自転車の空気の入れ方をわかりやすく解説!英式・仏式・米式の違いは?

自転車の空気の入れ方をわかりやすく解説!英式・仏式・米式の違いは?

街乗り用の自転車で、空気圧に気をつけ定期的に空気入れでタイヤに空気を入れているという人は多くはないでしょう。しかし、スポーツバイクではパンクの可能性が高まるなどトラブル発生の原因となります。自転車の空気入れの使い方や正しい空気の入れ方をご紹介していきましょう。

記事の目次

  1. 1.自転車の空気入れの種類(3種類)
  2. 2.バルブの形状と空気入れの使い分け
  3. 3.スポーツバイクとママチャリの空気入れの違い
  4. 4.仏式バルブの空気の入れ方① 空気を入れる前の準備
  5. 5.仏式バルブの空気の入れ方② 空気を入れる前のチェック箇所
  6. 6.使用する空気入れの種類について
  7. 7.仏式バルブの空気の入れ方③ 実際に空気を入れる
  8. 8.空気圧に注意しておくべき理由
  9. 9.空気入れを使うときの注意点
  10. 10.まとめ

自転車の空気入れの種類(3種類)

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自転車の空気入れは、バルブの形状によって「英式」「米式」「仏式」の3つの種類にわけられます。バルブとは英語で「弁」という意味で、タイヤに空気を入れるための口金の形状のことです。タイヤにはステンレスなどの金属のホイールがありますが、そこに飛び出ている金属の口金がバルブです。

①英式バルブ

まずひとつ目が「英式バルブ」で、イングリッシュバルブ、ダンロップバルブなどとも呼ばれることもあります。ママチャリなどの一般的なシティサイクルに使用されているので、馴染みがあるでしょう。ただ、空気圧の調整が難しいため、シビアな空気圧が求められるロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクには向いていません。

②米式バルブ

主にマウンテンバイクに使用されているのが、アメリカンバルブ、シュレーダーバルブとも呼ばれる「米式バルブ」です。野山を駆け回るマウンテンバイクは、あらゆる部分に頑丈さが求められます。米式バルブは口金が太く折れにくいという特徴があるので、マウンテンバイクに適しているというわけです。

③仏式バルブ

フレンチバルブ、プレスタバルブともいわれる「仏式バルブ」が主に使用されているのは、ロードバイクやクロスバイクといったスポーツバイクです。こういった自転車は、空気圧が適正でなければパンクしやすくなりますが、仏式バルブなら空気を入れた後に微調整も可能なので適しています。ただ、5万円以下のスポーツバイク風の自転車には、英式バルブが使われているケースが少なくありません。

バルブの形状と空気入れの使い分け

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自転車のバルブ形状をチェックしよう

このように一言で「自転車」といっても、タイヤのバルブの口金の形状によって使う空気入れが異なったり入れ方が違います。バルブ形状によっては今持っている空気入れでは空気が入らない場合もあります。まず、自分の自転車のバルブ口金がどんな形状なのかをしっかり把握しましょう。

アダプターを使用してもOK

英式バルブや米式バルブの空気入れでも、アダプターを使用すれば、仏式バルブの自転車のタイヤに空気を入れることができます。したがって、英式バルブや米式バルブ対応の空気入れしか持っていない人なら、アダプターだけを購入する方法もいいでしょう。また、3種類のバルブに対応できるように最初からアダプターのついた空気入れも売っているので、それを買えば、どんな自転車の空気でも入れることができるのでおすすめです。

スポーツバイクとママチャリの空気入れの違い

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①バルブの形状が違う

スポーツバイクは空気の入れ方が複雑

これまでママチャリなどのシティサイクルしか乗ったことのない人が戸惑うことのひとつに、タイヤに空気を入れる方法がわからないという点があります。これは主にバルブの形状の違いによるものです。空気の入れ方は、英式と仏式では手順がかなり異なります。

②空気を入れる目安が違う

また、ママチャリは少しくらい空気圧が低い状態で乗っていても頻繁にパンクすることはありません。ところが、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツバイクは、きちんと空気が入っていないとパンクしやすくなるという点も大きな違いといえます。

