はじめに
ロードバイクのフレームはさまざまな素材で作られています。しかし、素材ごとで年数に差はあるものの、ロードバイクのフレームには少なからず寿命という使用期限の限界を迎えることがあります。今回は、そのようなロードバイクのフレームの寿命や、素材ごとの寿命の違いについて解説します。
ロードバイクフレームが寿命を迎える原因
ロードバイクのフレームには、寿命というものがありますが、なぜそのような寿命を迎えるようになってしまうのでしょうか? まずは、フレームが寿命を迎えてしまう原因について解説します。
寿命を迎える原因①経年劣化
最初に挙げられる寿命は、経年劣化によるものです。ロードバイクは新品の状態から、時間が経過すると少なからず経年劣化を引き起こしていきます。経年劣化の原因は、紫外線や、汗、サビなどさまざまなものに起因しています。時間が経過すればするほど、経年劣化による影響は強くなっていきます。
寿命を迎える原因②金属疲労
次にあげられる原因は、金属疲労です。ロードバイクのフレームはカーボンフレーム以外は金属で作られています。ロードバイクは走行中の振動や、ペダリング時の微妙なフレームのたわみによって、少しずつストレスが加えられています。そのフレームに対するストレスが、限界に達すると、金属疲労によって、フレームの寿命を迎えてしまうこともあります。
寿命を迎える原因③フレームへの強い衝撃
最後に、強い衝撃によって迎えてしまう寿命について紹介します。金属製のフレームであれば、ある程度の衝撃にも耐えることができますが、カーボンフレームは話が別です。カーボンフレームは路面の振動などに対しては、頑丈に作られていますが、フレームに直接的に加わる強い衝撃にはめっぽう弱いです。その衝撃によって、フレームにひびが入ってしまい、寿命を迎えてしまうこともあります。
アルミフレームの寿命の特徴
では、それぞれのフレームの寿命の特徴について解説していきます。それぞれの素材によって、素材自体の特徴も異なるため、寿命の迎え方も大きく違います。まずは、アルミフレームの寿命の特徴についての解説をします。
特徴①金属疲労による劣化を起こしやすい
アルミフレームは剛性がしっかりしており、ペダルを力強く踏み込んだときのダイレクト感のある加速が魅力的です。しかし、アルミフレームは軽量化のために、薄く加工したアルミを使用しています。そのため、繰り返される衝撃や金属自体のたわみによって、少しずつ金属疲労が引き起こされます。
特徴②5年以上使用している場合は注意が必要
金属疲労が懸念されるアルミフレームでも、新品の状態から1~2年で寿命を迎えることはほとんどありません。しかし、長い年数使用していればするほど、金属疲労によるストレスは積み重なっていきます。もし、5年以上使用している同じアルミフレームを使用している場合は、金属疲労によるフレームへのストレスも考慮するようにしましょう。
クロモリフレームの寿命の特徴
次に、クロモリフレームの寿命についての解説をします。同じ金属でできたフレームでも、アルミフレームとは大きく違います。クロモリフレームの特性にも触れながら解説していきます。
特徴①クロモリフレームは非常に頑丈
クロモリフレームに使われているクロモリは、鉄が原材料に使われています。鉄にクロムとモリブデンという物質を混ぜて作られた合金がクロモリです。そのため、普通の鉄よりもさらに強度や耐久性が高くなっています。クロモリのフレームに乗っていても、アルミのように金属疲労で寿命を迎えてしまうということはあまり見られません。そのため、長い年月乗り続けることができます。
特徴②サビには弱い
非常に強度と耐久性に優れているクロモリフレームですが、根本的には鉄なので、サビには弱いです。そのため、いくら耐久性が高いからといって、メンテナンスが不十分になったり、水に濡れたまま放置し続けたりしてしまうと、フレームがサビてしまいます。その錆びた状態をさらに放置してしまうと、耐久性が高いクロモリフレームでも寿命を迎えてしまうでしょう。
特徴③塗装の剥がれなどには注意
クロモリフレームは、サビには弱いですが、サビなどに注意していれば非常に長い期間乗り続けられるロードバイクということに変わりはありません。普通に乗っていれば、金属疲労なども気にする必要はありません。しかし、塗装の剥がれの方が先に起こる可能性はあるため、外見の変化などには注意しましょう。
次のページでは、カーボンフレームの寿命についての解説をします。