シマノ「GRX」とはどんなコンポーネント?その特徴や魅力を解説!

シマノ「GRX」とはどんなコンポーネント?その特徴や魅力を解説!

シマノの新作コンポーネントGRXは、近年人気が高まっているグラベルロード用コンポということもあって注目を集めています。従来のロード用やMTB用コンポとは異なる点もたくさんあります。さっそく、シマノGRXの特徴や魅力をチェックしていきましょう。

記事の目次

  1. 1.シマノ「GRX」とは
  2. 2.シマノGRXのグレード
  3. 3.シマノGRXの特徴と魅力
  4. 4.まとめ

シマノGRXの特徴と魅力

https://gravel.shimano.com/

シマノGRXは、ロードコンポとMTBコンポのメリットを絶妙なバランスで掛け合わせた、非常に完成度が高くこれまでのコンポとは異なるまったく新しい機材です。そんなGRXの特徴と魅力について詳細を見ていきましょう。

特徴と魅力①フロントシングルのラインアップ

グラベルに大きなチェーンリングは不要

グラベルシーンにおいて、高速域でガンガン走行することはほとんどなく、それより中~低速域で過不足なく使えることが重要です。そんな状況においては大きなチェーンリングは回せないことから、必要ないといえます。そのため、メイングレードにはフロントシングルもラインアップされています。

メリットがいろいろ

フロントシングルには、フロントディレイラーがないので車重が軽くなる、シフト操作が右手だけなので簡単になる、走行中にフロントとリアのギアの組み合わせを考えなくていい、チェーン落ちのリスクが減るといったメリットがあります。

特徴と魅力②ギア比が広い

あらゆるシーンに対応可能

特徴のひとつに、最大ギア比と最小ギア比のカバー域がかなり広い点が挙げられます。フロントダブルの場合のクランクセットは48T-31T、スプロケットが11-32Tで、高速走行を求めないグラベルシーンにおいて非常に適したギア比です。グラベルシーンはもちろん、ロングライドやヒルクライム、さらには街乗りやポタリングなどにも適したギア比といえます。

フロントシングルも問題なし

フロントシングルでは40Tと42Tの2種類あり、ヒルクライムも街乗りも問題ありません。ただしギアの間の「飛び」という点はありますが、そのあたりが許容できるなら問題はないでしょう。

特徴と魅力③全モデルに油圧ディスクブレーキ

安心の油圧ディスクブレーキ

ロードバイクにも油圧ディスクブレーキ採用の波がやってきていますが、舗装路だけでなくダートを走ることをも念頭に置いたグラベルロードにおいて、全モデルに油圧ディスクブレーキを採用したことは大いに安心感につながります。

サブブレーキ設定もアリ

グラベルシーンだけでなく、普段のライドやロングライド、ポタリングなどにおいても、油圧ディスクブレーキは引きの軽さや安定した制動力、雨天時の効きなどにメリットがあります。オプションで補助ブレーキとして使えるサブブレーキレバーもあるので、上ハンドルを持ったまま、よりリラックスして乗車できます。

特徴と魅力④スタビライザーの採用

チェーン暴れを抑制

砂利道やダートを走行すると、チェーンが上下に激しく揺れてチェーンステーに当たってしまうケースも少なくなく、最悪の場合、チェーンが外れたりチェーンステーに傷がつくリスクもあります。スタビライザーは、チェーンが暴れるリスクを防止してくれる優れた機能です。

簡単操作でON/OFF

スタビライザーはMTB用コンポでも採用されていましたが、GRXではグラベル走行への対応というわけです。スタビライザーのON/OFFはリアディレイラーに付属しているレバーを手で上げ下げするだけと簡単で、これだけでチェーントラブルが減少するのですから、非常にうれしい機能です。

特徴と魅力⑤ブレーキレバー・シフトレバー関連が秀逸

ブラケット形状も考慮されている

グラベルロードはダートでの握りやすさを考慮して、外側にハの字に開いたフレアハンドルを採用しているモデルが多いのですが、GRXのブレーキレバーもハの字のセッティングに対応した設計がされています。また、上に大きくせり出したブラケット形状は、グラベルライド時に地面から振動や衝撃を受けてもしっかりとレバーを握り込みやすくなっています。

より扱いやすくなっている

ブレーキレバーの支点(ピボット)の位置が、ロード用のSTIレバーより18mm高い位置に設定されているので、より小さな力で確実なブレーキ操作が可能となっています。またDi2のレバーでは、レバー比を変えることでパッドがローターに当たるまではすばやく、パッドに当たってからはじっくりと動くのでコントロールしやすくパワフルなブレーキフィーリングが得られます。

特徴と魅力⑥ドロッパーシートポストに対応

乗車状況に応じたシート高が重要

手元のレバーでシートポストも高さの調整ができる「ドロッパーシートポスト」機能に対応しています。ダートや荒れ地では安定性を保つためにシート高を低くするほうが好ましいのですが、そのままのシート高では舗装された道路においてはペダリング効率が悪くなります。

シート高調整がレバーひとつで可能

ダートと舗装路といった路面状況の変化において、いちいちシート高の上げ下げを行うのは面倒かつ大変です。ドロッパーシートポストは、手元のレバー操作だけで自転車に乗ったままシート高が調整できます。ただし、この機能はフロントシングルのみに対応しているので要注意です。

特徴と魅力⑦ホイールセットは2種類から選択可能

700Cと650Bが選べる

グラベルロードといっても、いつもいつもダートや荒れ地を走っているわけではないという人も多いでしょう。そんな場合、GRXのホイールセットには700Cと650Bの2種類が用意されているのもうれしい点です。

両方あればさらに楽しい

ロングライドや高速走行がしたいなら700C、ダートや荒れ地を走りたい、通勤や通学にも使用したいというなら650Bのホイールがおすすめです。また、女性や身長の低い人も650Bを選択するのもアリです。さらに状況に応じてホイールを交換すれば、1台の自転車で使い方の幅が広がります。

まとめ

https://gravel.shimano.com/

これまでグラベルロードにはロード用またはMTB用のコンポが採用されていましたが、シマノからグラベル専用コンポGRXが販売されたことで、今後グラベルロード市場は大きく変化するはずです。GRXは、グラベルロードに最適な完成度の高いコンポとして広がっていくことでしょう。新しくグラベルロードの購入を考えている人はもちろん、現在所有している人も、GRXは要チェックですよ。

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近年はロードバイクの世界も多様化が進んでいて、山道や砂利などの悪路も走ることのできるグラベルロードの人気が高まっています。グラベルロードは「旅に出掛けたくなる」ロマンをかきたてるバイクといってもいいでしょう。乗った人から、その魅力の虜になっていますよ。
S.ジャイアン
ライター

S.ジャイアン

週1ペースでライド、ポタリングに出掛けています。記事を通して多くの方と自転車の楽しみを共有できればと思っています。

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