ロードバイクは体重の重い人におすすめ
世界でも一流の選手が走るツールドフランスをはじめ、ロードレースの選手はほとんどがスリムな体型をしています。それらのシーンを見ていると、体重が重い人がロードバイクに乗るのを躊躇ってしまうのも仕方のないことかもしれませんね。しかし、実はそんな人にこそ、ロードバイクに乗ってもらいたいのです。その理由を紹介していきましょう。
体重の重い人にロードバイクをすすめる理由① ダイエットに有効
ダイエットに有酸素運動が効果的
ダイエットで体重を落とすのには、有酸素運動が効果的とされています。有酸素運動とは、酸素を消費し脂肪や糖質を燃焼してエネルギーを作る、筋肉への負荷が低い運動のことで、ジョギングやウォーキング、そしてサイクリングなどが相当します。有酸素運動によって効率よく脂肪が燃焼されるので、ダイエットに効果があるのです。
自転車なら長い時間実行できる
よく有酸素運動は20分以上継続しないと効果がないといわれますが、実は5~15分でも脂肪は燃焼されます。ただ、20分を過ぎると脂肪燃焼効果が最大化するために、効率的に脂肪を燃やすには20分以上続けるほうが好ましいのです。体重の重い人が20分以上ジョギングやウォーキングをするのは大変ですが、サイクリングならむずかしくないでしょう。
体重の重い人にロードバイクをすすめる理由② 身体の負担が軽い
体重がある人は膝や腰にトラブルを抱えがち
体重の重い人は、膝や腰に問題を抱えている人が少なくありません。そもそも人間が2本足で歩くという行為は膝や腰に大きな負担を掛けているのですが、体重が重いとその負担がさらに大きくなるためトラブルが生じがちです。
自転車は膝や腰への負担が少ない
有酸素運動であるジョギングはダイエットに効果的ですが、着地の際に体重の3倍近い力が片足に掛かるといいます。ウォーキングでも膝や腰にトラブルを抱えているのであれば、なるべく歩きたくないのが本音でしょう。その点自転車は、少ない膝や腰への負担で有酸素運動を行うことができます。
体重の重い人にロードバイクをすすめる理由③ 基礎代謝がアップする
インナーマッスルを鍛えて基礎代謝を上げる
ロードバイクに乗ると、体幹の筋肉(インナーマッスル)を鍛えることができます。筋肉をつければ、基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がれば脂肪の燃焼効果がアップし、相乗効果により痩せやすい身体になることができるのです。
一般の自転車で同じ効果は望めない
ママチャリやシティサイクルなどでも、サイクリングをすれば同じ効果が得られるのでは? と思っている人もいるでしょう。しかし、普通の自転車では脚の筋肉しか使わないのでインナーマッスルは鍛えられません。
体重の重い人にロードバイクをすすめる理由④ コスパに優れている
ジムの会費は安くない
ダイエットのために、ジムへ通う人もたくさんいます。ジムによっては高額な入会費が必要なところもありますし、入会費がなくても毎月の会費が1万円なら、1年間通えば12万円の出費となります。
ジム1年間の会費でロードバイクが買える
ロードバイクの値段はピンキリですが、初心者クラスのものなら10万円程度から購入できます。つまり、ジムに1年間通う費用でロードバイクが手に入るというわけです。また、ロードバイクで通勤するなら、毎日自転車ダイエットができるだけでなくうまくいけば職場から支給される交通費が浮くこととなり、一石二鳥です。
体重の重い人がロードバイクを選ぶ際の注意点(4つ)
体重の重い人は本当にロードバイクに向いていないの?
体重の重い人はロードバイクにむいていないといわれる理由のひとつに、カーボンや軽量アルミフレームは重量で折れたり破断しやすいのでクロモリフレームがいいという考え方があります。しかし、カーボンやアルミ、クロモリの中で最も剛性の高いのはカーボンになり、あまり根拠がない説だといえます。
注意すべきポイントもあり
このように体重の重い人がロードバイクに向いていないといわれる理由には根拠のないものもたくさんあります。とはいえ、ロードバイクを選ぶ際には、一般的な体重や体格の人とは違ったポイントに注目する必要があるのも事実です。ここでは、そんな注意点を紹介していきましょう。
注意点① 自転車メーカーの体重制限値に注意
自転車メーカにおける体重制限値は、120㎏程度と定めているか体重制限値を設定していません。ただこの数値はあくまでも適正な乗り方をしている場合で、何かにぶつかったときや事故を起こした時などには、簡単にフレームが折れたり曲がったりすることがあります。シートポストも体重の重みで折れてしまう可能性も否定できません。特にカーボン製のシートポストは要注意です。
自転車メーカーの定める体重制限値
- ジャイアント 129㎏
- スコット 110㎏以下を推奨
- スペシャライズド 125㎏
- トレック 125㎏
- キャノンデール 126㎏(カーボンフレームロードバイクの場合)
注意点② アルミフレームに注意
アルミフレームは劣化しやすい
アルミフレームは金属疲労を溜め込んで劣化しやすいといわれ、劣化すれば剛性が下がってしまいます。金属疲労の原因は熱や直射日光などさまざまですが荷重もそのひとつです。つまり、体重が重ければフレームに掛かる荷重も大きくなるので、体重の軽い人より劣化の度合いが早くなるというわけです。
アルミフレームの特性も知っておこう
しかし、劣化の具合を体感するのは困難ですし、劣化によってフレームが壊れるといったケースもほとんどないのでさほど気にする必要はありませんが、選択の際に、アルミフレームには軽さと金属疲労の特性があるということも知っておくといいかもしれませんね。
注意点③ ホイールに注意
軽量ホイールは要注意!
ハイエンドモデルのロードバイクには、最初からアルミやカーボンといった軽量ホイールが装着されていることが多いです。しかし、あまり軽いホイールの場合は、体重が重い人が乗るとスポークが折れてしまう恐れがあります。また、高級なホイールではライダーとバイク、荷物を合わせて90㎏以内や100㎏までといった重量制限を定めているものもあります。
グレードの低いホイールも問題あり
逆にノンブランド製品はもちろん、ブランドメーカーのロードバイクでも最安モデルとなるとグレードの低い社外品ホイールを装着しているケースも珍しくありません。グレードの低いホイールもまた耐用重量が低く、剛性も劣ります。
交換するならこだわらなくても大丈夫
体重が重い人の場合は、スポーク数が少なめのホイールや軽量過ぎるホイールのロードバイクは避けたほうが無難です。ただし、ホイールはバイク購入ののちでも簡単に交換できるので、そのホイールをずっと使い続けるつもりでなければさほどこだわる必要はないともいえるでしょう。
注意点④ タイヤの消耗
体重が重いとタイヤへの負担は大きい
体重の重い人がロードバイクに乗った際、普通の体格の人よりタイヤの消耗が早くなります。その理由は、タイヤにかかっている過重が大きいからというよりも、ブレーキング時のタイヤへの負担が大きいからです。
消耗の低いタイヤを選ぼう
ブレーキ力はタイヤと地面の摩擦力によって生じさせます。軽自動車よりトラックのほうがブレーキをかけたときのタイヤへの負担が大きいのと同じく、体重の重い人のほうがタイヤへの負担が大きいため消耗も早いのです。したがって、摩擦力に対応したタイヤを装着したモデルを選ぶといいでしょう。ただしタイヤは消耗品でいずれ交換するので、さほど気にする必要はないともいえます。
次ページでは、体重の重い人がロードバイクを選ぶ際のコツを紹介!