ビンディングでなくトゥークリップで走ろう
ロードバイクでペダリングは重要
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクにおいて、ペダルは踏むものでなく回すものだといわれます。踏むという動作だけだと反対側の足はペダルに乗せているだけで、却ってペダリングでは負荷となってしまいます。したがって、ペダルは「踏む」のではなく「クランクを回す」という動作に変えることで、ペダリング効率をアップすることが可能となります。
ビンディングで効率よいペダリング
ビンディングは、専用のペダルと専用のシューズのソールに取り付けられたパーツを固定して効率よい走りを実現します。また、ペダルを踏み込むときには同時に逆側の足でペダルを引き上げる力(引き足)を利用すれば、さらに効率のよい走りを可能とします。ビンディングペダルとビンディングシューズは、そのためのアイテムなのです。
トゥークリップでビンディングの不安を解消
しかし、ビンディングでペダルに足が固定されることを不安に感じたり危ないと思う人も少なくありません。また、ビンディングペダルとビンディングシューズを購入する必要もあります。そこでおすすめするのが、トゥークリップです。トゥークリップなら、そんな不安や悩みを解消しながらも効果的なペダリングを実現してくれます。
トゥークリップとは
トゥークリップの付け方
トゥークリップは、ペダルに取り付けたクリップとバンドやストラップで靴をペダルに固定する器具のことです。ペダルと靴との付け方はストラップの締め付け具合により調整ができるので、靴との脱着のやりやすさもメリットです。
引き足もOK
ビンディングはペダルに足を固定することで引き足を含めた効率よいペダリングができることを目的としていますが、トゥークリップも足を固定して引き足が使えるので、ビンディング同様に効率よいペダリングを実現できます。
トゥークリップのメリット
①ペダリング効率のアップ
ペダルと靴の密着性に優れ、引き足も使えるので、ビンディングと同様のペダリング効率が得られます。
②靴を選ばない
スニーカーや革靴、ブーツなど、どんな靴でも使うことができるので、通勤や通学、またサイクリングの途中のコンビニやスーパーなどへの立ち寄りが気軽にできます。さらに観光など歩きの多い状況の際にビンディングシューズでは歩き用の靴を用意しなければ非常に歩きにくいですが、トゥークリップならそのままの靴でOKです。
③立ちごけしにくい
立ちごけするかもしれないので危ないと、特に初心者はビンディングにするのを躊躇している人も少なくありませんが、はっきりいって初心者に限らずベテランライダーでも立ちごけのリスクは存在します。しかし、トゥークリップならストラップの付け方を緩めにしておけば立ちごけすることはまずないでしょう。
④出費が少ない
ビンディングの場合には専用のペダルとシューズが必要ですし、購入にかかる費用は両方合わせて安くても1万円以上はかかります。トゥークリップなら靴は普段履いているもので問題ありませんし、器具自体も安ければ数百円、高くても数千円で手に入ります。
トゥークリップの使い方
トゥークリップの使い方は、ペダルに取り付けたバンドやストラップにつま先を入れるだけと簡単ですが、一応装着の手順を紹介しましょう。
①右つま先をクリップに入れる
漕ぎ出しは普通のペダルと同じように右脚からなので、まず右のつま先をクリップに入れます。この時注意が必要なのは、トゥークリップのついたペダルはその重みでペダルの踏み面が上を向いていない点です。したがって、クリップのついたペダル面を上に向けてからつま先をすばやく入れましょう。
②左つま先をクリップに入れる
右つまさきがクリップに入ったならペダルを踏み込んで発進しますが、それと同時に左のつま先をクリップに入れます。最初のうちはうまく入れられずに足元を見がちですが、慣れてくれば自然と挿入できるようになるでしょう。あとは普通にペダルを漕げばOKです。
使い方の注意点
付け方は緩めがおすすめ
足への固定具合はストラップの締め具合で調整できます。したがって、強く締めたほうが固定が強くなってペダリング効率はアップしますが、街乗りで使用する際は緩めにしておくほうがいいでしょう。きつく締めてしまうと信号などで止まる際にうまくつま先が抜けずに立ちごけする心配が増えます。また、止まったあとで再度つま先を入れるときに手間取ることもあるでしょう。
