700cタイヤとは
ロードバイクやクロスバイクのタイヤサイズの大半は「700c」です。一方で、シティサイクルのタイヤサイズは多くが26~27インチです。シティサイクルの26インチはタイヤの直径サイズですが、700cの700もまたタイヤの直径サイズで、直径700mm前後のタイヤを意味します。
700cとは規格の種類
700cの「c」は単に規格の種類を表す記号です。以前は700c以外にリム幅によって700aや700bといった規格のタイヤもあったのですが、700cだけが残った状態となっています。現在人気の高まっているグラベルロードなどには、空気の多く入る650bのタイヤが装着されることが多いです。
最近は35cや38cも人気
スポーツタイヤのサイズは「700×25c」と表記されることが一般的で、この後ろの「c」はタイヤ幅です。つまり25cなら25mmのタイヤ幅というわけです。このように、タイヤのサイズは直径とタイヤ幅が表記されています。最近はグラベルロードの出現で、35cや38cさらには40cといった太いタイヤも人気です。
650cタイヤもあります
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクのタイヤのほとんどは700cが装着されていますが、その理由は日本人の大人が乗りやすい大きさに加え、運転しやすい点です。小柄な人や女性向けには、700cとは違う650cタイヤを装着したモデルもあるので、自分の身長に合わせて選ぶこともできます。
700cタイヤと27インチタイヤの関係性は?
700cタイヤの大きさは、よく「27インチタイヤ程度のサイズ」と表現されることがあります。この2つのタイヤサイズの関連性をチェックしてみましょう。
700cと27インチの大きさの違い
700×23cタイヤの直径は670mmです。一方、27インチタイヤの直径は685.8mmですから、わずか16mm足らずの違いしかありません。わざわざ700cタイヤと27インチタイヤなどと種類を分ける必要があるのかと思う人もいるでしょう。実際、15~20年前まではロードバイクに27インチタイヤが使われていたこともありました。
規格の違いで2つの表記が生まれた
しかし、ヨーロッパやアメリカなどそれぞれの地域で独自の規格を制定したり、ロードバイクやクロスバイクに多く使用されるタイヤ規格とマウンテンバイクやBMXなどに多く使用されるタイヤ規格の違いなどにより、2種類のサイズ表記ができたというわけです。
タイヤ・ホイールの交換はできない
たかが直径が16mm足らずの違いなら互換性があるのではないかと思うかもしれませんが、ビート部分の径が違うために互換性はなく交換は不可能です。ただし、タイヤチューブについては仏式バルブか英式・米式バルブかさえ合致すれば互換性はあるので、共有することは可能です。
700cタイヤの特徴
タイヤ径にはいくつかのサイズがあります。サイズによってそれぞれ特徴やメリット、デメリットが存在し、それらの特徴はそれぞれの自転車の特徴や個性を生むことになります。つまりタイヤのサイズによって、自転車のポテンシャルも異なるということなのです。ここでは、700cタイヤの特徴を26インチタイヤと比較してみてみましょう。
700cタイヤの特徴
タイヤの直径が大きいほど外径も大きくなります。したがって、ペダルを一回転させたときに進む距離が長くなりスピードを維持しやすくなります。また、車体と地面までの距離が長いので路面から受けるショック抑えることもできます。
小さなタイヤ径の特徴
タイヤ径が小さくなると、重量が減るので漕ぎ出しが軽くなり小回りが利きやすくなるのもメリットです。一方、スピードの維持が難しかったり路面からのショック吸収が悪かったり、小回りが利く反面で直進安定性が低下して長距離が走りにくくなるといった点もあります。
ロードバイクに700cが採用される理由
ロードバイクで700cタイヤが採用される理由は、大きな外径でスピード維持がしやすいこととショック吸収性がよいという点がロードバイクに向いているからです。漕ぎ出しの重さは変速性能でカバーできますし、レースやロングライドで小回りが利く必要性もありません。
シティサイクルに26インチが採用される理由
街乗りで使うことが大半のシティサイクルにおいて、スピードを維持しやすいことや長距離が走りやすいことより、漕ぎ出しの軽さや小回りが利くことのほうが重要です。路面からのショックは少ないに越したことはありませんが、それよりも乗りやすさが重視されているのです。
マウンテンバイクは空気の量が重要
マウンテンバイクには650bサイズのタイヤが使用されることが多いのですが、これは山道を駆けるために小回りが必要とされることや、そのためのタイヤの空気の量が多く求められることが理由です。
続いて、700cタイヤおすすめ8選を紹介!