CO2インフレーターの概要
CO2インフレーターは、CO2つまり二酸化炭素を充填した小さなボンベからタイヤに空気を入れるための器具です。液体化させたCO2ガスを金属製のボンベに充填させたカートリッジと、タイヤのバルブにつないでカートリッジから空気を入れるインフレーターからなります。特に高い空気圧が必要なロードバイクのタイヤでは、多くのライダーに重宝されてきました。
出先でのパンク!空気を入れるのは2通り
みなさんがロードバイクでのライド中にパンクをした時、修理を終えて空気を入れるには何を使うでしょうか? 運よく近くに自転車店があればいいですが、そうしたケースは多くありません。なので、たいていのライダーにとって、自力で空気を入れるための道具はライドには欠かせません。その一つが小型の携帯ポンプであり、もう一つが今回紹介するCO2インフレーターです。
CO2インフレーターのメリット
携帯ポンプも確かに便利ですし、万が一のパンクにはとても頼もしいアイテムであることは間違いありません。それでも多くの点でCO2インフレーターには多くのメリットがあり、それゆえに多くのライダーやサイクリストに愛用されているのです。
メリット①小型・軽量・荷物が少ない
CO2インフレーターの魅力は何より小型で軽量なところです。インフレーター本体だけでも非常に小さく46〜14g、ボンベは16〜25gの手のひらサイズで、ポケットにもツールボックスにも収まります。インフレーター本体と16gのボンベを2つでも、46〜80gです。携帯ポンプはコンパクトなものでも70〜100g以上なので、いかに軽いかがわかりますね。
メリット②早い・簡単・手間いらず
そして一番のメリットは素早く簡単に空気を入れられることです。携帯ポンプも最近は小型軽量な製品がたくさんありますが、一回で入る空気の量は少なく、走れるレベルまで空気を入れるには何十回も押す必要があります。特に女性や疲れている方にはとても辛く、非常に時間と体力を消費するのがデメリットです。しかし、CO2インフレーターならそうした苦労とは無縁です。
CO2インフレーターの種類と特徴
CO2インフレーターも数少ないながらいくつかのメーカーから優良な製品が出ており、それぞれいろいろな特色があります。ボンベカートリッジの方の違いとも合わせて紹介していきましょう。
インフレーターの形状
ボンベとタイヤを繋ぐインフレーター本体にも種類があります。収納しやすいストレートタイプとL字型タイプ、ノズルやダイヤルで空気圧を調整しながら入れるタイプと差し込むだけで空気が入るタイプなどいろいろです。それぞれにメリットデメリットがあるので、よく比較して選びましょう。
ボンベカートリッジの種類
ボンベを選ぶ際、気をつけてほしいのがサイズです。ご自分が乗っているのがロードバイクかマウンテンバイクか、ロードバイクでもタイヤの太さはどのくらいかで、必要なガスの量も違います。現在発売されているボンベはだいたい16gと25gの2種類で、タイヤ径25Cのロードバイクなら16g、それよりかなり太いマウンテンバイクだと25gが使われることが多いです。
その他:ケース付・ポンプ一体型など
メーカーによっては、ユニークで便利な製品を展開しているところもあります。アルミ製のボンベケースが付いたものは、少しかさばるデメリットはあるものの、低温やけどの心配がなく、開栓したボンベも一か月は保存できる優れものです。その他にも、いざという時手動で空気を入れられる携帯ポンプとの併用型も人気のある製品です。
CO2インフレーターの使い方
その使い方もとても簡単で、一度使い慣れてしまえばその便利さを実感すると思います。高い空気圧が素早く入るので怖いと思う方もいるようですが、正しい手順で丁寧に取り扱えば特に心配することもありません。
手順①ボンベの口金をインフレーターのノズルに差し入れる
カートリッジの口金は、現在ではほとんどの製品がネジ式になっています。ここがずれるとエアもれの原因となりますので、ずれないようにインフレーターのノズルに手早く、しっかりと取り付けます。
