ロードバイクのブレーキ交換方法②ダイレクトマウントブレーキ
フレームフォークへの取り付け方法
ダイレクトマウントブレーキは、ボルトが2点留めですのでロードバイクの専用フレームでなければ取り付けができません。また、ダイレクトマウントブレーキのブレーキシューは、横から見るとフォークの内側にめり込むような形で設置されます。作業を行いやすいように、ダイレクトマウントブレーキの取り付けは、ブレーキシューを外してから行う方法をおすすめします。
ダイレクトマウントブレーキを取り付ける際の確認
- 取り付け可能なのは専用設計フレームのみ
- Vブレーキの台座には取り付け不可能
- フロントとリアは別
ダイレクトマウントブレーキの取り付け方
ダイレクトマウントブレーキには、組付け治具が付いているので、組付け治具ごとフレームの台座へ取り付けます。まず、ブレーキ固定ボルトを4mmの六角レンチで仮締めます。このとき片方づつ一気に締めないで、左右交互に少しづつ締め上げて均等にしていき、最後の本締めは規定トルクで締め付けます。また、本締めの前に組付け治具を抜き取ってください。
リアのダイレクトマウントブレーキ
リアのダイレクトマウントブレーキは、BB部に取り付けるタイプや、シートステー上部に取り付けるものなど違いがあり、各メーカーさまざまな工夫がされています。取り付け方はフロントと同じ手順になりますが、BB部に取り付けるタイプは、フレームを逆さまにして取り付けると簡単にできます。
フレームからの取り外し方
ダイレクトマウントブレーキをフレームから取り外すときは、フレームに付いている2点のブレーキキャリパーのボルトを4mmの六角レンチで緩めます。ある程度緩めたら、取付け治具を再装着します。リアを行う際もフロントと同じ手順で行ってください。
取り付け後の調整
センターの調整方法
センター出しは、ブレーキキャリパーの「センター調整ボルト」を2mmの六角レンチで回して調整します。キャリパーブレーキのようにブレーキキャリパーのボルトを緩めることはしません。2点留めのダイレクトマウントブレーキは、キャリパーブレーキのように簡単に横ズレを起こすことはないからです。センター調整ボルトは、メーカーごとに場所が違いますので位置を確認してください。
ブレーキシューを調整する
シューとリムを平行に当て、リムの上端から1mmほど下にシューを合わせてシュー固定ボルトを4mmの六角レンチで回して締めます。シューとリムのクリアランスが足りない場合は「センター調整ボルト」を回して調整します。ブレーキシューが摩耗するとリムとのクリアランスが広がります。そのときは「ケーブル調整ナット」でケーブルの張りを調整してください。このときに片効きの調整も行います。
トーインをつける
ブレーキをかけたときに、リムの進行方向と逆のシューがリムから0.5mmほど空きができるように調整します。この作業を「トーイン」といいます。トーインをつけるには、リムの進行方向と逆(フレームフォーク側)のシューとリムの間にカードを挟んでから、グリップを握りブレーキシュー固定ボルトを締めます。この状態でカードを抜きグリップを離すとトーインができます。
ロードバイクのブレーキ交換方法③ブレーキシュー
ブレーキシューは、走行するたびにすり減っていきます。メンテナンスを長期間していないと、リムに汚れが溜まっていたり、ブレーキシューが摩耗していたり、ブレーキ本来の性能が損なわれます。日頃からメンテナンスを定期的に行い、快適なライディングを楽しみましょう。
ブレーキシューの選び方
ブレーキシューには、各メーカーからいろいろな種類のシューが販売されています。大きく分けてカートリッジ式、一体型に分けることができます。また、ブレーキシューの素材を大きく分けるとカーボンリム用、アルミリム用で分けることができます。では、それぞれの特徴と交換方法を紹介します。
交換するときの注意点!
- ブレーキシューを交換するときには、ブレーキキャリパーとの互換性を必ず確認しましょう。例えばシューの性能をハイグレードにしてもブレーキキャリパーの性能がシューより劣っていると、ブレーキを掛けたときにシューの威力にブレーキキャリパーのアーチが耐えられずに、破損してしまう可能性もあります。初心者の方は専門店に相談することをおすすめします。
カートリッジ式 ブレーキシューの交換方法
- レリーズレバーを<開>の状態にする
- ブレーキシュー台座にあるシュー固定ボルトを2mmの六角レンチで緩める
- シューの外し方は進行方向からフレーム側にシューを指で押して抜き取る(フレームにシューがあたるときはブレーキキャリパーのアームを握りながらシューを押すことにより取り出せます)
- 新しいブレーキシューをフレーム側から進行方向へ差し込む(ブレーキシューには左右があるので間違えないように注意してください)
- シュー固定ボルトを2mmの六角レンチで締める
- レリーズレバーを<閉>の状態にする
- ブレーキレバーを引いてみる
- 引きしろが変わる場合はケーブル調整ナットで調整する
一体型 ブレーキシューの交換方法
- レリーズレバーを<開>の状態にする
- ブレーキシューホルダーのボルトを4mmの六角レンチで外す
- 新しいブレーキシューにスペーサー等を元どおりに戻してブレーキシューホルダーのボルトを仮止めする
- ブレーキレバーを握ってリムの上端から1mmほど下に来るように調整する
- リムが片効きしていないか確認する
- トーインをつける
- ブレーキシューホルダーのボルトを本締めする
- レリーズレバーを<閉>の状態にする
ブレーキシューのメンテナンス
ブレーキシューのメンテナンスポイント
- 交換の目安は溝が1mm程度(最低1年に1度は交換することが望ましい)
- ブレーキシューにはリムに対応した種類がある
- ブレーキシューにはカートリッジ式と一体型がある
- 交換を行う際はホイールを外した状態で行った方が作業しやすい
アルミ製のリムのメンテナンス
アルミ製のリムを使用している場合は、アルミ片が削れてブレーキシューに刺さっていないかチェックしましょう。刺さっていた場合は、針などでアルミ片を取り除きます。次に、ブレーキシューの表面がコーテングされたようなテカリがある場合は、熱で焼けてしまっている状態です。ブレーキが効かない原因になるので100〜180番のヤスリを使って表面を荒らします。
カーボン製のリムのメンテナンス
カーボンリムはアルミに比べ熱に弱いといわれています。ブレーキ時の発熱により、リムにダメージがかかり変形してしまうこともあるので、ブレーキシューを交換する際は必ずカーボンリム用のシューを選択します。リムのメンテナンスは、汚れが付着しているとブレーキが効かない原因になりますので、クリーナーなどを使いきれいにリム部の汚れを拭き取りましょう。
まとめ
現在はキャリパーブレーキからディスクブレーキへと主流が変わりつつあります。しかし、長年形を変えずに使い続けられてきたものが簡単になくなることはないでしょう。キャリパーブレーキのシューは種類もたくさんありますので、ブレーキシューを交換して、好みにカスタマイズできる楽しみがあります。
ロードバイクを楽しもう!
ライディングが楽しいと思えるには、第一に意思通りに止まることができる、ということです。いくら高いスピード力があってもブレーキが効かないライディングなんて怖くてできません。ブレーキの掛け方も好みがでるところなので、自分がコントロールしやすい、自分に合ったライディングができるようにロードバイクをチューニングしましょう。
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ブレーキチューナーという専用工具を使用すると簡単にトーインをつくることができます。初めての方や初心者は利用することをおすすめします。