4iiii(フォーアイ)とは
4iiii(フォーアイ)は、カナダ、アルバータ州に本社を構えるパワーメーターのブランドです。クランクアームの歪みをセンサーが検知して、出力値を計測するクランク式のパワーメーターをリリースしており、UCIプロチームのサポート実績や、コストパフォーマンスの高さが、海外で高い評価を受けています。
2019年より日本で展開
日本での販売店舗がなく知名度が低いブランドでしたが、2019年9月よりトライスポーツ社が取扱いを始めたため、国内でも入手可能となった4iiiiのパワーメーターは注目のブランドです。
4iiiiの特徴①高精度で高機能
4iiiiのパワーメーターは、出力値の誤差±1%とデータエラーが少なく精度の高さが特徴です。出力値の精度は、トレーニングの強度やペースを管理するための重要なポイントです。クランク式パワーメーターをリリースしている他社ブランドの中で、トップクラスの精度を誇る歪みセンサーが、防水・防塵性を備えた10グラム以下の軽量な本体に埋め込まれています。
機能面も充実
4iiiiのパワーメーターは、パワー表示ができるガーミンEdgeシリーズなどのサイクルコンピューターとの同期はもちろん、スマホアプリとの接続、マグネット不要のケイデンスセンサー内蔵と機能も充実しています。
主な仕様
- 誤差±1%(0°C〜50°Cの温度で精度を維持)
- IPX7防水規格
- PRECISION:9グラム / Podiiiium:7.5グラム
- Ant+通信
- Bluetooth接続
- ケイデンスセンサー内蔵(スピードセンサーは内蔵していません)
4iiiiの特徴②選択肢が豊富
4iiiiのパワーメーターは、バッテリーの仕様を選べます。コイン型電池仕様の「PRECISION」は、長時間の動作に対応し、充電式仕様の「Podiiiium」は、本体を薄型にすることで、左クランクと隙間が狭いエアロフレームに対応しています。双方、同価格のため目的に合わせて選べます。そして、片側計測の左クランクモデルだけでなく、左右それぞれの出力を測定できる両側計測のクランクセットモデルもリリースしています。
対応できる幅が広い
4iiiiは、これまでシマノ製品を中心としていた対応クランクも、カンパニョーロ、FSA、キャノンデールと少しずつバリエーションを増やしています。また、手持ちのクランクを工場に送り、4iiiiのパワーメーターを後付けすることもできるため、シマノ旧シリーズのアルテグラ(6800)、105(5800)のクランクに対応しており、選択肢が豊富です。
PRECISIONとPodiiiiumの特徴
- PRECISION
・バッテリー:2032コイン型電池
・動作時間(目安):100時間
・本体厚み:7.5mm - Podiiiium
・バッテリー:充電式バッテリー/マイクロUSB
・動作時間(目安):60時間
・本体厚み:7.15mm
4iiiiの特徴③評価が高い
4iiiiのパワーメーターは、プロチームのトップカテゴリに位置するUCIワールドツアーチームなど、さまざまな自転車チームのサポートをしている実績があります。レースは、気圧の変化が激しい標高差1,500m以上の超級山岳、激しい振動を受けるヨーロッパの石畳、雨天時の泥にまみれるオフロードといった厳しい環境です。その環境で精度と耐久性を発揮している点が評価されています。
サポートチーム
- ユンボ=ヴィスマ
- ボーラ=ハンスグローエ
- クイック=ステップ フロアーズ(現:ドゥクーニンク=クイックステップ)
- 英国トライアスロンチーム
- MTB、シクロクロスチーム
など
4iiiiの特徴④低価格
4iiiiのパワーメーターは、3万円台からの価格で導入できます。片側計測の左クランクモデル「PRECISION / Podiiiium」は、他社のパワーメーターブランドに比べて、およそ半分のコストで導入できる点は注目です。格安パワーメーターと呼ばれる、空気圧やスピードから出力値を求める製品もありますが、低価格で精度も高く本格的なパワートレーニングができるクランク式パワーメーターを求めるなら、4iiiiがおすすめです。
片側計測・左クランクモデルの価格比較(シマノ105シリーズの場合)
- パイオニア 74,800 円(税別)
- Stages Power 64,800円(税別)
- 4iiii 37,800円(税別)
4iiiiの使い方①初期設定も簡単
