チューブ交換でロードバイクの走りが変わる
「軽さは正義」
「軽さは正義」といわれるほど、ロードバイクは軽さにこだわります。車体が軽ければ、漕ぎ出しが軽くなる、上り坂を楽に上れる、エネルギーを節約して走ることができるといったメリットから、ロードバイクでは軽いほうが有利なのです。
パーツの軽量化でチューンナップ
そのため、さまざまな手段で軽量化を求める人は少なくありません。完成車に装着されていたホイールを軽量ホイールに交換するのは、軽量チューンナップの基本ともいわれます。その他、ペダルやサドル、ハンドル、タイヤはもちろん、細部のボルトに至るまで、数グラムの軽量化を求めて軽量パーツに交換するという人もいます。
ホイール交換は効果的
どこまで軽量化にこだわるかはその人次第ですが、走りの面において足元を軽くするのは特に効果が大きいとされます。したがって、軽量なホイールに交換するのは最初にとりかかるチューンアップ手段として、また費用対効果としても正解でしょう。エントリーモデルでも、軽量ホイールに交換するだけで走りは格段にアップします。
手軽に軽量化するならチューブ交換
ただ、軽量ホイールは走りの変化や乗り心地に大きな効果の期待できる軽量化のひとつですが、完成車についてくる標準ホイールとの違いを体感できるようなホイールとなるとそこまで予算が出せないという人もいるでしょう。そこでおすすめなのが、軽量チューブへの交換です。軽量チューブなら、少ない予算で大きな効果を得ることも可能です。
チューブ交換でリーズナブルに走りをアップ
走りが変わる
ロードバイクのチューンナップにおいて見過ごされがちなチューブ。普段はタイヤの中に潜んでいるためその存在自体が忘れ去られている感があり、パンクの時に改めてチューブの存在に気付くという人もいるのではないでしょうか。グレードアップしたチューブに交換すると、走りや乗り心地が向上します。
クリンチャータイヤならぜひ
また、ホイールの交換は安くても数万円からの出費が必要ですが、チューブなら数千円とリーズナブルな金額で走りの変化を感じることができます。近年はチューブレスタイヤやチューブラータイヤの普及が広がっていますが、まだまだクリンチャータイヤのバイクオーナーは多いはず、そこで走りを変えたいと考えているのなら軽量チューブへの交換は有効です。
ロードバイク用軽量チューブの種類
チューブにはいくつかの種類があります。チューブの素材はゴムですが、天然ゴムを素材とするか、合成ゴムを素材にするかによってそれぞれ特徴が異なります。また、ゴム以外の素材を使った超軽量チューブもあります。素材の違いによる特徴をチェックしてみましょう。
ラテックスチューブ
ラテックスチューブのメリット
競技でも使用されることの多いラテックスチューブは、天然ゴム素材でできています。強度があり薄くできるために軽量チューブが作りやすいです。また、しなやかで振動吸収性に優れる、転がり抵抗が減少する、乗り心地がよいといった点もメリットです。
ラテックスチューブのデメリット
一方、貫通パンクには強い反面、自然に空気が抜けやすくスローパンクになりやすい点や価格が高めなのはデメリットとなるでしょう。また熱に弱いので、下り坂のブレーキングでブレーキに熱を持ちやすいカーボンリムホイールでの使用はNGとされています。
ブチルチューブ
合成ゴム素材で作られているのが、ブチルチューブです。天候や気温などにあまり影響を受けずにオールマイティに使用できるため、ママチャリをはじめ多くのクリンチャータイヤの自転車チューブとして採用されています。耐久性や耐パンク性にも優れているうえ空気漏れが少なく、価格もリーズナブルです。ただし、重めな点がデメリットとして挙げられるでしょう。
軽量ブチルチューブ
ブチルチューブを薄く作成し軽量化してあるのが軽量ブチルチューブです。素材はブチルチューブと同じですが、ブチルチューブより振動吸収性、転がり抵抗が若干ながらアップしています。ただし、ゴムが薄くなっている分、耐パンク性能や耐久性能が弱くなっています。また、価格も高めなのがデメリットといえるかもしれません。
ポリウレタンチューブ
ゴム素材で最軽量のラテックスチューブよりさらに軽量なのが、ポリウレタンが素材のチューブです。軽量なだけでなく耐パンク性能にも優れているのですが、製品が少なく選択肢が限られることや価格が一般的な軽量チューブの2~3倍という点がネックとなり得るでしょう。
ロードバイク用軽量チューブ選びのポイント
ロードバイク用チューブには素材以外にも、サイズや規格がたくさんあります。選ぶ際には、それらもしっかりチェックしていないと持っているタイヤやホイールに合わずに使えない事態にもなりかねないので注意が必要です。
ポイント①タイヤサイズ
タイヤの側面にはタイヤサイズが印字されているので、それに合わせたチューブを選びましょう。たとえば、タイヤサイズが700×25cならチューブも700×25c対応の製品を、というわけです。チューブによっては、23~28cといったようにある程度幅のあるタイヤサイズに対応している製品もありますが、その際には数字の幅の間に属していればOKです。
ポイント②バルブの種類
チューブには空気を入れるバルブが付属していますが、ロードバイクは仏式バルブが基本なので仏式バルブのチューブを選びましょう。
ポイント③バルブの長さ
ホイールのリムの高さによって、チューブのバルブの長さも選択する必要があります。空気を入れる際にはリムの外にバルブ口が出ていなければなりませんが、リム高とバルブの長さが合っていないと空気を入れられないこともあるので、購入前にはしっかりチェックしておきましょう。ギリギリだと空気が入れにくいので、ある程度余裕のある長さにしておくほうが無難です。
