自転車のクランクの外し方③作業方法
ここではクランクの外し方、取り付け方について解説します。3種類のクランクのうち、オクタリンク式・スクエアテーパー式は全く同じ工程になるので、
- 交換前の準備
- ホローテック式のクランク交換方法
- オクタリンク式・スクエアテーパー式のクランク交換方法
クランクを取り外しをするときの事前準備
ここではクランクの種類がどの種類でも、必要な作業が3つあるので解説します。
手順①左手で自転車の後ろの変速機(リアディレイラー)のチェーンが通っている三角型の場所を指で持ち上げる、
手順②左手は変速機(リアディレイラー)の三角形部分を上にあげたまま、右手でクランク側のチェーンも指でつまみ、持ち上げれてチェーンをクランクから外す
手順③外したチェーンはボトムブラケット側にかけておく
3つの作業はクランクの種類問わず必ず行うことになるます。クランクの歯に近いところを、指でチェーンと持って行うことになるので、手袋があると手が汚れないのと、クランクの歯による怪我も防ぎやすいです。またチェーンをボトムブラケットにかけるときは、自転車に傷がつかないように、優しくチェーンをかけるように心がけてください。
自転車クランクの外し方:ホローテック式
最近のロードバイクはホローテック式がメインにです。ホローテック性クランクの取り外し方について解説します。大まかな流れとしては、
- クランクアームアームの取り外し
- クランク本体の取り外し
ホローテック式:クランク取り外し方法
手順①TL-FC16でクランクアーム中央のボルトを取り外す
クランクアームのボルトにTL-FC16を取り付けて半時計周りに回します。クランクアーム中央のボルトはプラスティック製で、工具を使えば手で簡単に回りますが、硬くて外れないなどであれば、手袋を付けるとより回しやすいです。
手順②左側クランクアームの取り外し
中央のクランクアームボルト取り外し後は、クランクアーム根元についているボルトを外していきます。このとき六角レンチは5mを利用します。ボルトはクランクアーム根元に左右ついています。左右均一に緩めていくとボルトを取り外しやすいです。
③脱落防止用のクランクアームプレートを上げる
クランクアームのボルトを取り外した後は、クランクアーム根元に隙間がありので、この中のクランク脱落防止用の小さいプレートを、マイナスドライバーやつまようじなど、隙間に入るものであればなんでもいいので、プレートを上に持ち上げます。わざわざ外す必要はないですが、外れてしまった場合はなくさないようにしましょう。
④左側クランクアーム取り外し後、クランク側を取り外す
クランクアームのプレートを上に持ち上げると、クランクアームが自転車から取り外せます。あとはクランク本体を、自転車から引っ張り出して取り外し完了です。このとき手でクランクが外せない場合は、ゴムハンマーなどで、左側のクランクアームがついていた、金属製の筒になっている場所を、叩いてあげると取り出しやすいです。
ホローテック式:クランク取り付け方法
手順①クランクを取り付ける
クランクをボトムブラケットに挿入します。その時しっかり奥までクランク本体が入っていないと、左側のクランクアーム取り付けが難しくなるので、しっかりクランク本体を押し込んでください。クランク側の中央部をゴムハンマーで軽く叩いてあげると安心です。
手順②左側クランクアームの取り付け
クランク本体をボトムブラケットに挿入後、左側のクランクアームの取り付けします。このときクランク本体のクランクアームとは反対の方向に、左側のクランクアームを取り付けます。左側クランクアーム奥に押し込んだ後、クランクアームの根元にあるプレートを、クランクアーム根元の隙間にいれてください。
適切な締め付けをしていく
クランクアームプレートを入れたあとは5mの六角レンチで締めていきます。ボルトを締めるとき、ボルトのネジ山部分に、グリスを薄く塗り、クランクアームの根本にある、ボルトを左右均等の力で締めていきます。このときトルクレンチがあれば12~14n(ニュートン)で締めていくのが、適切な締め付け強度ですが、トルクレンチが無い方は六角レンチで、ボルトが外れない程度に締めてください。
③TL-FC16で左側クランクアームのボルトを締める
最後にクランクアーム中央部のプラスチック製ネジをTL-FC16で締め付けます。プラスティックボルトにはあらかじめ、ブリスを少量つけておいてください。左側のクランクアームのネジの締め付けの時、力はそれほどいりません。プラスチックボルトが外れない程度であればOKです。
ホローテック式クランクの取り外し・取り付け方法の解説は以上となります。注意するのはネジをなくさない。プレートを外してしまったとき、プレートをなくさないことです。
自転車クランクの外し方:オクタリンク式・スクエアテーパー式クランク取り外し方法
ここではオクタリンク式、スクエアテーパー式のクランクの取り外し方法と、取り付け方法の解説をします。流れとして
- クランク側の取り外し方法
- クランクの反対側の取り外し方法
- 取り外したクランク側とクランクの反対側を取り付ける方法
オクタリンク式・スクエアテーパー式クランク側の取り外し方
主にクロスバイク、マウンテンバイクなどで使われている種類になります。クランクの取り外し方は2つの工程となります。
手順①ボルトを外す
