ロードバイクのブレーキ交換について
ロードバイクのブレーキを交換することにより、自分好みのロードバイクに変えることが可能です。また、ブレーキを交換は初めてのメンテナンスやチューニングをする方にはおすすめの部分です。ブレーキ本体にはいくつか種類があり、それぞれ取り付け方にも違いがあります。まずは、ブレーキの種類から確認していきましょう。
ブレーキの種類を4つ紹介
種類①キャリパーブレーキ
キャリパーブレーキとは、フォーククラウン部とシートステー上部についたブレーキキャリパーで、左右からリムを挟むことにより摩擦で制動力を発生させています。また、キャリパーブレーキとリムブレーキは同じ意味で使われることが多いので、キャリパーブレーキ=リムブレーキと理解して大丈夫です。ちなみにブレーキ本体は「ブレーキキャリパー」といいます。
「105」とは?
キャリパーブレーキを選ぶ際に「105」という言葉をみかけたら、シマノが販売しているキャリパーブレーキの商品名の「105」というシリーズを指しています。ロードレースにでる資格の一つとして”コンポーネントが105以上”という決まりもありますので、105以上のシリーズ(ULTEGA、DURAーACEなど)は信頼できるブレーキ性能がある、ということになります。購入時は目安として105以上がおすすめです。
種類②ダイレクトマウントブレーキ
ダイレクトマウントブレーキとは、キャリパーブレーキ(リムブレーキ)の一種です。しかし、通常のキャリパーブレーキとは違い、フレームへの取り付けはボルト2点留めになることです。そのため、フレームはダイレクトマウントブレーキ専用のフレームでなければ取り付けができません。
種類③Vブレーキ
Vブレーキとは、キャリパーブレーキの一種です。Vブレーキとキャリパーブレーキの違いは、2点のボルトでフレームに取り付けるのか、1点のボルトで取り付けるのかの違いです。そのためフレームには取り付け穴が2つ必要です。キャリパーブレーキと比べ、ブレーキの効きが強いのも特徴です。用途としては主にMTB、クロスバイクに使用されているブレーキです。
Vブレーキの名前について
Vブレーキといわれる基本構造をもつブレーキは古くから存在していましたが、日本ではシマノ社がブレーキの見た目とVictoryという意味にちなんで「Vブレーキ」という商品名で販売し普及しました。そのため、シマノ社以外のVブレーキでも同じ形態のものをVブレーキと呼ぶようになりました。
種類④ディスクブレーキ
ディスクブレーキとは、フォーク先端とリヤエンド部に取り付けられたブレーキキャリパーで、車輪とともに回転するローターという金属製の円盤をピストンで左右から挟み込んで、その摩擦により制動力が働く仕組みです。ディスクブレーキの種類は大きく分けて「油圧ディスクブレーキ」「機械式ディスクブレーキ」に分けられます。
油圧式と機械式の違いはオイルを用いて制御力が働くか、ワイヤーを用いて制御力が働くかの違いです。
ロードバイクのブレーキ交換に必要な道具
ブレーキ交換に必要な工具
- 六角レンチ(アーレンキー)主に2~6mmを使用する
- トルクレンチ
- 適合するスペーサー、ナット、ワッシャー
- ワイヤーカッター
規定トルクとは
各メーカー、規定トルクが定められています。規定トルクとは、適切な力でボルトの締め付けを行うための指標です。そのため、締め付ける力を測定できるトルクレンチがないとわかりません。今後も自身でメンテナンスができるように、持っていない方は準備されることをおすすめします。
ブレーキにはフロント用、リア用と違いがあるので取り付けの際は前後が逆にならないように注意してください。
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ロードバイクのブレーキ交換方法①キャリパーブレーキ
フレームフォークへの取り付け方
新しいブレーキを購入すると、フロントフォークの厚みに合わせた長さを選べるように、長さ違いのナットが複数付属しています。適合しないスペーサー、ナット、ワッシャーを使用するとフロントフォークと干渉することがあります。ブレーキを使い回しする際は、使用したいフロントフォークに適合するか、仮止めして確認してください。
キャリパーブレーキの取り付け
キャリパーブレーキのアーチを両方から握り、ブレーキシューをしっかりリムに押し当てた状態で、フォークの穴にボルトをさします。フォークの裏側から適合するナットを5mmの六角レンチを使い規定トルクで締めつけます。このときブレーキシューとフォークが干渉しないように隙間が空いているか確認してください。リアの取付け方も同じ要領で取り付けます。
フレームフォークからの取り外し方
キャリパーブレーキの取り外し方
まずは、キャリパーブレーキのクイックレリーズレバーが<開>になっている状態にしてください。ケーブル固定ネジを5mmの六角レンチで緩め、ブレーキワイヤーをブレーキキャリパーから抜きます。キャリパーブレーキはフォークにボルト1本で固定されていますので、5mmの六角レンチを使って外します。
ブレーキワイヤーの取り外し方
ブレーキワイヤーを抜くときに、インナーエンドキャップから2〜3mm上をワイヤーカッターで切断します。もし、ブレーキワイヤーを繰り返し使う際は、インナーエンドキャップのギリギリを切らないと長さが足りなくなる可能性もありますので注意してください。
取り付け後の調整
ブレーキワイヤーを調整する
調整の前にレリースレバーを<閉>の状態にしてください。ケーブル調整ボルト(ケーブルアジャストボルト)を締め切った状態にしてから、ワイヤーを通します。ブレーキレバーを握りリムとブレーキシューの間隔が2〜3mmになるように押えて、ケーブル固定ネジを5mmの六角レンチで絞めてブレーキワイヤーを固定します。
ブレーキワイヤーの微調整
ケーブル調整ナットで調整する
- 時計回り(ブレーキワイヤーがのびる)
- 反時計回り(ブレーキワイヤーが縮む)
ハンドルを左右に振り、ブレーキワイヤーの長さが適切か確認しましょう。
センターを調整する
キャリパーブレーキを取り付けた後、一度ブレーキキャリパーのボルトを緩めてから、ブレーキを握った状態でボルトを再度絞めます。この状態である程度センターはでます。その後キャリパーブレーキの裏側にある「センタリング調整ボルト」を3mmの六角レンチで回して微調整します。
- 時計回り(ブレーキシューが右に移動)
- 反時計回り(ブレーキシューが左に移動)
片効きしていないか確認する
ブレーキハンドルを握って、ブレーキシューのどちらかが先にリムに当たってしまう状態を「片効き」といいます。この状態で走行すると、ブレーキが思うように効かない原因になります。この場合はセンタリングの調整をしましょう。
ブレーキシューを調整する
ブレーキハンドルを握った状態で、ブレーキシューがリムの1mmほど下に当たるように調整します。進行方向のシューがリムに接触した際に、進行方向と逆のシューが0.5mm空く角度をつけます。この角度をつけることを「トーイン」といいます。トーインをつけるには、ブレーキチューナーという商品がありますので、初心者や初めての方におすすめします。
ブレーキシューは取り付けの向きが決まっています。間違った方向で取り付けないように注意しましょう。
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続いて、ロードバイクのブレーキ交換方法②を紹介!
Vブレーキは大きく分けてアームの長い「Vブレーキ」と、アームの短い「ミニVブレーキ」がある