自転車のメンテナンスに便利なアーレンキーとは
アーレンキーとは、クロスバイクなどの自転車のメンテナンスに使える便利な工具のことです。アーレンキーの工具は、六角レンチとも呼ばれます。アーレンキーの工具の特徴・種類や選び方・使い方について解説していきます。
アーレンキーをなぜ、六角レンチと呼ぶ?
アーレンキーは、ボルトや六角穴付き止めネジを締めたり、緩めたりする六角レンチのことです。アーレンキーと六角レンチとは呼び方が違うだけなのです。アーレンキーは、六角レンチを発明した人の名前で、六角レンチといった工具の呼び方する人もいれば、商品名で呼ぶ人がいるため2つの呼び方になります。
六角レンチは揃えておくと便利
六角レンチは、先端部分が六角形になっている工具です。六角レンチを使って締めたり、緩めたりできる六角穴付きボルトは、ロードバイク・クロスバイクなど自転車によく使う部品になります。そのため六角レンチは、自転車の調整や取り付け、取り外しに揃えておくと便利なおすすめの工具です。
アーレンキーの種類・サイズ
アーレンキー(六角レンチ)はどのような種類やサイズがある工具なのかみていきましょう。六角レンチには、L字型・T字型・Y字型・折りたたみ式・トルクスの種類があります。ロードバイク・クロスバイクなど自転車では、2・2.5・3・4・5・6mmがよく使うサイズです。
アーレンキー種類:L字型
L字型の六角レンチは、サイズが異なる6本組などセットになっているのが一般的です。両端が平な通常のL字型六角レンチと片方の先端が丸い形状のボールポイント六角レンチに分かれます。どちらのタイプも全体の形状と使い方はほとんど同じです。短い方を六角ボルトに差し込んで、長い柄の部分を手で持って回転させるトルクが効く使い方がおすすめで、簡単にネジの締めができます。
効率よく回転できる
長い方を六角ボルトに差し込んで、短い柄の部分を回転させる使い方すれば、締めが効率よくできます。ボールポイント六角レンチは、通常のようにボルトに対して垂直にする必要がなく、斜めに差し込むことが可能です。そのため、狭い場所など使うシチュエーションが増えるのがメリットです。しかし、斜めに差し込むため通常の六角レンチのようにトルクが効く使い方はできません。
アーレンキー種類:T字型
六角レンチのT字型は、手で持つ部分がT字型になっているのが特徴です。T字型には、手で持つ部分が樹脂で覆わているものやむき出しタイプがあり、樹脂で覆わているタイプは、力が入りやすくトルクが効く使い方ができるのでおすすです。T字型六角レンチは、L字型のようにセットではなく、単品になるためサイズが固定されます。
アーレンキー種類:Y字型
六角レンチY字型は、3方向にレンチが一体した形状しています。つまり、サイズが違うものが3本セットになっているようなものです。3方向共、サイズが違うので使いやすいおすすめの六角レンチです。中央部分の面積が広く手で持ちやすいのが特徴になります。
アーレンキー種類:折りたたみ式
折りたたみ式は、文字の通り折りたためられたサイズの違う六角レンチがセットになっている工具です。サイズがコンパクトになるため持ち運びに便利な工具になります。各六角レンチのサイズが小さくなるため、締めたり、緩めたりする作業性はあまりよくありません。そのため、持ち運び用として準備しておくことをおすすめします。
アーレンキー種類:トルクス
トルクスとは、形状が六角でもなく、丸でもなく、6つ角がある星型をしているネジの締めや緩めに使うための工具です。トルクスは、ロードバイク・クロスバイクなど自転車にはあまり使われていません。しかし、プラスやマイナスネジより使いやすいことからトルクスを採用する動きが高まり、6つの角を持つブレーキディスクの取り付けに使われるなど今後は増えていきますので知識として覚えておきましょう。
自転車のどの部位にアーレンキーを使うのか
アーレンキー(六角レンチ)の工具は、ロードバイク・クロスバイクなど自転車のどの部位によく使うのかみていきましょう。六角レンチは、自転車のサドル・ボトルケージ・ハンドル・ペダルの取り付け、取り外しや高さ調整する使い方します。
アーレンキーの使い方:サドル
アーレンキー(六角レンチ)は、ロードバイク・クロスバイクなど自転車のサドルの高さ調整に活躍する工具です。ロードバイク・クロスバイクの場合は、サドルの高さ調整が大事です。サドルを適正な高さにすることで、座る姿勢が変わり、風など空気抵抗を受けづらくなり、快適に走れるようになります。
