自転車のチェーンとは
チェーンは自転車の駆動力となるパーツです。チェーンの種類によって走りやすさが変わり、チェーンに汚れや錆があると効率良く進むことが出来なくなります。そのため、自転車において重要なパーツの1つと言えます。
自転車のチェーンの規格
自転車のチェーンには、「1/2×1/8インチ」と「1/2×3/32インチ」のサイズ規格があります。それぞれのサイズの特徴について紹介します。
規格①1/2×1/8インチ
1/2×1/8インチ規格は、ピスト車(競輪用に用いられるスポーツ用自転車)や実用車、BMX(BMXという自転車競技に使用される自転車)に用いられ、一般的な自転車に用いられることは少ないです。以前は、シングルスピード(変速機能がないタイプの自転車)のギアは「厚歯」といって厚みがあったため、チェーンも厚歯に適したこの規格が用いられていました。しかし、現代のシングルスピードの自転車の多くは薄歯のチェーンが使われています。
規格②1/2×3/32インチ
1/2×3/32インチ規格は、ロードバイクのような変速用の自転車の規格です。また、シングルスピードの自転車もほとんどこの規格が用いられます。「薄歯」といって厚みの薄いギアの歯に適した仕組みになっています。厚歯チェーンに比べて薄歯チェーンの方が軽量であるというメリットが大きな要因です。
自転車のチェーンの種類
自転車のチェーンは規格以外にも分類があります。ローラーチェーン、ブッシュレスチェーン、半こまチェーンの3つに大きく分類されます。自転車のチェーンはピンでローラーをプレートに挟み込むという仕組みが基本にありますが、それ以外の構造や伝動の仕組みが異なります。また、長さを変える際のつなぎ方、切り方も種類によって異なります。ここでは、それぞれの種類と特徴を見ていきましょう。
種類①ローラーチェーン
ローラーチェーンは、最もよく使われるチェーンです。ブッシュやピンが挿入される穴が2つ開いた内プレートと外プレート、円柱型のピンで構成されています。ローラーチェーン伝動は高速でも静かでスムーズな伝動ができるという利点があります。また、伝動効率も優れるため寿命が長いです。
種類②ブッシュレスチェーン
ブッシュレスチェーンは、ローラーチェーンと比較すると、ブッシュがないこと以外は構造的に似ています。ブッシュ部は滑りやすい材質でできているため、ブッシュがある方が摩耗、チェーンの伸びが少ないというメリットがあります。一方で、ブッシュレスのメリットは横方向の動きに優れ、変速機能付きのタイプに使用されることが多いです。
種類③半こまチェーン
自転車のチェーンは基本的に偶数単位で長さを調整する方法ですが、この半こまチェーンは奇数単位(半こま単位)で長さを調整する方法です。そのため、細かい調整が可能で、チェーンのたるみを防ぐことができます。長さを調整する際の切り方、つなぎ方が他のチェーンと少し異なります。一般的なチェーンより重みがあり、単速のタイプに使用されることが多いです。
自転車のチェーンの選び方・特徴
チェーンはギアの段数、コンポーネント(通称コンポ)のメーカー・グレードによって種類が異なります。対応していないものを使用すると、上手く切り替わりません。また、場合によっては故障することもあるため、注意が必要です。そこで、段数やコンポ、値段についてまとめてみました。選び方に迷った際はぜひ参考にしてみてください。
選び方①段数
自転車のチェーンは総段数ではなく、「2×12」、「3×9」など、「前ギアの数」×「後ギアの数」で表示されていることが一般的です。段数が大きいほど、チェーンの幅が狭いため、サイズも小さいです。
選び方②コンポのメーカー・グレード
コンポには、初心者からレース用までグレードの違いがあります。各メーカーごとにグレードがいくつかあるため、確認する必要があります。一般的に、高いグレードのものはロードバイク(速く走ることに特化した自転車)用です。
選び方③価格
チェーン選びの方法の1つとして、価格も重要な要素ですよね。価格はメーカーやグレードにもよりますが、1000~3000円前後します。また、よくある傾向として、後ギアの数が多いほど値段が高くなります。変速の性能をより上げたければ1万円以上のチェーンも存在します。
事前に比較しておく
メーカーや販売店によってコストパフォーマンスも異なるため、購入前にインターネットなどを用いて比較することをお勧めします。ただし、価格よりもまずはご自身の自転車に向いている段数、グレードから選ぶことが大切です。
自転車のチェーン選びは重要!
チェーンによって走りやすさも大きく変わるため、慎重に選びたいところですよね。また、より速く走れる方が良かったり、よりメンテナンスが少ない方がよいなど、好みによって選び方も大きく変わります。チェーンの仕組みや選び方の基本が理解できれば、より自分の好みにあったチェーンに出会い、快適な自転車ライフを送ることが可能です。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
出典:和泉チエン株式会社