自転車はサビが発生しやすい⁉
いつの間にかサビが…
購入時にはピカピカだった自転車なのに気が付くとサビができている…といった経験を持つ人も少なくないのではないでしょうか。多くの金属パーツで作られている自転車は、定期的にメンテナンスをしないとサビが発生しやすいので要注意です。
サビはトラブルの元
サビは見た目によくないだけでなく性能も悪くし、さらには故障や最悪の場合、事故を起こす原因ともなりかねません。これは、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクといったスポーツバイクのみならず、ママチャリやシティサイクルでも同様です。
サビ対策が重要
サビを見つけたらそのまま放置しておくのではなくすぐに取り去る、そしてそのうえでサビが発生しないようにサビ防止を行うことが肝心です。愛車をいつまでもきれいな状態、よいコンディションで乗るためにも、サビ対策は非常に重要です。
自転車がサビる原因
自転車にサビができる大半は、雨が原因です。自転車が雨に降られてそのまま放置されると、雨水が空気中の酸素と反応して金属が腐食しますが、この腐食が「サビ」です。また、暑い季節に自転車に乗っていると汗をかいて自転車に滴り落ちることもありますが、汗の水分と含まれる塩分もまた、自転車をサビさせてしまいます。
自転車のサビやすい箇所とは
ここがサビやすい
自転車のパーツの中でサビの出やすいのは、チェーン、ネジ、ホイールのスポーク、ブレーキのインナーワイヤー、ギア、ハンドル、カゴなどの鉄製で未塗装の箇所が挙げられます。
特にチェーンは要注意
ロードバイクなどのスポーツバイクのチェーンにはママチャリのようなチェーンカバーがついていないので、雨に降られた際には直接濡れてしまいサビやすいといえます。一方、ハンドルやスポークは塗装されていたりステンレス素材が採用していたりとサビにくくなっているケースもあります。
自転車の簡単なサビ取り方法
簡単にメンテナンス
サビは軽度な状態であれば、意外に簡単に取ることができます。専用のサビ取り剤であれば、塗って拭き取るだけで科学的にサビを落としてくれます。また、市販の潤滑剤でもOKです。潤滑剤で有名なものとして「クレ5‐56」があります。サビた箇所に直接スプレーして数分放置したのち浮き上がったサビを拭き取れば、軽度なサビなら落とすことが可能です。
簡単とはいえ注意も必要
ただし、サビ取り剤や潤滑剤は必要なオイルやグリスまで除去してしまいます。したがって、ギアやチェーンといったパーツのサビを取った後にはオイルを塗っておかないとまたすぐにサビが発生してしまいますし、グリスが塗られている箇所付近のサビを取る際は、その部分にサビ取り剤や潤滑剤がかからないようにマスキングするなどの注意が必要となります。
自転車の頑固なサビ取り方法
進行してしまったサビは、サビ取り剤や潤滑剤をつけて拭き取るだけではしっかり取りきることはできないので、本格的な除去作業が必要となります。頑固なサビを取り除く方法の手順をパーツ別に紹介していきましょう。
チェーンのサビ取り手順
特にチェーンカバーのついていないロードバイクなどのスポーツバイクは、定期的にメンテナンスをしないとサビが生じやすいので注意が必要です。ママチャリやシティサイクルとスポーツバイクとでは、サビ取り作業の手順が若干異なることを認識しておきましょう。
ママチャリの場合
サビ取り剤や潤滑剤をペダルを回しながらチェーン全体に吹きかけてチェーンの隙間までしみ込んだなら、ワイヤーブラシでサビが取れるまでしっかりこすります。サビが取れたならウェスなどの布で拭き取って、仕上げに自転車のチェーンオイルを注せば完了です。
スポーツバイクの場合
ワイヤーブラシでサビを落とすまではママチャリと同じですが、より高性能なスポーツバイクの場合はワイヤーブラシでこすって付いたチェーンの傷を研磨剤入りの際落としクリームで磨いて滑らかにするという手順が加わります。磨いた後は、チェーンオイルを注します。
ネジのサビ取り手順
ネジはサビやすい
