カーボンクリンチャーのデメリット
普段使いのホイールとしてもおすすめできるカーボンクリンチャーですが、デメリットもないわけではありません。選択の際には、それらもしっかり認識することも重要です。
デメリット①価格が高い
安くなったとはいえ…
以前に比べると手頃にはなってきたとはいえ、アルミと比較するとまだまだ高価です。ひと言でカーボンとはいっても製品によってクオリティには大きな差があるので、安価なカーボンモデルの場合には耐久性や剛性などの品質に不安がないとは言い切れないのが実情です。
価格と性能のバランスが重要
かといって、ハイエンドモデルとなるとミドルクラスのロードバイクが購入できるほどの価格となってしまいます。カーボンクリンチャーを選ぶ際には、性能と価格のバランスをしっかり見極めることが大切です。
デメリット②ブレーキングに要注意
雨に弱い
カーボンクリンチャーは構造上や素材の特性上、ブレーキングに注意が必要という点が最も大きなデメリットでしょう。まず、リムブレーキの場合はブレーキシューをリムに押し付けた摩擦によって制動するのですが、雨天時には樹脂を固めたカーボンはアルミに比べて摩擦が減って制動力に劣る面があります。
熱に弱い
次に、リムにブレーキの際に発生する熱がこもる点です。アルミでもブレーキング時には熱が発生しますが、リム全体に広がって放熱されるのに対して、カーボンは熱伝導性が悪いためにこもってしまいやすいのです。そのため、長いダウンヒルでブレーキをかけ続けるとカーボンに熱がこもって表面が剥離したり、最悪の場合リムが溶けてしまう危険もあります。
ブレーキシューの交換で解決
こういった事態を避けるためには、リムにブレーキシューを当てる時間を短くするために強めのブレーキングで速度を落とすといった対策が重要です。また、カーボンホイール専用のブレーキシューを使用することで雨天時の問題と併せて対応できるでしょう。
ラテックスチューブは使わない
さらに、ラテックスチューブはNGという点も覚えておきましょう。ラテックスチューブは熱に弱いので、熱のこもりやすいカーボンの場合には溶けたりバーストするリスクがあります。必ずブチルチューブを使用しましょう。
どんなカーボンホイールでも起こり得る
多くのホイールには「ラテックスチューブNG」の記載がありますが、書かれていなかったとしても使用するのは避けたほうがいいでしょう。これはカーボンの特性なので、有名メーカーであってもホイールのグレードが高くても起こり得る問題です。
特にディスクロードにはカーボンクリンチャーを
レースにも普段使いにもOKなカーボンクリンチャーは、カーボンの高い性能と多くのライダーにとって馴染み深いクリンチャーという2つの特徴を併せ持ちます。特にこれからのロードバイクの主流となるであろうディスクブレーキモデルであれば、ブレーキに関するデメリットが解消されるのでさらにおすすめです。
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軽量というイメージのあるカーボンですが、リムハイトの低いアルミクリンチャーとカーボンクリンチャーとでは重さがさほど変わらないモデルも少なくない反面、価格はカーボンのほうがかなり高いという点も認識しておきましょう。