4iiiiのパワーメーターは、片足計測の左クランクのみであれば、30分程度で交換と設定が可能です。ここでは、クランクの交換、同期の手順などのやり方を解説していきましょう。
クランクの交換(シマノの場合)
- クランクの締め付けボルトを2本緩めます。
- シマノクランク取付工具(TL-FC16)を使用してキャップを外します。
- クランク接合部分にある抜け防止の爪を外します。
- 4iiiiのパワーメーターが付いたクランクと交換します。
あとは、逆の順番で締め付け作業を行えば交換が完了です。工具がない、交換に不安がある場合はバイクショップへの持ち込みを推奨します。
同期設定(ペアリング)
- iOS、またはAndroid対応のアプリをダウンロードします。
- スマホ側のBluetoothをONにします。
- スマホをクランクに近づけて、クランクを回すとアプリ上で4iiiiのパワーメーターを認識します。✳︎5桁のAnt +IDが表示されると同期(ペアリング)が成功です。
- ガーミンEgdeシリーズなどのサイクルコンピューターと同期(ペアリング)します。✳︎ガーミンの場合、パワーメーターを認識するとダンベルの絵文字が表示されます
- クランクを回してサイクルコンピューターのパワー表示に数値が反映されると同期(ペアリング)成功です。
校正(キャリブレーション)
- スマホアプリが4iiiiのパワーメーターを認識していることを確認します。
- アプリにある「Zero Offset」をタップします。
- クランクを12時・6時の位置にするよう指示があり、タップすると「Successful」が表示され、校正(キャリブレーション)が完了です。
ガーミンEgdeシリーズは、サイクルコンピューター側からでも校正(キャリブレーション)を行うことが可能です。以上で、初期設定は完了です。
4iiiiの使い方②ライド前にやること
スマホアプリからパワーメーターの状態を確認することを推奨
ライド前には、できる限り校正(キャリブレーション)を行います。パワーメーターは精密機器のため、気温差や標高差、ホイールやスプロケットの交換によって出力値に誤差が生じる可能性がありますので、乗る前の校正(キャリブレーション)は重要です。
スマホアプリからパワーメーターの状態を確認することを推奨
スマホアプリは、ファームウェアの更新通知やバッテリー残量がパーセンテージで表示されるため、電池の交換・充電のタイミングが分かりやすく便利です。4iiiiのパワーメーターをベストな状態で使用して、ライドやパワートレーニングの管理・分析につなげましょう。
4iiiiのインプレ
片側計測の左クランクモデル、コイン型電池仕様「PRECISION」のインプレ
「PRECISION」のインプレ①見た目
左クランクアームの裏側にパワーメーターの本体があること、ケイデンスセンサーやマグネットを装着する必要がなく、見た目がとてもスマートです。
「PRECISION」のインプレ②出力値データ
出力値の検知、パワー表示への反応は良好で、ガーミンEdgeシリーズとの通信は安定しています。出力値の増減が激しいインターバルメニューやレースでも、異常に高い出力値が検知されるようなエラーデータがほとんどなく、データ補正のストレスなく分析・トレーニングの管理ができます。
「PRECISION」のインプレ③雨の日
雨のライドも問題ありません。精密機器のため、高圧洗浄機を使用したパワーメーターの洗車や、荒れた天気のときは注意して下さい。ただし故障した場合でも、1年間の保証があるのは安心です。
まとめ
シマノ FC-R9100-P パワーメーター内蔵 52X36T 170.0mm 11S 付属/TL-FC40 IFCR9100PCX26 左右セット
参考価格: 165,930円
所有する満足度からみると、簡素な本体、控えめなブランドロゴは、物足りなさを感じる部分があります。しかし、シンプルで実用を重視したプロも認めるパワーメーターであること、自転車をもっと楽しむためにパフォーマンスを向上させる目的であれば、4iiiiのパワーメーターは、満足できるパワーメーターです。
4iiiiのパワーメーターは、コストパフォーマンス最強!!
- 高精度なのに低価格なパワーメーター
- UCIプロチームが認めるパワーメーター
- 組みつけ・設定が簡単なパワーメーター
- 初心者から競技志向のサイクリストを満足させるパワーメーター
出典:筆者撮影