六角レンチをボルトの穴に差し込み、クランクアームを右手で押さえ、左手で六角レンチを持ちます。クランクアームが動かないように手で押さえながら、六角レンチを反時計回りに動かすとボルトが外れます。
ボルトがはずれたら内部にワッシャーが、内部に残っていないか確認してください。ワッシャーが残っていると、クランクの取り外しができなくなるだけではなく、クランクの故障の原因になります。
作業する際にボルトのボルトが硬く、外せない場合は、
- 手ではなく足を使って、六角レンチの反対側を踏みつけてみる
- 六角レンチの反対側をハンマーで叩く
- 潤滑油をボルトに吹きかけて、潤滑油が浸透した後に、あらためて作業を行う
もし、潤滑油を使ってもボルトが外せない場合は、この段階で自転車専門店に、クランクの取り外しを依頼してください。無理にご自身でボルトを外そうとしてご自身が怪我をされてしまう可能性があります。また潤滑油をボトムブラケットに吹きかけないように気をください。
手順②コッタレス抜き工具リムーバーでクランクを外す
次にコッタレスクランク工具リムーバーを準備します、先端にネジ山がついている側を、クランクのネジ山にねじ込んでいきます。コッタレスクランク工具は本体中央から後ろ側も、ネジ式になっていますが、クランクを外すときは、事前に後ろ側のネジを最大まで幅を広げてください。
クランク側のボルトがついていた場所に、コッタレスクランク工具リムーバーを付けていきます。クランク側のネジ山をつぶさないように、コッタレスクランク工具リムーバーの先端を、手で時計周りに回してください。
コッタレスクランク工具リムーバーの先端部分を、クランクのネジ山の奥まで入れたあと、手でコッタレスクランク工具リムーバーの後ろのネジを、時計周りに回していきます。
コッタレスクランク工具リムバーの後ろのネジが、手で回らなくなったとき、モンキーレンチを使い、時計回りにさらに締めこみます。このときクランクアームをしっかり押さえながら、締め込みを続けてください。締め込みを続けていると、モンキーレンチで締め込みがいらなくなるぐらい、コッタレスクランク工具リムーバーの回転が軽くなります。
再度コッタレスクランク工具りの後ろのネジが、手で回せるまで軽くなり、コッタレスクランク工具りの後ろのネジが締まらなくなりましたら、モンキーレンチを外して、手でコッタレスクランク工具リムーバーの先端部分を、半時計周りに回し、コッタレスクランク工具リムーバーを取り外します。コッタレスクランク工具リムーバーを外した後は、クランク本体を両手で持ち、自転車の外側へ引っ張ると、クランク側の取り外しが完了となります。
オクタリンク式・スクエアテーパー式クランクの反対側の外し方
クランクの反対側の外し方は2工程で終わります。
手順①ボルトを取り外す
クランク本体の反対側も取り外し方法は、クランク本体側と同じ作業になります。まず六角レンチでボルトを外します。このとき、クランクアームは右手で押さえ、六角レンチを左手で反時計回りに回していきます。ボルト取り外し後、ワッシャーが残っていないか確認してください。
手順②コッタレスクランク工具リムーバーを取り付ける
コッタレスクランク工具リムーバーの先端を、ボルトが入っていた場所に時計回りで締めこんでいきます。クランク側と同様、ネジ山がつぶれないようにしっかりネジ山を合わせて、手でコッタレスクランク工具リムバーの先端がまわらなくなるまで締めていきます。
コッタレス工具りの先端のねじ込み終わったあと、コッタレスクランク用具リムーバーの後ろ側のネジを、手で時計回りに回していきます。
コッタレスクランクりの後ろのネジが手で回らなくなったとき、モンキーレンチを使ってさらに時計回りに、締めこんでいきます。このときクランクアームは左手で押さえ、モンキーレンチは右手で持ちながら、締めこんでください。
モンキーレンチで締め込みが終わり、コッタレスクランク用具リムーバーの後ろのネジを回らなくなるまで、締めこんだ後、コッタレスクランク先端を半時計周りに回し、取り外します。コッタレス工具り取り外し後、クランクアームを手で持ち、自転車の外側へ引っ張ると取り外し作業が終了になります。
オクタリンク式・スクエアテーパー式クランクの取り付け方法
手順①ボルトにグリスを少量塗る
ボルトを付ける際に、グリスを塗るのが推奨されています。少量で問題無いのでネジ山全体を軽くグリスをつけてください。ボルトにグリスを付けておかなければボルトが外れない原因にもなります。
手順②ボルトを取り付ける
この作業はクランクがついている右側、クランクがついていない左側同様の手順です。左手でクランクアームを押さえ、六角レンチで時計回りにボルトを締めこんでいくだけです。ここで注意が2つあります。
- ボルトのネジ山にしっかり合わせてボルトを締める
- 片側を取り付けたあとは、クランクアームを互い違いになるよう取り付けすること
取り付け作業後はクランクを回してみて、異音やがたつきがないかを確認をすると事前にトラブルを防げます。
まとめ
今回は自転車のクランクの外し方について解説しましたが、クランクを外すときのポイントは
- 現在の自転車のクランクの種類を確認する
- それぞれの専用工具を用意する
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出典:パブリックドメイン