ボトムブラケット「SM-BBR60」とは
SM-BBR60とは、ホローテックⅡクランクに使用される、JISまたはイタリアン規格のボトムブラケットです。ボトムブラケットには、たくさんの規格がありますが、違う規格のボトムブラケットを購入すると、取り付け出来ませんので、自分のロードバイクのBB規格を確認してから、適合するものを購入しましょう。
グレードはアルテグラと105の共通
SM-BBR60のグレードは、アルテグラと105の共通となり、前作「SM-BB6700」と比べて、耐久性を損なわずに、回転抵抗は半分ほどに低減されています。
BB-R9100との比較
シマノではデュラエースグレードのBB-R9100と、ティアグラグレードのBB-RS500Bという商品もあります。回転抵抗の低減と軽量化を狙って、ボトムブラケットをデュラエースグレードのBB-R9100に交換する方は多いのですが、SM-BBR60の方が、耐久性に優れており長期間使用できます。これは、ベアリングの径が大きい為です。また、回転性能も新品では重く感じますが、しばらく使用するとスルスルとよく回るようになり、この状態が長続きするのです。
脱着に必要な工具
工具①シマノ TL-FC32 ホローテックII BBユニット取付工具
シマノ TL-FC32 ホローテックII BBユニット取付工具 ハーフオープン フラットタイプ Y13009210
参考価格: 1,382円
工具②シマノ TL-FC36 ホローテックII BBユニット取付工具
シマノ TL-FC36 ホローテックII BBユニット取付工具 オフセットタイプ グリップ付 Y13098000
参考価格: 4,270円
シマノでは、上記2種類の工具を出していますが、TL-FC36の方が長いので、力をかけやすいです。また、オフセットもついているので、工具を回したときにフレームにぶつかりにくいので、値段は倍以上違いますが、こちらのほうがおすすめです。
SM-BBR60を単品で購入すると、TL-FC25が付属しますが、完成車についているボトムブラケットを分解清掃した後に、再利用する場合は、こちらの工具も購入しましょう。
「SM-BBR60」の外し方
外し方①JISの場合
それでは早速、取り外し方法について解説していきます。ホローテッククランクは、取り外してあることが前提となります。まずは、上の写真のように、TL-FC36(または32)に、TL-FC25をセットします。ツバの付いている方が、フレーム側です。
自転車の進行方向右側は、逆ネジになっている事に注意して緩めます。かなり強く締まっているので、勢い余って手を怪我しないように、また、自転車自体に無理な力がかからないように、気をつけましょう。クイックリリースを保持するタイプの、ディスプレイスタンドで作業をすると、力をかけた時に不意にスタンドが外れて、自転車が倒れる恐れがあります。
作業時の注意点
フレームをクランプするタイプの作業台も、力をかけるとクランプした部分にダメージを負うことがありますので、力をかける時は、作業台から下ろしましょう。
外し方②イタリアンの場合
工具の使い方は共通ですが、左右とも正ネジになっています。大抵、右側には強力なネジ止め材が塗ってありますので、さらに緩み難いことがあります。どうしても緩まない場合は、クロモリなどの鉄フレームおよびアルミフレームでは、ドライヤーやヒートガンなどで温めるのも有効です。カーボンフレームは温めてはいけません。
「SM-BBR60」の取り付け方
取り付け方①まずは掃除をしよう
ボトムブラケットのネジは普通のネジに比べて、高トルクに対応する為に山が低く、ピッチ(ネジ山の間隔)が細かいネジです。ここに砂粒や金属片などが付着している状態で締め込むと、ネジ山を破損してしまう原因になるので、丁寧に掃除をしましょう。クロモリ等の鉄フレームは錆が発生していることがあります。錆は錆を呼びますので、丁寧に除去しましょう。
取り付け方②締め付けトルク
ボトムブラケット内部は、フレーム内に侵入した水が溜まりやすい場所です。そのため、ネジ山に耐水性グリス(デュラグリス等)を付けてから、回転方向に注意して取り付けます。ウォーターシールドも忘れずに入れましょう。シマノの指定トルクは35〜50N·mとなっていますが、TL-FC36(32)では、トルクを計測することはできません。
トルクの目安
トルクとは「長さ✕力」ですので、工具の長さを0.2mとすると、腕にかける力が200N(20kg)で40N·mとなり、大まかな締め付けトルクを知ることができます。後はクランクを取り付ければ完成です。
まとめ
いかがでしたか?「SM-BBR60」について詳しく解説しました。こちらは性能、耐久性が向上したボトムブラケットです。自分のロードバイクのBB規格を確認することと、回転方向に気をつけて作業する事を覚えていれば、意外と簡単に脱着できます。自分のロードバイクを自分で整備できれば、ますます愛着も湧きますよね。それでは、よいサイクルライフをお過ごし下さい!
出典:写真AC