自転車のハンドル交換を簡単解説
ハンドルはロードバイクやクロスバイクにおいてカスタムしたくなるパーツの一つです。「個性を出したい」「体にフィットした物にしたい」「ブルホーンハンドルにしたい」など理由はさまざまですが、今回はそんなハンドル交換の手順を紹介します。
自転車のハンドル交換作業のながれ
ハンドル交換の大まかな流れは以下の通りになります。
- ハンドルを外して新しいハンドルに交換する。
- グリップ→ブレーキレバー → シフター → アクセサリーの順にはずす。
- 新しいハンドルにアクセサリー → シフター → ブレーキレバー → グリップの順に付ける。
- ブレーキの効き具合やディレイラー(変速機)の動作を確認し、調整する。
自転車のハンドル交換の各作業内容
ハンドル交換の作業を解説していきます。作業全体を見ると大変に感じますが、順を追って一つずつ見ていくとそれほど難しい作業はありません。
内容①グリップの外し方・取り付け方法
アーレンキー(六角レンチ)などボルトで取り付けられているグリップは、ボルトを操作するだけで簡単に脱着する事ができます。しかし、ボルトが付いていないグリップを外す際には現在使用しているグリップを再利用するかどうかという事で判断が分かれます。
ボルトで固定されていないグリップの取り外し方
新しいグリップを用意している際には、現在のグリップは不要となりますので、カッターでハンドルと並行に切れ目を入れて取り外す方法が最も楽な方法となります。現在使用しているグリップを再利用する場合はハンドルとグリップの間に洗剤を流し込み、滑りやすくして引き抜くという方法が一般的です。
ボルトで固定しないグリップの装着方法
ボルトの付いていないグリップを装着する際そのまま装着しようとしても、なかなか入らない事があります。グリップの内側に水か少量の洗剤を塗り、ハンドルにゆっくり押し込むという方法が一般的です。
ハンドルに入りにくいグリップの装着方法
水か少量の洗剤を付けて強い力で押し込んでも、固く入らない場合があります。その場合は、装着するグリップと反対側のハンドルを壁に当て、ゴムハンマーで叩いて入れるという方法があります。その際、壁側やゴムハンマーで叩く部分にタオルなどを当て傷が付かないように養生する必要があります。
内容②ブレーキレバー・シフターの外し方・取り付け方法
ブレーキレバーやシフターを交換する際には固定されているボルトを操作する事で脱着が可能となります。新しいハンドルにブレーキレバーやシフターを装着する際には、いったん仮止めの状態で装着し、実際に跨ってから位置や角度を確認してから固定すると効率的です。
取り付け後はブレーキとディレイラー(変速機)の調整
新しいハンドルにブレーキレバーやシフターを固定した後、ブレーキの効き具合やディレイラー(変速機)の調整が必要です。以前のハンドルに付いていた状態とはケーブルの長さが変わるため、そのまま使用するとブレーキが効かなかったり変速できない場合がありますので、乗り出す前には必ず調整する必要があります。
ケーブルが余った場合の対処方法
ハンドルから伸びたケーブルをたどり、出ているケーブルの長さを調整する事で各パーツの効き具合を確認してください。ケーブルが余る場合はワイヤーカッターで適当な長さに切断し、切断面をヤスリで整えてインナーエンドキャップと呼ばれる保護具を取り付ければ大丈夫です。
うまく調整できない場合や不安な場合はプロのショップに見てもらう
ブレーキの効き具合やディレイラー(変速機)の調整が必要な場合、なかなか適切な位置に調整できない場合があります。特にブレーキなど安全に関わる部品の調整に不安がある場合はプロショップでの調整を依頼して下さい。プロに依頼する事で安心と安全を得られ、直接プロと話す事で新しい知識も得られます。
内容③ハンドルの外し方・取り付け方法
ハンドルの交換はアーレンキー(六角レンチ)で交換する事ができます。ハンドルを装着する際は一度仮止めの状態で自転車に跨り、位置決めをしたあと本締めを行うと効率的です。
ハンドルを固定する際の注意点
ハンドルを固定するクリップのボルトを本締めする際の注意点としては、ボルトを1本づつ締めず全てのボルトを均等に徐々に締めていく必要があります。2本の場合は上下交互に締めていき、4本の場合は×印を描く様に対角線上にボルトを徐々に締めてください。
自転車のハンドル交換に必要な工具
主に必要は工具はアーレンキー(六角レンチ)・ドライバー・スパナです。グリップ交換の際にグリップが入らない場合、洗剤やゴムハンマーが必要となります。シフターやブレーキの交換の際にワイヤーを引き直す場合、ワイヤカッターやヤスリ、インナーエンドキャップとよばれるワイヤーの先を保護するキャップが必要となります。
自転車のパーツを集める際の注意点
ハンドルのパーツを集める際に最も注意しなければならないのが各パーツの規格の違いです。ハンドルの太さには数種類あり、ブレーキやシフター・グリップを選ぶ際にも取り付けるハンドルの太さに合ったサイズのものを選ぶ必要があります。このサイズ確認がパーツ集めの重要ポイントになります。
ハンドルの規格のちがい
ハンドルのパーツを集める際に最も注意しなければならないのがハンドルの太さです。ハンドルのカスタムで最も重要になる部分でもあり、クロスバイクとロードバイクではハンドルの太さのサイズは異なります。また同じハンドルでもにぎり径・クランプ径と場所によってハンドルの太さは異なります。
クランプ径
クランプ径とはハンドルを脱着する際にアーレンキー(六角レンチ)にてボルトで固定されている箇所の太さです。
- クロスバイクなどのフラットバーは22.2mmか25.4mm
- ロードバイクなどのドロップハンドルは25.4mmか31.8mm
グリップ径
グリップ径は文字通りグリップを握る部分の太さとなります。クロスバイクなどフラットバーは22.2mm・ロードバイクなどドロップハンドルは23.8mmが一般的となっています。グリップ径によってハンドルに装着するシフトやブレーキ、グリップなど装着できない場合があるので装着するパーツのサイズを元にハンドルを選んで下さい。
「シム」というスペーサーで隙間を埋める
クランプよりハンドルが細い場合や、にぎり径よりシフターやブレーキのサイズが大きい場合は「シム」と呼ばれるスペーサーを使用する事により解決する事ができます。しかしクランプよりハンドルの方が太い場合や、にぎり径よりブレーキやシフターが細い場合は入らないので注意が必要です。
ブレーキの種類の確認
新しくブレーキレバーを交換する際に確認しなければならないのが、自転車についているブレーキの種類です。ブレーキにはキャリパーブレーキやVブレーキ、カンチブレーキなどさまざまな種類があり、ブレーキによってワイヤーの引きしろが異なるため、好みのブレーキレバーが装着できない場合があります。
自転車のハンドルを交換してみよう
自転車のハンドル交換と一口に言ってもハンドルに付属するパーツは多く、集めるパーツの規格もさまざまですよね。なかなか勇気がでずに躊躇されている方もいるかもしれませんが、作業の一つ一つは特に難しいものではありません。パーツを探すところも含めてハンドル交換を楽しんでもらえればいいかと思います。
出典 : アンスプラッシュ