サドル調整は
クロスバイクのサドルは、シートポストと呼ばれる棒とフレームで固定されています。高さ調整するには、シートポストを抜くためフレームと固定しているボルトを緩める必要があり、その緩めるのに六角レンチを使います。ロードバイク・クロスバイクでのサイクリングに出かける前に準備しておくと便利な工具です。
サドルの固定
ロードバイクのサドルを固定するシートクランプには、クイックレバー式・ボルト式があります。クイックレバー式は、六角レンチを使わなくてもレバーの開閉によって高さ調整ができます。しかし、六角レンチを使って締めるボルト式より強く締め付けることができません。
アーレンキーの使い方:ボトルケージ
ロードバイクやクロスバイクでのサイクリングでは水分補給が欠かせません。そのためペットボトルや水筒などのボトルが固定できるケージの取付けが必要です。その取り付けに六角レンチを使います。ボトルケージを取り付けることで、ロードバイクやクロスバイクに乗りながらでも簡単に水分補給ができるようになります。
アーレンキーの使い方:ハンドル
クロスバイクのハンドルをフラットにしたり、ドロップにしたりし、ハンドル交換によってカスタマイズする人も多くいます。また、ロードバイクのステムの高さ調整して走り方を変える人もいます。ステムを低くすることで空気抵抗が減らせて速く走れるようになります。そんな交換や高さ調整に便利なのが六角レンチです。
アーレンキーの使い方:ペダル
ペダリングを効率よくするために、ビンディングペダルに交換する人がいます。ビンディングペダルには、六角レンチを使って取り付けるタイプが多くあります。またペダルを軽量にして快適に走りたい人も六角レンチがあると交換が簡単にできて便利です。
アーレンキーのメーカー
ここでは、おすすめのアーレンキーメーカーについてみていきましょう。おすすめのメーカーにはドイツの「wera」、日本の「ktc」「シマノ」があります。weraは、0.16から0.31インチとロードバイク・クロスバイクなどのブレーキレバー調整によく使う0.12インチのサイズがセットになったものを提供しています。
「ktc」と「シマノ」
ktcは、4mmから8mmがセットになったものシマノは、2mmをはじめ、2.5・3・4・5・6・8・10mmとさまざまなサイズがセットになったアーレンキーをリーズナブルな価格で提供しています。
六角レンチのインチサイズとは
六角レンチには、ミリとインチサイズの規格があります。日本のJIS規格、国際のISO規格、米国のASME規格などです。JIS・ISO規格ではミリのみ、インチはASME規格になります。3つの規格共サイズ(二面幅)、長柄の長さ、短柄の長さで規定していますが、ASME規格だけ単位がミリではなく、インチになります。またメーカーごとに規格にはないサイズも提供していますので覚えておきましょう。
アーレンキーを選ぶ基準
自転車に使うアーレンキーを選ぶ基準は、サイズ・タイプ・品質です。自転車では4mm・5mm・6mmがよく使うサイズです。4mmはボトルゲージの取り付けやハンドルの固定ステムに使われています。
選ぶ基準:サイズ5mm・6mm
5mmは、ペダル・ブレーキ・変速機の固定、6mmは、チェーンと一体になっている回転体のクランク固定に使われているため4mm・5mm・6mmのアーレンキーがセットになっているものを選ぶといいでしょう。
選ぶ基準:タイプ
アーレンキーにはL字型・T字型・Y字型・折りたたみ式・トルクスのタイプがあります。揃えておくと便利なのがY字型アーレンキーです。自転車によく使う4mm・5mm・6mmのサイズのY字型アーレンキーを準備しておくことをおすすめします。
選ぶ基準:品質
アーレンキーを選ぶ上では品質も大事です。耐久性がなく、精度が低いアーレンキーを使った場合は、締め付けや緩めるときにボルトに傷つけてしまう可能性が高くなります。品質が低くものは、使い勝手もよくありません。傷つけることなく安心して使える品質の高いアーレンキーを選びましょう。
アーレンキーの使い方
基本的な締めと緩めは、ボルトのサイズに合ったアーレンキーの短い柄の方を差し込んで、長い柄を手で持って回転させることで締め緩めができます。もちろん、長い柄を差し込んでもできますが、短い柄の方を差し込んだ方が強く締め付けられたり、簡単に緩めたりできるのでおすすめです。
