メンテナンススタンドとは何か
メンテナンススタンドとは、ロードバイクやクロスバイク、MTBなどのスポーツサイクルの保管や整備、洗車などに使用する作業台のことです。スポーツサイクルには、一般的にスタンドが付いていませんので、整備や洗車を行う際にはスタンドが必要となります。ここでは、市販されているメンテナンススタンドの種類やその使用方法とともに、おすすめの製品を5種類、ご紹介します。
ロードバイクにメンテナンススタンドは必需品
あなたは、いまどんなスポーツサイクルにお乗りなのでしょうか。ロードバイクやクロスバイクといったスポーツサイクルには、車重軽減のためにスタンドが付いていません。一方スポーツサイクルは、その性能維持のために整備や洗車といったメンテナンス作業が必要不可欠です。そうした作業をしっかりと、でも体の負担は軽く行う。そこにメンテナンススタンドの必要性があるのです。
次にメンテナンススタンドに要求される機能について、解説します。
必要な機能①:しっかり固定して立てる
メンテナンススタンドは、修理や調整などを行うための作業台です。従って、作業の対象であるロードバイクやクロスバイクをしっかりと固定し、ぐらつくことなく立てておかなければなりません。作業の途中でバイクが揺れたり倒れたりしては、きちんとしたメンテナンスはできません。よいメンテナンススタンドにとって、「しっかり固定して立てる」機能の必要性は絶対なのです。
必要な機能②:後輪をフリーにする
ロードバイクやクロスバイク、MTBなどにとって、メンテナンスが必要なパーツ(リアブレーキ、ディレーラー、チェーン、カセットスプロケットなど)は、後輪の周辺に集まっています。またこれらのパーツは回転を加えながら、それぞれのパーツの動きを見てメンテナンスを行いますので、メンテナンススタンドにとって後輪を自由に回転させる機能もまた必要性が高いものといえます。
必要な機能③:作業が楽にできる
メンテナンススタンドに必要な機能の最後は、作業者の身体への負担軽減です。ロードバイクをしっかり固定して倒れなくすることは、作業性確保の基本です。また、ロードバイクの向きを自在に変えられたり、スタンドを上下に自由に伸縮できたりなどの機能も、作業者にとって負担軽減となります。最も作業しやすい位置にバイクをセットし、身体への負担軽減と丁寧な整備をしていきましょう。
このように、「作業者ファースト」のポリシーは、メンテナンススタンドにとって、とても必要性の高い要素なのです。
ロードバイクにおすすめのメンテナンススタンド5選
ここでは、価格・使いやすさ・信頼性・作業性などの観点から評価したおすすめ機種を、5つご紹介します。ご自身が行われるであろう整備の内容から、各スタンドが持つ機能の必要性を考え、適切と思われるモデルを検討してみてください。
ロードバイクにおすすめの機種①:ミノウラDS-80S
ミノウラ『DS-80S』は、後輪ハブ軸を挟み込むタイプのワークスタンドです。この製品の特徴はフレームのトップにあり、リアディレーラーの調整をしやすいように手が入る工夫がされています。また、クイックレバー側のカップリングが回転するため、クイックレリーズがどの位置にあってもぴったりとハブ軸を挟むことができ、簡易ではありますが、立派に作業台としての役目を果たすのです。
ミノウラ社は創業80年以上の自転車用品メーカーで、その良心的なモノづくりには定評があります。DS-80Sのメーカー希望小売価格は3,350円(消費税別)と、おサイフにも優しい製品です。
ロードバイクにおすすめの機種②:ミノウラDS-520
ミノウラ『DS-520』は、リアフック式のメンテナンススタンドであり、自転車を持ち上げてスタンドのフックに引っかけるだけ、という簡単さが最大の特徴です。またこのフックは、各100mmずつ位置を変えられますので、フレームやホイールのサイズによって後輪の持ち上がり方を調節できるようになっています。こうした細かい配慮も、老舗メーカーのミノウラらしいところです。
DS-520のメーカー希望小売価格は3,705円(消費税別)であり、その使い勝手を考えると、たいへんお値打ち品です。また、ミノウラは他にも多くの製品を発売していますので、ミノウラ・ホームページ (www.minoura.jp/)もチェックしてみてください。
ロードバイクにおすすめの機種③:エリートワークスタンド チーム
『チーム』は、イタリア・エリート社のクランプ式メンテナンススタンドであり、日本で販売される同社のスタンドではベーシックモデルになりますが、その機能は充実しています。クランプ部は360°回転するので、様々なアングルでロードバイクを固定することが可能であり、高さも92mm~1420mmの範囲でワンタッチで変えられるなど、機能性の高さが目立つ製品です。
クランプ部が回転すると、整備や洗車の時には本当に助かります。この『チーム』のメーカー希望小売価格は19,960円(消費税別)であり、その機能を考えるとバリューフォーマネーと言えます。
ロードバイクにおすすめの機種④:Tacx Spider Team T3350
『Spider Team T3350』は、オランダTacx社のフォークダウン式メンテナンススタンドです。素材はアルミニウムとプラスチックであり、重量4.65kgと、スタンドのサイズから見ると非常に軽量なので、持ち運びに有利です。また、特徴的な大きく広がる脚部は高い安定感をスタンドにもたらし、整備や洗車が楽との高い評価が、大きな脚の必要性を痛感させてくれます。
『T3350』は、プロにも多く採用されている実力機です。メーカー希望小売価格は25,980円(消費税別)。その内容を考えると決して高価ではありません。
ロードバイクにおすすめの機種⑤:エリートワークスタンド レースプロ
『レースプロ』は、『チーム』と同じエリート社のフォークダウン式メンテナンススタンドです。機能的にはTacx『T3550』とほぼ同じで、フレームもアルミ製ですが、堅牢性を重視し、負荷がかかる部分にはあえてスチール製部品を採用しています。この結果、重量は約5kgと少し重いですが、プロの世界では「壊れないこと」のほうが僅かな重さの違いより重要な要素なのです。
『レースプロ』のメーカー希望小売価格は33,990円(消費税別)であり、ここまでご紹介した製品では一番高価ですが、それがもたらす満足感も間違いなく一番でしょう。
出典:flickr _ Photo by Alison Chaiken