自分でできるその他のメンテナンス
「タイヤに空気を入れる」「フレームを拭く」「チェーンの清掃と注油」の3つが自分でできるクロスバイクの最低限の整備なので、まずはこの3つを実践しましょう。そのうえで、初心者でもかんたんにできる整備やチェックがあります。
①サビ取り
思わぬ場所にサビは発生する
しっかりメンテナンスを行っていても、思わぬ場所にサビが発生することもあります。通勤・通学で日常的に乗っていて雨に降られる機会が多い、屋外駐輪をしているといった人ならなおさらです。サビはパーツの動きを悪くしたり劣化させるのはもちろん、見た目にもよくありません。
水分除去でサビ防止
チェーンのサビは定期的にチェーン清掃や注油をしていれば防げますが、ボディのネジ部分などにも発生しがちなので注意しましょう。サビ防止には、なるべく雨に濡らさない、雨に濡れたら小まめに水分を拭き取るくらいしか方法はありません。それでもサビが発生したら、早めにクレ556などできちんと除去しましょう。
②ブレーキシューの点検
すり減りは仕方ない
クロスバイクの多くは、リムを左右からゴムのブレーキシューで挟むVブレーキというシステムを採用しています。最近ではシューではなくパッドを使用するディスクブレーキを搭載したモデルも増えていますが、長い期間乗っているとすり減ってしまうのはブレーキシューもパッドも同じです。
チェックは1か月に1度の頻度で
ブレーキシューやパッドが摩耗するとブレーキの効きが悪くなります。ブレーキの効きは安全性にもかかわる重大な点ですから、1か月程度ごとにブレーキシューやパッドの点検をしましょう。
ディスクブレーキはかんたんではない
ブレーキシューの減り具合は、ゴムの溝のすり減り具合でチェックでき、溝がなくなってきているなら交換時期です。初心者でもかんたんできるので自分で交換している人もたくさんいます。ディスクブレーキのパッドはシューに比べると長持ちしますが、減りのチェックや交換は自分でするのはなかなかむずかしいので、ショップに依頼するのが無難でしょう。
③変速機の調整
ギアがきちんと入らない
ギアを変えたときに思った段にきちんと入ってくれない、ガチャガチャともたつく、最悪の場合チェーンが外れるといった症状が起こることもあります。変速機そのもののトラブルで生じることもありますが、ちょっとしたメンテナンスで改善するケースも少なくありません。
ギアに問題があるとは限らない
特にクロスバイクを新車で購入してしばらくすると、こういった症状が起こりやすいです。ショップに持ち込んでチェックしてもらえばいいのですが、初心者でも自分でかんたんに調整できるので実践してみてはいかがでしょうか。
ワイヤーを調整する
リアディレイラーのワイヤーがつながった部分の上についた「アジャスターボルト」という2本の小さなネジを緩めたり締めたりしてワイヤーの張り具合を調整することで、リアディレイラーの動きをスムーズにできます。
もっとかんたんな方法もあり
ただし、この調整方法はなかなかシビアで手順もややこしいかもしれません。もっとかんたんにやりたいというのであれば、ディレイラーとワイヤーを接続する部分のアジャスターネジを回す方法ならよりかんたんに調整ができます。内側への変速が悪い時にはネジを左に、外側が悪い時は右に回します。ネジは一気に回さず、少しずつ調整しながら回すのがポイントです。
クロスバイクに乗る前に毎回チェックするメンテナンス
クロスバイクを地面に落とす⁉
これなら初心者でも簡単
クロスバイクに乗る前に毎回ぜひ行ってほしい点検があります。それは、クロスバイクを持ち上げてそのまま地面に落とすというものです。自転車を地面に落とすなんてそんな荒っぽいこと…と思うかもしれませんが、ハンドルを持って地面から5cmほど持ち上げそのまま手を離すというだけなので、自転車にダメージは及びません。
異音に耳を澄ませる
特に問題がなければ自転車が地面に落ちた音が聞こえるだけですが、パーツが緩んでいたりするとカチャカチャといった異音が聞こえます。異音が聞こえたならトラブルが発生している可能性があるので、トラブルが改善するまでその自転車には乗らないことをおすすめします。自分でトラブル箇所がわからない、直せないのであれば、ショップに持って行きましょう。
愛車に長く乗るためにもメンテナンスを欠かさずに
定期的にメンテナンスを行えば、クロスバイクは快適な状態を長く保つことができます。自転車整備のスキルを身につけるためにメンテナンスのすべてを自分で行うのもいいですが、初心者や素人が手を出さないほうがいい作業も存在します。セルフメンテナンスとショップへの依頼をうまく使い分けて、愛車に長く乗り続けましょう。
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