自転車のさまざまな部分で数多く使用されているネジは、サビやすいパーツのひとつです。小さく目につきにくいこともあるので、どこに使われているかを把握しておくことも必要でしょう。サビたネジは外しにくいだけでなく、無理やり外そうとするとネジ山がつぶれて回せなくなることもあるので要注意です。
きれいにするならいったん外そう
少しくらいのサビなら、クレ5‐56などの浸透潤滑剤を吹き付けてブラシでこすればきれいに落とすことが可能です。ただし、これは表面だけのことでネジの溝や中まで発生した場合はブラシが届かないので、一旦外してサビ取り剤を塗ってからブラシで落としましょう。
ブレーキワイヤーのサビ取り手順
ワイヤーもサビる
ブレーキワイヤーはビニール製カバーで覆われているのでサビないと思っている人もいるかもしれませんが、このカバーは経年劣化するうえに少しの衝撃で破れてしまい、そこから雨水などが入ってサビるのは珍しくありません。ブレーキワイヤーのサビはブレーキ不良を引き起こし、事故の原因ともなりかねません。
ひどいサビなら交換
ブレーキワイヤーのサビはビニールカバーに覆われた内側なので、サビ取り剤を塗って直接こすって取り除くことが困難です。あまりサビがひどいとブレーキの効きが悪く感じてしまいます。そんな場合は、命に関わるパーツなのでワイヤーを新しいものに交換するほうがいいかもしれませんね。
ギアのサビ取り手順
性能に関わるだけじゃない
自転車のギアもサビやすい箇所のひとつです。特にチェーンカバーがなくギアが剥き出しのスポーツバイクはしっかり手入れをしないとすぐにサビが発生してしまいます。ギアがサビるとスポーツバイクでは自転車の持つ性能が十分に発揮されなくなるだけでなく、ペダルが重くなったりチェーンが外れたりといったトラブルも起こりやすくなります。
分解してサビ取りも
少しのサビくらいなら、クレ5‐56などの浸透潤滑剤を吹き付けてブラシでこすればきれいにすることができます。しかし、サビがひどい場合やギアがサビで覆われているなら、ギアを分解してパーツひとつひとつをしっかり手入れするほうが作業がスムーズに進むでしょう。
サビも汚れも一気にきれいに
手順はギア1枚1枚にサビ取り剤を吹きかけてブラッシングをするのですが、日ごろチェーン清掃を行っていても、ギアのすみずみまではなかなか手が回っていないものです。この機会にギアについた汚れや砂などもしっかり取り除いておきましょう。汚れを落としたならウェスなどで拭き上げて、再度組み立てればOKです。
ハンドルのサビ取り手順
サビると目立つパーツ
ステンレス素材を使うことでサビにくくなっているハンドルもありますが、雨などで濡れやすくサビると目立つ部分なので、しっかりサビを落としましょう。基本的にはサビ取り剤や浸透潤滑剤を吹き付けて拭き上げます。
ワイヤーブラシはNG
ステンレス製はワイヤーブラシでこすると表面に傷がつきやすいので、1500番前後の耐水ペーパーを使うといいでしょう。色のついたハンドルもこすると他の部分と差が生じるので、あまりこすらずにサビ取り剤だけで丁寧に磨きましょう。
その他のパーツの基本的なサビ取り方法
基本的なやり方は同じ
その他ホイールのスポークやカゴなどは、浸透潤滑剤やサビ取り剤を使用するのが基本です。それらをしっかりサビにしみこませ、ウェスで拭き取ります。サビの程度に応じて、ブラシでこすり落とすのも効果的です。サビがひどすぎてきれいにならない場合は、新しいものに交換することも考えましょう。
重曹でもサビ落としができる
サビ落とし剤がないという場合には、重曹を使用するという方法もあります。やり方は、少量の水を加えてペースト状にした重曹をサビついた箇所に塗り、しばらく放置したのち、メラミンスポンジなどでこするというものです。これは重曹の成分がサビを落とすのではなく、粉末状の重曹がやすりのような働きをしてサビをきれいにしてくれるのです。
サビがひどくて上記の手順を行っても取りきれない場合、高性能なロードバイクではスプロケットなどの他のパーツにダメージを与える恐れもあるので、チェーン自体の交換をおすすめします。