手順②もう一方のノズルにチューブバルブをしっかりとはめ込む
タイヤチューブのバルブがしっかりと弛めてあるのを確かめたら、インフレーターのタイヤノズルをしっかりとタイヤバルブに固定します。製品によってはこの時点でエアが充填され出すものもあるので気をつけましょう。
手順③空気量を調整して空気を入れていく
チューブのバルブにインフレーターを繋ぐと、勢いよく空気が充填されていきます。たいていのインフレーターにはダイヤルやレバー、プッシュヘッドなど、空気量の調節弁がありますので、これでガス量を調節しながら入れていきます。ちょうどいい空気圧になるまでしっかりと入れていきましょう。
CO2インフレーターの注意点
そんな便利なCO2インフレーターも万能なツールではありません。使い方自体は簡単ですが、取り扱いにあたっては気をつけなくてはいけないこともあります。
注意点①タイヤチューブを正しく入れていないと破裂の危険
使い慣れていない方の失敗例で最も多いものです。チューブを交換してリムのビードからチューブがはみ出ていると、タイヤとリムに挟まった形になります。この状態に気づかず一気に空気を入れてしまうとチューブが破裂してしまいます。インフレーターというよりチューブ交換の問題ですので、ガスを入れる前にはリムにチューブがしっかり入っていることを確認しましょう。
注意点②素手厳禁!凍傷の危険あり
CO2ボンベからチューブにガスを充填すると、液体から気体に変わります。空気圧の変化と気化熱により金属製のボンベは表面が一気に冷却され、とても低温な状態になります。これに直接手で触れると凍傷になってしまうので、扱うときは手袋をするか、ボンベに保護カバーを使用しましょう。
注意点③基本は一回使い切り
タイヤにガスが入り切っても、ボンベにはまだガスが残っていることがあります。CO2ボンベは一度開口すると再利用できないのがデメリットです(同時に使うなら別です)。ボンベはその時の使い切りとなるので、余ったガスは全て放出して処分してください。なお一部の製品では一ヶ月ほど使いかけを保存できるものもありますが、その時でもインフレーターからボンベは外さないでください。
CO2インフレーターのおすすめ製品
おすすめ①TNI CO2ボンベセット(クイックスクリュー)
TNI CO2ボンベセット
参考価格: 1,670円
自転車関連製品で定評があるTNI。こちらのCO2インフレーターは、回転式でエアを調整できるタイプで23gと軽量、スペアのボンベカートリッジも付いて1300円というコストパフォーマンスのよさが魅力の製品です。
おすすめ②LEZYNE CONTROL DRIVE
LEZYNE CONTROL DRIVE
参考価格: 3,828円
こちらもダイヤル式のバルブで空気圧を調整しながら入れることができる製品です。46gと決して軽量とは言えませんが、CNCアルミで鍛造され、質感も美しいインフレーター本体は所有欲も満たしてくれます。カラーバリエーションが多いのも魅力ですね。
おすすめ③ROCKBROS CO2インフレーター
ROCKBROS(ロックブロス) co2インフレーター
参考価格: 2,599円
こちらは回転式ではなく、レバーで空気量を調整するタイプで、開栓したボンベでも1ヶ月程度保存ができるのが特徴です。アルミ製のケースを使用すれば凍結したボンベを触らなくてもすむので安全です。
とっさのパンクにはCO2インフレーターで乗り切ろう!
備えあれば憂いなしとはよく言われます。不意に起こるパンクにも素早く簡単に対応できるCO2インフレーターとボンベは、まさにライドの御守りといえます。万が一のために携帯ポンプとの併用もベストではありますが、より軽量さを求める人には、その軽さとコンパクトさは何にも変えがたい魅力なのも確かです。この機会にぜひ、あなたのポケットにもCO2インフレーターを忍ばせておきましょう。
最近ではロードバイクもタイヤが大口径化しており、28C~32Cも珍しくなくなりました。ご自分がどちらのボンベを使えばいいのかは、タイヤ径に合わせて選びましょう。なお一部メーカーでは、20gのボンベも発売されています。