当然後輪より前輪のほうがすり減りやすくなります。

ロードバイクのタイヤもすり減る

前後のタイヤ位置を入れ替えることで、このすり減りを均等化できるというわけです。ロードバイクのタイヤの素材もゴムなので、当然使っているうちに摩耗します。ロードバイクの場合、後輪駆動なのに加えてスプロケットやチェーンなどの重量負担により、前のタイヤより後ろのタイヤのほうがすり減りは大きくなります。

ロードバイクでもローテーション

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また、ライダーの体重の大半は後輪で支えているので、前輪より摩耗が大きくなるのは仕方ありません。そのため、ロードバイクでも自動車と同じように前後のタイヤを入れ替えて、消耗の均等化を図るといったメンテナンスが行われています。

タイヤローテーションのメリット・デメリット

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ロードバイクのタイヤローテーションは前後2本だけなので、自動車に比べると作業は楽です。しかし、ロードバイクのタイヤローテーションを行うことに対して否定的な意見もあるので、ロードバイクのタイヤローテーションのメリットとデメリットについて考えてみましょう。

メリット①タイヤの摩耗が均一になる

ローテーションすることで、前後のタイヤの摩耗が均一になります。これがタイヤローテーションの最大の目的です。すり減ったタイヤとすり減りの少ないタイヤを入れ替えることで、乗り心地や操作性がリセットされます。

メリット②タイヤが長持ちする

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タイヤの寿命はどれくらい?

タイヤの寿命は乗り方やタイヤの質やタイプにもよりますが、3,000~5,000km程度とされています。これは太陽光線の紫外線などによるゴムの劣化も加味しての交換時期ですが、摩耗だけに関していえば、前後タイヤで差が生じます。

タイヤの寿命を延ばす

後輪タイヤは摩耗が大きくても、前輪タイヤはさほどでもないというケースも少なくありません。前後輪を入れ替えることで、タイヤ2本の寿命を延ばして長く使うことができます。

メリット③タイヤの費用が抑えられる

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ローテーションをしなければ、タイヤの一方だけがすり減っても(多くは後輪)2本のタイヤをすべて交換することになります。いずれはすべてのタイヤを交換しなければならない時期はきますが、すり減った後輪タイヤを負担の少ない前輪に、すり減りの少ない前輪タイヤを負担が多めの後輪に入れ替えることで、タイヤの交換時期を一時的に遅らすことができます。

デメリット①危険性がある

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摩耗が大きいとトラブルが発生しやすい

ロードバイクのタイヤローテーションに対する否定的な意見で最も多いのが、危険性があるというものです。自転車は前輪とつながったフロントフォークを介してハンドルでかじ取りをしています。摩耗の激しいタイヤはパンクなどのトラブルが起こりやすいと考えられます。

事故につながるリスクあり

つまり、後輪で使用していたタイヤを前輪に使うことはパンクリスクが高くなり、前輪がパンクした場合にはハンドリングが効かず重大な事故につながりかねないというわけです。

デメリット②ハンドリング性能に問題

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タイヤの摩耗は地面に接地している部分で起こります。新品のタイヤではトレッドは山のある状態ですが、摩耗してくると平らになってきますし、溝のあるタイヤなら溝が薄くなっていきます。こういったトレッドの状態の変化は、ハンドリングに影響を与えて安定性を欠く恐れがあります。また、溝がなくなることでグリップが失われることにもなるかもしれません。

デメリット③爽快感が味わえない

前後のタイヤを新品に交換すると、走行フィーリングが一変します。転がり抵抗が少なくなり、しばらくはまるでバイクが新しくなったり自分の走行スキルが上達したかのような軽快さを感じる人も少なくありません。タイヤローテーションでは、残念ながらそういった気分を味わうことはできません。

ロードバイクのタイヤローテーションの際の注意点

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ロードバイクのタイヤローテーションは、確かにデメリットが存在します。ではタイヤローテーションはやらないほうがいいのかというと、そうとは一概にいえません。レースなどで使用するなら問題はありますが、ホビーライド程度ならそこまで神経質になる必要はないです。デメリットをしっかり認識したうえで、ローテーションをする際の注意点を紹介しましょう。

注意点①ギリギリまで使用しない

いくら前輪のタイヤのほうが負担が少ないからといっても、完全に摩耗したタイヤを使用するのではリスクが大きいです。購入してまだ多くの距離を走っていない、摩耗もさほどではないという時点でのローテーションなら可能と考えましょう。タイヤの寿命とされる距離の半分程度で前後を入れ替えするくらいが目安です。

注意点②1本だけ新品にするのもアリ

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タイヤローテーションの主流

前輪を新しいタイヤに交換し前輪で使っていたタイヤを後輪に使用するというやり方が、ロードバイクのタイヤローテーションの主流となっています。これなら、前輪タイヤの危険性やハンドリング性能に問題はありません。

費用は半分で済む

走行フィーリングは前後とも新品に交換するのと比較すればかないませんが、摩耗した後輪タイヤをそのまま使うのとは大きな差が生まれるはずです。タイヤ購入に掛かる出費も半分で済みます。

注意点③ホイールごとローテーションしない

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ほとんどのロードバイクのタイヤには、前輪用・後輪用の区別はありません。したがって、そのままスプロケットだけを付け替えてホイールごとローテーションすれば問題ないと考えがちですが、それはNGです。ホイールのハブのサイズが前後輪では異なるので、ホイールからタイヤを外して交換する必要があります。

注意点④チューブも交換しよう

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チューブの使いまわしはNG

タイヤを交換する際に、忘れられがちなのがチューブ交換です。特に1本だけ新しく交換する場合、古いチューブを何度も使いまわしすることのないように注意しましょう。タイヤの内側にあるため紫外線や雨の影響を受けることは少ないですが、チューブも素材はゴムですからタイヤと同様に劣化します。

パンク回数にも注意

チューブの交換目安は4,000~5,000kmほどですが、パンク修理回数が多ければそれだけ耐久性が低下します。何度もパンクをしているチューブは、交換目安を前に変えてしまうほうがいいかもしれませんね。

ローテーションする意味を理解しよう

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ロードバイクのタイヤは後輪だけが極端にすり減りますが、そのたびにすべて交換したのでは、すり減っていない前輪タイヤがもったいないですよね。だから、ローテーションをするのです。とはいえ、ローテーションしたからといって走行距離が大幅にのびるわけではないので、金銭的に余裕があれば前後とも一度にタイヤ交換するのももちろんOKですよ。

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S.ジャイアン
ライター

S.ジャイアン

週1ペースでライド、ポタリングに出掛けています。記事を通して多くの方と自転車の楽しみを共有できればと思っています。

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