状況に応じて締め方は変えよう
多少ペダリング効果は少なくなりますが、基本的にストラップは緩めに、郊外などのストップ&ゴーの少ない場所をツーリングするといった場合には強めに締めるというように、使用状況に応じてストラップの調整は行うことをおすすめします。
選び方のポイント
大きめのサイズを選ぼう
トゥークリップの大きさは、大半がS、M、L、またはフリーサイズとなっていますが、サイクルシューズを想定したサイズになっているので、普通のスニーカーなら若干大きめのサイズを選ぶほうがいいでしょう。
対応するペダルを選ぼう
トゥークリップの取り付けはペダルに直接ボルトで固定するケースがほとんどです。したがって、ペダルにストラップを通す穴とボルトを取り付ける穴がなければ取り付けできないので、それらに対応しているペダルを選ぶ必要があります。
トゥークリップおすすめ6選
①MKS(三ヶ島)トゥークリップスチール
MKS(三ヶ島)トゥークリップスチール
参考価格: 2,113円
自転車ペダルの人気メーカーMKS(三ヶ島製作所)の、競輪選手などプロも使用するトゥークリップの定番品です。NJS(日本自転車振興会)認定で、スチール製のしっかりしたつくりが魅力です。デザインがシンプルなので、ランドナーやシングルスピードなどのバイクにもマッチします。
②MKS(三ヶ島)ハーフクリップスチールディープ皮付
MKS(三ヶ島)ハーフクリップスチールディープ皮付
参考価格: 2,562円
足のサイズが大きい人やつま先部分が長かったり底に厚みのある靴などでも使いやすいディープタイプです。クリップ部分に皮が巻いてあるので、靴にダメージが少ない点もメリットです。競技向けではなく、普段使いやツーリングに最適なモデルです。
③MKS(三ヶ島)ケージクリップハーフ
MKS(三ヶ島)ケージクリップハーフ
参考価格: 2,245円
角のない丸断面ステンレス素材のケージトゥークリップ、細めのフォルムが見た目にも軽くてスタイリッシュです。ステンレス製なのでサビに強く、また丸断面素材なので靴へのダメージも少なくて済みます。足の甲くらいまでのカバーなので、街乗りからツーリングに適しています。
④ゼファール ハーフクリップ クリストフ ノーストラップクリップ
ゼファール ハーフクリップ クリストフ ノーストラップ
参考価格: 568円
1880年創業のフランスの自転車アクセサリーの老舗メーカーのハーフトゥークリップです。ストラップが不要の超硬質樹脂製なので、靴に傷がつきにくくかつホールド性に優れていて、ハーフタイプでもペダリング効果に問題ありません。価格が千円以下と、非常に手頃なのも魅力です。
⑤BAZOOKA(バズーカ)/B-235A ダブルトゥークリップ
BAZOOKA(バズーカ)ダブルトゥークリップ
参考価格: 1,145円
2本のストラップで固定力をより高めたトゥークリップです。ストラップが1本のものより固定される力が強いので、効率的なペダリングや可能となります。その分、つけ外しが多少面倒になるので、街乗りよりロングライドのほうが適しているでしょう。
⑥トゥークリップストラップ付サイクリングペダル
トゥークリップストラップ付サイクリングペダル
参考価格: 1,939円
トゥークリップとストラップを装備したペダルなので、ペダルごと交換・取り付けを行います。ペダルとトゥークリップを別々に購入するとサイズが合わなかったり取り付けができなかったりといったトラブルが生じることもありますが、これなら問題ありません。ナイロン製ペダルは耐久性、強度に優れています。
トゥークリップでもっと気軽にサイクリングを
普段履いているお気に入りのスニーカーで気軽にサイクリングができるのが大きな魅力のトゥークリップ。ビンディングに比べると多少効果は劣りますが、効率よいペダリングができます。付け方が簡単で立ちごけの心配もほとんどないので、ビンディングは危ない、心配と思っている人にもおすすめですよ。
https://www.mkspedal.com/?q=ja/product/node/315