クロモリとカーボンの違い
クロモリロードバイクがカーボンロードバイクより優れているところ
クロモリロードバイクの方が使っている素材の関係でカーボンロードバイクより安いです。もちろんグレードによってはクロモリロードバイクの方が高い場合もありますが、カーボンロードバイクに使われている、炭素繊維は鋼鉄の10倍の強度で、しかもその重さが4分の1であるため自転車のほかに様々なものに使われており、需要も高いためどうしても一般的にカーボンロードバイクの方か高いです。
クロモリロードバイクの方が耐久性が高い
クロモリロードバイクの方が耐久性は高いです。カーボンロードバイクはカーボンの加工のしやすさから、ペダル回りなど、力がかかりやすい部分だけ厚くして、他のトップチューブなどは、その力がホイールに伝わりやすいように、細く弓なりに作られています。そのため自転車に乗っているときにかかる力には強いですが、落車時やフレームをぶつけてしまったときに割れやすいです。そういった意味でクロモリロードバイクの方が耐久性が高いです。
クロモリロードバイクの方が修理が容易
クロモリロードバイクはフレームのパイプを、それぞれロウ付けという手法で接着しているため、もしフレームのパイプが一本曲がったり、折れてしまったときに、その部分だけ取り換えてまたロウ付けすることが可能です。しかし、カーボンフレームの場合、強力な接着剤でくっつけているため、一度くっつけてしまったら取り返しがつかなく、もしパイプが折れたり曲がってしまったらフレームごと交換する必要があります。
カーボンロードバイクがクロモリロードバイクより優れているところ
カーボンロードバイクの方が圧倒的に軽い
カーボンロードバイクを説明するうえで一番最初に言われるのが、圧倒的な軽さです。もちろん自転車はフレームだけでは機能しませんので、ホイールなどの他のパーツを含めた全体の重さが重要なのですが、フレームで比べてみると大体カーボンだと600g、アルミだと900g、クロモリだと1500gとカーボンが一番軽く、クロモリが一番重いのがわかります。
カーボンロードバイクの方がヒルクライムに強い
カーボンロードバイクはクロモリロードバイクより軽いため、ヒルクライムに強いです。やはりヒルクライムを考えるうえで、重さとは切っても切り離せない関係があるので、カーボンロードバイクの方がヒルクライムに向いています。カーボンロードバイクはアルミロードバイクのきびきびとした動きと、クロモリロードバイクのしなやかさを兼ねそろえているため、そういって意味でも快適なヒルクライムに向いています。
カーボンロードバイクの方が複雑な造形が可能
カーボンフレームの特徴として、他の素材と比べて加工がしやすいため、複雑な形状のフレームを作るのに向いています。そのためレースをする人によっても平たん特化のエアロ形状にしたり、ヒルクライム重視の超軽量タイプにしたり、その人のニーズに合わせたバイクを作ることができます。
クロモリロードバイクのメリット
クロモリロードバイクは耐久性が高い
クロモリロードバイクの一番の魅力はやっぱりその耐久性です。自転車に長く乗っていると、どんなに気を付けていても不慮の事故などで、乗り続けなくなってしまうことがあります。自転車を短い期間でどんどん乗り換えたい人は耐久性を重視する必要はないと思いますが、生涯通じて乗り続けたいとか、自転車をパートナーのように大切に乗り続けたい人におすすめです。
クロモリロードバイクは乗り心地がいい
乗り心地がいいのもクロモリロードバイクの特徴ではありますが、その分レース向きではないため、使用目的によってクロモリロードバイクが合う人と合わない人がいます。具体的にはレースなどで平坦での速さや、ヒルクライムの軽快さを求める人はあまり向いているとは言えません。逆にレースに興味がなく自転車を一種の交通手段として考えてる人や、自転車旅が好きな人にはクロモリロードバイクをおすすめできます。
クロモリロードバイクは安価でレトロ
これも他の素材のロードバイクでも安価でレトロなバイクも多いですが、クロモリロードバイクは特に安価でレトロなバイクが多いです。なので、初めてロードバイクを購入する初心者や、街並みで乗るのに機能性だけではなくデザイン性も重視したい人など、初心者から上級者までおすすめできるロードバイクとなっています。
クロモリロードバイクのデメリット
クロモリロードバイクはとにかく重い
