パワーメーターとは?
「ロードバイクで速く走りたい」とトレーニングに励むライダーに、大いに支持されているのが測定器「パワーメーター」です。パワーメーターは以前からプロライダーにとっては当たり前のものでしたが、近年になって一般のライダーにもなじみ深いアイテムとなっています。ペダルなどに取り付けることで、さまざまな情報を得られます。
パワーメーターのコンセプト
パワーを数値化
パワーメーターとは、自転車のペダルを踏み込んだ力を測定する計器です。この力を数値化することで、自分の自転車のペダルを漕ぐ際に、どれくらいのパワーを使っているのかが明確になります。ライド中の自分のパワーがリアルタイムにチェックできますし、ライド後にはそのデーターが確認できます。
効率的な走りのためのデーターがわかる
データーからはコンディションやどれくらいのパワーをどのような場面で使っているか、さらに疲労の度合いなども判断できます。これらにより自分の走りの質や癖を知ることができ、より速く走るための効率的な走りやペダリングを生み出せるというわけです。
パワーメーターの仕組み
パワーメーターは、クランクやペダル、ハブなどにセンサーを組み込んで、ペダルを踏み込んだ際に生じる金属の伸びや歪みなどを感知して電気信号を発信します。発信された電気信号は、出力単位を「ワット(W)」に数値化、そしてペダルの1分当たりの回転数であるケイデンスに掛け合わせてパワーを測定します。測定されたパワーの値は、サイクルコンピューターやその他のデバイスとの通信でつながります。
パワーメーターの機能
パワーメーターの主な4つの機能
- ペダリングの際のパワーの測定
- ペダルに伝わる踏力効率の測定
- ペダリング時に掛かる力の向きや強度の表示
- ライド時のデーターをログでパソコンやスマホに記録・解析
パワーメーターで得られるもの
気づきにくい自分の癖を知ることができる
パワーメーターの持つ機能により、自分の走りの質が視覚化できます。また、誰もが走りの「癖」を持っていますが、なかなか自分では気づきづらいものです。それを発見し改善することで、より効果的・効率的な走りができるようになるでしょう。
明確で正確なデーターが得られる
ロードバイクのトレーニングアイテムとして、ケイデンスセンサーや心拍計を使っている人もたくさんいます。パワーメーターで得られるデーターは、それらと比較して、より明確かつ正確、そして具体的に、走りを示してくれます。また、自分の力を数値化することで、ペース配分の目安をつかみやすいというメリットもあり、多くのライダーが、トレーニングだけでなく普段の走りにおいても、取り入れるようになってきています。
パワーメーターの3つのタイプ
パワーメーターは、取り付け位置の違いによって、3つの種類に大別できます。
① クランク取り付けタイプ
もっともポピュラーなパワーメーターが、クランク取り付けタイプです。左右両方でのクランクの歪みを計測するものと、片側のクランクの歪みだけで計測するものの2種類があります。ただ、クランク一体型はもちろんのこと、カスタムなどでクランクの長さを変えるケースでも、パワーメーターの買い替えが必要となるのは、金銭面においてデメリットと感じる人もいるはずです。
② ペダルタイプ
ペダルタイプは、ペダル軸にセンサーが組み込まれています。ペダルを踏み込んだ時のペダル軸の歪みを計測するのですが、踏み込んだ時の力が最初に伝わる部分のため、誤差が少ないのがメリットです。取り付けも簡単ですが、ルック KEO系のクリートのみの対応なのはデメリットといえるでしょう。
③ ハブタイプ
センサーをホイールのハブ軸に組み込んだのが、ハブタイプのパワーメーターです。ペダルを踏み込んでチェーンがスプロケットに掛かったときに生じるハブの歪みによって、測定します。最初からこのタイプのパワーメーターが組み込まれたホイール以外の、市販のホイールへの取り付けは簡単ではありません。特に初心者には難しく、ショップに依頼することになって新たな出費が生じるのは、デメリットとなり得ます。
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