③空気圧への注意度合が違う

スポーツバイクの空気圧はシビア

空気が入っていても、適正な空気圧でなければパンクの原因となりかねません。ママチャリの場合、乗る前に指でタイヤを押して、へこみ具合によって空気を入れる目安にする方法をとっているという人がほとんどでしょう。スポーツバイクでもタイヤのへこみ具合をチェックするのは同様ですが、さらに細心の注意が必要なのです。

仏式バルブの空気の入れ方① 空気を入れる前の準備

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では、ここでロードバイクやクロスバイクに多く使われている仏式バルブの空気の入れ方を紹介しましょう。

手順① バルブコアを緩める

まず最初に、バルブ口金の先端についているプラスティックのキャップを外します。これはママチャリの場合と同じで、ママチャリはそのあと、空気入れのほうの口金をバルブ先端に当てて空気を入れていきます。しかし、スポーツバイクは口金の先端にある「バルブコア」といわれるネジ部分を反時計回りに回して緩めます。バルブコアを緩めないと、いくらがんばっても空気は入らないので注意しましょう。

手順② バルブコアを押し込む

バルブコアを緩めたなら、次にバルブコアを軽く1、2度押し込みます。すると、「プシュッ!」とかなりの勢いで空気が抜けます。これは先ほど外したプラスティックのバルブキャップで締め付けられていた口金部分へ空気がスムーズに入りやすくするためです。

仏式バルブの空気の入れ方② 空気を入れる前のチェック箇所

確認① 仏式バルブに対応しているかを確認する

実際に空気を入れる前に確認事項があります。まずひとつ目が、空気入れが仏式バルブ対応のものかどうかを確認しましょう。仏式バルブ専用のものでなくても、アダプターをつけることで使用できるようになります。

確認② 適正な空気圧の目安はどれくらいかを調べる

次に、適正空気圧の値です。先ほどから何度も「適正な空気圧」といっていますが、それっていったいどれくらいなの?と思っている人もいるでしょう。自分のタイヤの側面を見てください。そこに「適正空気圧」もしくは「最大空気圧」が記載されています。その数値を目安にしましょう。ただ、表記の仕方や空気圧の単位がバラバラといったケースも珍しくありません。

確認③ 適正範囲や上限を見極める

適正空気圧の範囲が記載されている場合(例:4.5~7.0bar、100~160psi)には、空気圧はこの範囲に収まるようにする必要があります。「MAX7.0bar」などと書かれていた場合は、空気圧の上限を示しており、それを超えてはいけません。下限はその7~8割程度が目安となります。

確認④ 空気圧の「単位」は複数ある

空気圧の単位も、メーカーや製品によってさまざまです。主な表記として、bar(バール)、psi(ポンド パークスクエア インチ)、kPa(キロパスカル)、kgf/㎠(重量キログラム毎平方センチメートル)があります。単位を間違うと、実際の空気圧が異なってしまうので注意しましょう。換算方法のポイントとして、1bar =100kpa、1bar≒1kgf/㎠ といった点も覚えておくと便利です。

使用する空気入れの種類について

スポーツバイクだと空気圧計付きが望ましい

「でも、空気圧ってどうすればわかるの?」と思っている人もいるでしょう。測り方は簡単、空気入れには空気圧計付きのものもあります。前述したように、スポーツバイクのタイヤに空気を入れる時には適正な空気圧にする必要があるので、しっかりどれくらいの空気が入ったかを確認しなければなりません。ママチャリなら指で押してへこまなければOKといえますが、スポーツバイクではもっとシビアな対応が必要です。

空気圧の調整は慎重におこなう

空気がきちんと入っていないと、パンクの可能性が高くなります。逆に入れ過ぎるとチューブが破裂する恐れもあります。また、空気圧が高過ぎると硬くなり、乗り心地が悪くなります。適正な空気圧にするために、空気圧計のついた空気入れを手に入れることをおすすめします。仏式の空気入れは持っているけれども空気圧計がついていないのであれば、単体でエアゲージを購入するという方法もありますよ。

仏式バルブの空気の入れ方③ 実際に空気を入れる

手順① まず最初にバルブを押し込む

空気入れの口金をバルブに押し込みます。無理に押し込んだり、角度がついた状態で押し込むと、バルブの先端が曲がってしまうので、必ずまっすぐに押し込みましょう。この時点において、空気入れのレバーは折り畳んだ状態です。