ロードバイク用素材別軽量チューブおすすめ12選
ラテックスチューブ編
①ソーヨー ラテックスチューブ
ソーヨー ラテックスチューブ
参考価格: 2,557円
プロ選手も愛用するラテックスチューブです。伸縮性が高い、耐パンク性能に優れる、乗り心地がしなやかなど、高い評価を得ています。紫外線による劣化を防止するためにアルミで梱包するといったメーカーのこだわりも特筆すべきでしょう。スローパンクにしっかり対応する必要はありますが、最軽量のラテックスチューブを求めるならおすすめです。
②ヴィットリア コンペティションラテックス
ヴィットリア コンペティションラテックス
参考価格: 1,254円
人気のイタリアンタイヤメーカーのラテックスチューブです。レースでのパフォーマンスだけでなく、ロングライドでも実力を発揮してくれます。タイヤとの摩擦抵抗が少ないため転がり抵抗を軽減して乗り心地を高めます。価格もリーズナブルですしバルブコアの交換も可能、さらに28cにも対応しています。
③ミシュラン ラテックスチューブ
ミシュラン ラテックスチューブ
参考価格: 3,390円
世界的に有名なタイヤメーカーミシュランのロードバイク用ラテックスチューブです。しなやかで乗っていて疲れにくく、振動が軽減されるだけでなく走行音も静かです。ハイパフォーマンスタイヤに最適な高性能チューブと評判です。
ブチルチューブ編
①タイオガ INNER TUBE
タイオガ INNER TUBE
参考価格: 1,050円
スポーツバイクパーツの人気アメリカンブランド「タイオガ」の軽量チューブです。超軽量というわけではありませんが、リーズナブルな価格で乗り心地もよく、耐久性にも優れたコストパフォーマンスの高い製品です。サイズが幅広く取りそろえられているのも魅力です。
②ミシュラン エアーストップ
ミシュラン エアーストップ
参考価格: 910円
ミシュランのブチルチューブです。特に「軽量」を謳っているわけではありませんが、93gと一般的なブチルチューブの中では軽い部類に相当するでしょう。乗り心地もよく、ブランドイメージと併せてコストパフォーマンスに優れた製品と人気です。
③ヴィットリア COMPETITION BUTYL
ヴィットリア COMPETITION BUTYL
参考価格: 876円
イタリアンタイヤブランドヴィットリアのブチルチューブです。90gと軽量でバルブ長は48mmと使いやすいうえ、バルブコアがダブルピースなのでアダプタを使えばディープホイールでの使用も可能となります。乗り心地や転がり抵抗、耐久性などの性能と価格バランスのよい製品です。
軽量ブチルチューブ編
①マキシス フライウエイトチューブ
マキシス フライウエイトチューブ
参考価格: 1,998円
普通のブチルチューブの半分程度の重量という、ブチルチューブ最軽量クラスの軽量ブチルチューブです。性能のわりには比較的リーズナブルな価格で手に入ります。空気の抜けも少なくメンテナンス性も高いのも魅力です。ラテックスの使用できないカーボンリムのクリンチャーホイールにおすすめの製品です。
②パナレーサー R'AIR(アールエアー)
パナレーサー R'AIR(アールエアー)
参考価格: 1,358円
チューブ選びに迷ったらこれといわれるくらいの定番製品です。軽いのにパンクに強い、耐久性も高い、また振動吸収性がよく走りの質が向上するなど、多くのメリットが支持されています。レースからヒルクライム、ロングライドなどシーンを選ばず使用できるオールマイティな軽量ブチルチューブです。
③コンチネンタル RACE28
コンチネンタル RACE28
参考価格: 6,687円
ロードバイク用タイヤでも人気のブランドコンチネンタルの軽量ブチルチューブです。ラテックス並みの64gという軽量ながら取り扱いは楽なのもメリットです。ただし、タイヤサイズ700×20/25cへの対応しかないので、それ以上のタイヤサイズのオーナーは使えない点がネックとなります。
④ブリヂストン アンカー EXTENZA
ブリヂストン アンカー EXTENZA
参考価格: 1,648円
モーターレースでも人気の高いブリジストンから販売されているチューブです。タイヤの性能を最大限に引き出す軽量チューブで、決勝レースやヒルクライムレースなど本格的な走りに適している高性能さが特徴ですが価格はリーズナブルな点が魅力です。
ポリウレタンチューブ編
①チューボリート チューボ ロード
チューボリート チューボ ロード
参考価格: 4,250円
素材がゴムでなくポリウレタンのチューブで、軽さだけでなく転がり抵抗にも優れ、耐パンク性、耐久性、乗り心地などあらゆる面において高い性能を誇ります。ただネックとして挙げられるのは、その他の素材のチューブより値段が高い点ですが、軽さを求めるライダーに大いに支持されています。
②レボループ TPUチューブ
レボループ TPUチューブ
参考価格: 3,080円
ブチルチューブと比べて39gという圧倒的な軽さに加えて、高いパンク性能を誇ります。乗り心地はやや硬めですが、とにかく軽いチューブが欲しいという人におすすめです。パンク修理の際には、専用のパッチを使用しなければならない点に注意が必要です。
目的に応じたチューブ選びを
ロードバイクの軽量化を図るならチューブにも注目しましょう。軽量チューブへの交換は、コストパフォーマンスに優れた軽量チューンナップといえるでしょう。ただし、軽量チューブは一般的なチューブより慎重な扱いが必要だったり耐久性に劣るという点もあるので、自転車の乗り方や使用目的に応じた製品を選ぶことが大切です。