ロードバイクのサドルはおしりが痛くなる!
はじめてロードバイクに乗ると、そのサドルの硬さや形状に驚く人も少なくありません。そして実際に乗り出すと、乗り心地に違和感を得たりおしりの痛みを感じる人がたくさんいます。しばらく乗っているうちに慣れて痛みや違和感を覚えなくなる人もいますが、いくら乗っていても乗り心地が気にならなくなるどころか痛みがなくならない人が多いのも事実です。
なぜロードバイクのサドルは硬いのか
ママチャリやシティサイクルといった一般的な自転車のサドルは、肉厚でおしり全体にクッションが感じられる形をしています。一方、ロードバイクのサドルは硬く薄っぺらいのが普通です。なぜ、ロードバイクのサドルは硬くて薄っぺらいのでしょうか。理由をチェックしてみましょう。
理由①軽くするため
ロードバイクは軽いほど「偉い」
ロードバイクは、速さを求める乗り物です。そして、軽ければ軽いほど速く走ることができるため、ロードバイクは「軽さは正義」といわれるほど車体の軽さにこだわります。
乗り心地より軽量化
軽量化のためには、フカフカの大きなサドルは必要ありません。クッションを取り除きできるだけ小さくすることで、乗り心地を犠牲にしてまで軽量化を目指しているのです。中には、重量が100g台でクッションのまったくないカーボン製軽量メッシュサドルもあり、人気です。
理由②ペダリング効率のため
サドルのクッション性はペダルを踏み込んだ時に力を分散させて無駄にエネルギーを消費しがち、つまり効率よいペダリングの邪魔になるというわけです。また、おしり全体が乗る大きなサドルでは、ペダリングの際に内ももにあたってしまいます。短い時間なら気になりませんが、長時間走り続けるロードバイクでは問題です。
理由③体幹を安定させるため
ロードバイクに乗る際には、体幹を安定させることが重要です。しかし、柔らかいサドルではペダリングの際におしりがしっかり固定されず、体幹を安定させることが難しくなります。体幹を安定させるためには、硬めのサドルのほうが好ましいのです。
理由④レーサーパンツを穿くため
レーパンで痛み対策
サイクルウェアには多くのメリットがあるため、ロードバイクに乗る多くの人がサイクルウェアを身につけます。レーシングパンツ(レーパン)もサイクルウェアですが、レーパンにはパッドが入っていて、このパッドがクッションの役目をしておしりが痛くならないようにしてくれます。
乗り心地より優先されるもの
サドルが硬くて薄っぺらいほうがロードバイク本来の性能を引き出すことができ、おしりが痛いのはレーパンを穿くことで防げます。どちらを優先させるということではなく、ロードバイクに乗るのであれば少々のおしりの痛みは我慢しなけばならないということなのでしょう。
ロードバイクのサドルのタイプ
ロードバイクのサドルが硬くて薄っぺらいのには、ロードバイクの持つ本来の性能を引き出すという明確な理由があります。とはいえ、やはりおしりが痛いのはなるべく避けたいものですよね。サドルには主に3つのタイプがありますが、タイプを変えることでおしりの痛みが軽減することもあり得ます。
タイプ①ベーシックタイプ
ロングライド向きのサドル
サドルを横から見たときに座面が真ん中からやや後方部分が反ってへこんでいるタイプです。へこんでいる部分におしりがホールドされるので、安定性が高くペダリングがしやすいのがメリットです。クッション性がよいため、ロングライドなど長時間座り続けるのに適したサドルです。
尿道が痛いデメリットも
一方、おしりがホールドされることで前後移動がやりにくくなるために常に股間が圧迫され、尿道などに痛みが生じるケースも少なくない点がデメリットとなり得ます。
タイプ②フラットタイプ
股間が痛くならない
サドルを横から見たときに座面が湾曲せずにフラットなので、どの場所でもポジションがとりやすく癖がないために多くの人に合います。また、座る位置の前後移動が柔軟にできることや前傾姿勢が取りやすいこと、股間や尿道の圧迫が少なく痛くなりにくいのもメリットです。
体幹ができている人向け
デメリットとしては、ポジションの移動がしやすい=姿勢が定まりにくいという点が挙げられます。したがって、体幹ができていない初心者や安定したペダリングができない人は違和感を得るケースもあります。
タイプ③穴あきタイプ
穴あきは尿道が痛くならない
サドルの中央部分に穴が開いているタイプです。穴が開いてることで股間部分への圧迫が少なくなるので、尿道や前立腺などの痛み対策に有効です。
その他の部分が痛いかも
ただ、恥骨や座骨など股間以外の部分に体重がかかることになるので、尿道や前立腺などは痛くないかもしれませんが、その他の部分が痛いという状態になる可能性があります。