やはりクロモリロードバイクの弱点として、どうしても否定しがたいのは重いことです。自転車に乗るうえでレースやツーリングに限らず、軽いというだけで自転車の進みが違いますし、ヒルクライムに有利なので、自転車が重いことはデメリットになりがちですが、クロモリロードバイクのメリットである旅向けであることや、ゆっくりポタリングを楽しむのであれば、実質このデメリットは関係なくなります。他にはホイールなどのパーツを軽量なものにすることで対策できます。
クロモリロードバイクは錆びやすい
たいていのクロモリフレームには内部にリン酸被膜処理という、フレームが錆びにくくなる処理が施してあるため、雨の中走行した後などは、きちんと雨粒をふき取るなど適切な処置をしておけば、問題ないです。雨の後に処置をしないと、先にチェーンが錆びてしまいますが、他のフレームでも処置は必須であるため、大きなデメリットではないです。
クロモリロードバイクはレースに向かない
あくまで一般論でありますが、ロードレースで活躍したいという人には、基本的にクロモリロードバイクは向きません。しかし、あくまでも基本的にであって、クロモリロードバイクの中でも、その加工のしやすさと強度から自身の体にあったフルオーダーのバイクを作ることも可能ですし、加工の仕方によっては十分軽量なフレームにすることも可能ですので、そういった意味で全くレースに向かないわけではないです。
クロモリロードバイクのおすすめ
アンカー(ANCHOR)
アンカーとは日本が誇るブランドのブリヂストンのスポーツバイクブランドであり、1988年により本格的なスポーツサイクルの開発を目標としてアンカーのブランドの創設が発表されました。アンカーは日本のブランドであるため、日本らしい高水準の性能と、ロードレースが人気なヨーロッパの人に向けた構造ではなく、日本人の体格にあったサイズ展開をしています。フレームだけでなくホイールなどのパーツも日本製のものが多く日本人向けになっています。
クロモリのメリットがすべて入っている! ANCHOR(アンカー) RL
アンカーRLはロングライド向けの仕様となっており、クロモリ特有の乗り心地の良さを残しながら、クロモリの弱点である力をホイールに伝えにくいという点も、剛性、しなりと軽さのベストバランスを求めることで、高い推進力を実現した自転車です。クロモリロードバイクはロングライドに一番向いているということもあり、その意味でアンカーRLは、クロモリロードのメリットをすべて使った自転車になっています。
クロモリのレース規格の自転車! ANCHOR(アンカー) RNC
アンカーRNCはクロモリロードバイクでありながら、ロードレース向けの使用になっている自転車であります。このアンカーRNCはフレームの形状にNEO-COTというNEO Contour Optimization Theoryという「新形状最適化理論」の頭文字をとった独自の形状を使用していて、パイプの形状を最適化することで、クロモリ素材の持つしなやかさを活かし、最小限の軽さと最大限の強度を実現しました。これにより、クロモリの特徴を残しつつ、レースにも使用できるバイクになっています。
ラレー(Raleigh)
ラレー(Raleigh)は1888年創業の英国の老舗であり、クロモリロードを基本とした、かなり通好みな渋いデザインの自転車を揃えているブランドです。国内で売られているラレーは、手組ホイールで定番のアラヤのライセンス商品であって、日本規格・日本設計の自転車となっています。クロモリ本来の渋さを出しつつ、日本人にも乗りやすい設計で、おしゃれに街乗りをしたい人などから根強い人気があるブランドです。
渋くて格好いいロードバイク! Raleigh(ラレー) Carlton
カールトンは1898年創業のレーシングサイクルに特化したワークショップであったが、1960年代にラレーグループになり、そこからラレーのロードレーサーのブランドとなったものです。特徴としては、ラレーが持つ渋いクラシックなデザインと、同価格帯の完成車であっても他の自転車はコストダウンのために、シマノ以外のメーカーのパーツを使いますが、ラレーカールトンはホイールなども含めオールシマノを採用しようという徹底的に妥協がない自転車です。
まとめ
今回はクロモリロードバイクの意味や素材、メリット・デメリットなどを解説しました。全体的に考えて、ロングライドで使用するのであれば、どうしても荷物で重い自転車になり、ヒルクライムに弱くなるため、デメリットになりにくく、それ以外はむしろメリットしかないと、使い方が合えば非常に優秀なロードバイクになります。その高い耐久力を活かして、生涯共にする自転車を一台クロモリロードバイクで選んでみてはいかがですか。
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