ミッシングリンクとは
ミッシングリンクとは、自転車のチェーンを接続する役目になる小さなパーツのひとつです。使用する際には、チェーンのコマのひとつを交換してチェーンに取り付けます。実はミッシングリンクという名称はKMCというチェーンメーカーの商品名なのですが、今やこういったパーツの総称となった感があります。ちなみに、シマノの純正は「クイックリンク」と呼びます。
チェーンをカットする方法
通常、チェーンはコネクトピンという接続用のピンがチェーンの関節部分に打つ込まれることによって接続されています。ただ、チェーンを取り外したいときなどに、コネクトピンではチェーンカッターを使用してコネクトピンを押し出しチェーンをカットするしか方法はありません。しかし、この方法は面倒ですし、チェーンカッターを持っていなければ不可能です。
ミッシングリンクのメリット
ミッシングリンクを使用していれば、ミッシングリンクを指でスライドさせるだけで、チェーンカッターなしでも簡単にチェーンを切断したり繋げたすることが可能となります。チェーンの脱着が楽になるだけなく、チェーンの丸洗いやチェーンを外してのフレーム清掃も簡単になるというメリットもあります。
メリットは大、デメリットはなし
いくらメリットがあるからといっても、ママチャリなどの一般的な自転車のチェーンのピンをミッシングリンクに交換している人はいません。ロードバイクやクロスバイクがほとんどです。なぜなら、それらのスポーツ自転車のほうが交換するメリットが大きいからです。ミッシングリンクの取り付けは、メリットは多いけれどもデメリットは特にないといってもいいでしょう。
ミッシングリンクのチェーンへの取り付け方
まず、ミッシングリンクの取り付け方法から紹介しましょう。取り付け作業をする前に注意が必要な点があります。それは、ミッシングリンクを購入する際、スプロケットのギア数に応じて7~12速用までがあるので、自分のロードバイクのギア数にあったものを選ぶことです。また、チェーンのメーカー(シマノかカンパニョーロ)の確認もお忘れなく。
ゴールドのミッシングリンクのすすめ
ミッシングリンクはチェーンと同じシルバーなので、リンクの位置がわかりづらいというケースもあるでしょう。そんな事態への対処方法として、ゴールドのミッシングリンクにするのもおすすめです。これなら一目で位置がわかるというメリットがあります。
①取り付けに必要なもの
ミッシングリンクの取り付けには、リンク以外に必要なものがいくつかあります。まずは、それらを用意しましょう。
ミッシングリンクの取り付けに必要なもの
- チェーンカッター
- チェーンフィキサー
- ミッシングリンク専用プライヤー
チェーンカッター
チェーンカッターは、チェーンの切断に使用します。「チェーンの切断」といっても実際に切ってしまうのではなく、コマとコマをつないでいる丸いピンを外すための工具です。
チェーンフィキサー
チェーンを切ると、チェーンがリアディレイラーのアームに引っ張られが広がってしまい、その後の作業が非常にやりくくなってしまいます。チェーンフィクサーはチェーンの広がりを防いでくれるので、両手が自由に使え作業がしやすくなるメリットがあります。
チェーンフィキサーを持っていない、わざわざ買うのはもったいないという人は、針金で代用することも可能です。
ミッシングリンク専用プライヤー
リンクには個体差があり、簡単に素手ではまるものもあれば、なかなかはまらないものもあります。そんなとき、専用プライヤーがあれば役立ちます。これはリンクをはめるだけでなく、外すときにも使用できます。
②取り付け手順
手順①チェーンの広がりを防ぐ
チェーンを切ると、その部分からリアディレイラーのアームに引っ張られてチェーンが広がってしまうので、まずは切り離す部分のチェーンの両側の2、3コマ外側のコマにチェーンフィキサーを引っ掛けておきます。
手順②チェーンを切る
次にチェーンをチェーンカッターで切ります。やり方は、チェーンのコマの中心の丸いピンにカッターの出っ張りを当てて、力強く締め込めばOK、これでピンは外れます。外すのはどのピンでも構いません。
ギアはインナートップにしておく
このとき、チェーンテンションが高いままチェーンを切ると、チェーンが外れた瞬間にチェーンが飛んでいく危険があるので、作業前にギアはインナートップにしておきましょう。
チェーンフィキサーがじゃまでチェーンを切る作業がやりにくいなら、①と②の手順を逆にしてもかまいません。
手順③コマを入れ替える
切ったチェーンからコマをひとつ取り外し、ミッシングリンクと交換します。このとき、ミッシングリンクの取り付けの向きに注意しましょう。チェーンの上段で作業をしている場合、たとえば11速用ミッシングリンクなら刻印が「11S」と読める向きに、下段で作業しているなら「S11」となる向きに取り付けます。
手順④ミッシングリンクをはめる
最後に、ミッシングリンクをしっかりはめ込みます。素手ではめることも不可能ではないのですが、確実にはめるために、ミッシングリンク専用プライヤーを使いましょう。使い方は、ミッシングリンクの両端にプライヤーの先を差し込んでグッと締め込むだけです。
ミッシングリンクのはめやすさには個体差があり、プライヤーでも難しい場合があります。そんなときは、リアブレーキをかけながらペダルを踏み込むと簡単にはめることができますよ。
ミッシングリンクの外し方
片手でやるのがポイント
ミッシングリンクの外し方は、指でミッシングリンクを挟むように力を入れて、指をすり合わせて外すとうまくいきます。このときのポイントは、片手でやることです。また、チェーンに汚れたオイルが付着しているので、作業用手袋やゴム手袋をはめてやることをおすすめします。
外れないときはリムーバーを使う
ミッシングリンクには個体差があり、手で簡単に外れるものもあれば、しっかりはまって手では外すのが難しいものもあります。そんなときに役立つのが、ミッシングリムーバーです。使い方は、ミッシングリンクを挟み込むように工具の先をチェーンミッシングリンクの両端に差し込んで工具を握るだけです。
KMCからはリンクを取り外すためのリムーバーと取り付けるためのコネクターが販売されていますが、多くのメーカーからひとつでどちらにも対応できるタイプも販売されていますよ。
まとめ
チェーンの洗浄やフレームのメンテナンスなどの際に便利なミッシングリンクに特別なデメリットはありません。そもそもミッシングリンクは「出先でのチェーン切れなどのトラブルの際にチェーンを工具なしでつなげるパーツ」という存在です。万が一のチェーントラブルに備えて、特にロードバイクオーナーは、ミッシングリンクを取り付けてみてはいかがでしょうか。
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