ドライバーのような使い方も
ボルトに長い柄を差し込んで、短い柄の部分をドライバーのように小刻みに回す使い方もできます。この使い方は、サイズが小さいアーレンキーでは、回しづらくなり作業性からすればあまりおすすめできません。
アーレンキーの使い方で知っておくこと
アーレンキーの使い方では、ボルトサイズとアーレンキーサイズを間違えないように注意が必要です。アーレンキーが、ボルトにしっかり差し込まれていることを確認してから回転させることが必要になります。ボルトを締めるときには、両手を使いましょう。両手を使うことで外れが防げてボルトを傷つけないように締め付けることができます。
自転車におすすめアーレンキー5選
ここでは、自転車におすすめアーレンキーをいくつか紹介します。おすすめアーレンキーには「ホーザン W-110 ボールポイントレンチセット」「KTCボールポイントL形ロング六角棒レンチセット 9本組」「シリカ YPSILON WRENCH」「クランクブラザーズ マルチ 10」「EIGHT ミニツール CN-M」があります。
①耐久性おすすめ:ホーザン W-110 ボールポイントレンチセット
ホーザン W-110 ボールポイントレンチセット
参考価格: 1,864円
「ホーザン W-110 ボールポイントレンチセット」は、特殊合金を採用した耐久性に優れているおすすめのアーレンキーです。自転車によく使う4・5・6mmのサイズから1.5・2・2.5・3mmまでがセットになっているのでアクセサリーなどの取り付けにも使えます。
②豊富なサイズおすすめ:KTCボールポイントL形ロング六角棒レンチセット
KTCボールポイントL形ロング六角棒レンチセット 9本組
参考価格: 7,309円
「KTCボールポイントL形ロング六角棒レンチセット 9本組」は、1.5・2・2.5・3・4・5・6・8・10mmとサイズが豊富なおすすめのアーレンキーです。ボールポイントタイプなので斜めに使えることや1.5・2mmの小さいサイズがあるので、狭い空間でのボルトの締めや緩めに使えます。
③機能性おすすめ:シリカ YPSILON WRENCH
シリカ YPSILON WRENCH
参考価格: 4,105円
「シリカ YPSILON WRENCH」は、磁気アタッチメント付きのY字型アーレンキーです。磁気力でボルトが固定されるので、取り付け、取り外しが簡単で使いやすさがある上に、コントロールしやすい本体など機能性に優れています。
④コンパクトサイズおすすめ:クランクブラザーズ マルチ 10
クランクブラザーズ マルチ 10
参考価格: 4,458円
「クランクブラザーズ マルチ 10」は、2・2.5・3・4・5・6・8mmの六角レンチとトルクスにドライバーがセットになっている折りたたみタイプです。コンパクトサイズながら、耐久性の高い高張力鋼(こうちょうりょくこう)を使っているので安心して使えます。
⑤サイクリングにおすすめ:EIGHT ミニツール CN-M
EIGHT ミニツール CN-M
参考価格: 2,539円
「EIGHT ミニツール CN-M」は、軽量で超コンパクトサイズなのでサイクリングの携帯用としておすすめ工具です。2・3・4・5・6mm六角レンチの他に、ネジ締めができるドライバーや、斜めに使えるボールポイントなど6種類がセットになっています。
アーレンキーに似たラチェットとは
アーレンキーに似たラチェットレンチという工具があります。ボルトに限らず円形ナットを締め付けるのに便利な工具です。締め付けと緩めができるのがアーレンキーで締め付けのみがラチェットレンチと大きな違いがあります。ラチェットレンチは、一方向の回転しか力が伝われないようになっていて、反対に回転させようとすると空回りする仕組みになっています。
アーレンキーの知識を深めて自転車に有効に使いましょう
自転車のメンテナンスやカスタマイズに便利な工具としてアーレンキー(六角レンチ)があります。アーレンキーは、自転車のサドルの高さ調整、ペダルやハンドルの交換、サイクリングに欠かせないボルトゲージなどのアクセサリーの取り付けなどに便利です。アーレンキーにはいくつかの種類があり用途に応じて使い分けるといいでしょう。自転車によく使うサイズのアーレンキーを揃えて有効に使いましょう。