手順② 適正な空気圧まで空気を注入する

口金をまっすぐしっかりとバルブに押し込んだなら、空気入れのレバーを立てます。こうすることで口金部分がロックされるので、空気が入れやすくなります。あとは空気圧計で数値を確認しながら、適正空気圧になるように空気を入れればOKです。かなり空気圧が高くなるのである程度の力が必要ですが、空気入れのレバーを一番上まで引き上げ、一番下までしっかり押し込むのが、入れ方のコツです。

手順③ 空気が入ったら口金を外す

適正な数値まで空気が入ったなら、空気入れのレバーを折り畳んでバルブから口金を外します。この時もバルブの先端に注意しながらまっすぐ引き抜くのがポイントです。そののちバルブコアを締め、バルブキャップを取り付ければ終了です。

空気圧に注意しておくべき理由

Photo byEM80

ここまで、ロードバイクやクロスバイクにおいてのタイヤの空気圧の重要性をお伝えしてきました。しかし、なぜ、これほどまで空気圧に注意しなければならないのでしょうか。

空気圧を調整する意味

タイヤ本来の性能を発揮するため

もちろん、適正な空気圧でなければパンクしやすいということが最も大きな点です。その他に、適正な空気圧であればタイヤ本来の性能が発揮できる点も挙げられます。

性能や乗り心地を良くするため

空気圧を調整することで乗り心地や自転車の性能を変えることもできます。空気圧を高めにすると乗り心地は悪くなりますが、転がり係数が上がり、スピードや加速性能がアップします。空気圧を低くすると乗り心地はよくなる反面、スピードや加速性能が抑えられてしまいます。

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空気圧の上げ過ぎには注意する

ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクに乗る人は、スピードや加速性能を求めて、空気圧を高めにする人が少なくありません。そうするともちろん乗り心地は悪くなります。速さだけを求めるのであればそれでもいいかもしれませんが、接地面積が少ないのでスリップしやすくなることもあります。また、地面の段差や凸凹で跳ねて、かえってスピードが落ちてしまうケースもあるので要注意です。

乗り手の体重で適正な空気圧は変わる

タイヤで指定された適正空気圧にすることは重要ですが、その数値の中で自分好みの乗り心地を見つけ出すことをおすすめします。スピードや加速を求めるのであれば高めの空気圧、乗り心地を重視するなら低めの空気圧といったこともそうですが、乗る人の体重によって、同じタイヤで同じ空気圧でも、乗り心地やスピード・加速性能が変わるのです。

自分の体格に合った空気圧を見つけよう

Photo by3194556

同じタイヤ・同じ空気圧でも、乗る人の体重によってタイヤの変形率が異なります。体重が重いほど変形率は大きくなるので、一般的に体重が重い人ほど空気圧は高めに、体重が軽い人は空気圧を低めにするといいとされています。とはいえ、人によって快適に感じる走りや乗り心地はさまざまです。適正空気圧の値の中で、空気の入れ方を変え、自分好みの空気圧を探し出してみてはいかがでしょうか。

空気入れを使うときの注意点

乗らなくても自然に空気が抜ける

ママチャリのタイヤの空気圧のチェックを定期的に行っているという人は多くはないでしょう。実際、1か月くらい空気を入れなくても、普通に走れますよね。ところがスポーツバイク、特にロードバイクやクロスバイクなどの仏式バルブのものはそうはいきません。仏式バルブには、乗らなくても、走らなくても少しずつ空気が抜けてしまうという特徴があるのです。また、細いタイヤや高圧なタイヤほど空気圧の低下は早いものです。

  • スポーツバイクとママチャリでは空気の抜け方が違う

まとめ

フリー写真素材ぱくたそ

タイヤの空気が不足していると、快適に走行できないだけでなく、パンクの危険性が高まります。ロードバイクやクロスバイクで通勤や通学をしている人もたくさんいますが、1週間に1度、せめて2週間に1度はタイヤの空気をチェックして、適正な空気圧を保つように日ごろから注意しましょう。

S.ジャイアン
ライター

S.ジャイアン

週1ペースでライド、ポタリングに出掛けています。記事を通して多くの方と自転車の楽しみを共有できればと思っています。

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