BB(ボトムブラケット)とは
BB(ボトムブラケット)とは、自転車の左右のペダルがついているクランクの回転軸を受けるためのパーツです。BBは駆動系を支える中心パーツで、この部分がスムーズに回らなければクランクの動きがうまくいかず、走行にも影響が現れてしまいます。
BBを外すのはどんなとき?
①メンテナンスのため
ロードバイクのBBはメンテナンス不可
BBの動きがスムーズでなければ、走行に大きな影響を与えます。したがって、定期的なメンテナンスが必要です。ママチャリなどは別として、ロードバイクのBBはシールドされているために分解してメンテナンスをすることはできません。したがって、ダメになると交換するのが基本なのです。
掃除とグリスアップが基本
では、ロードバイクの場合はどんなメンテナンスを行うのかというと、掃除とグリスアップです。BBは地面に近い場所にあるので、走行中に砂や泥が入り込む可能性があります。それらをきちんと取り除くことです。特別なクリーナーを使わなくても乾拭きだけでもOK、汚れが取れたならあとはグリスを塗っておきましょう。
②BBの交換のため
BBは消耗品
BBはクランクの回転を支える重要なパーツですが、だからこそ乗っているうちに消耗してしまいますし、壊れることもあります。つまり、BBは消耗品なのです。壊れたり過度に消耗していたなら交換が必要です。
BB交換でチューンアップ
また、BBを交換することで、回転性能がアップしてペダルが漕ぎやすくなります。特にグレードの高いBBに変更すると、自転車の性能をアップすることもできます。BB本体の価格は高くないので出費を抑えて簡単にチューンアップができることから、初期装備のものから上級グレードに交換する人も少なくありません。
BBの上手な外し方
グリスアップや掃除などのメンテナンスやチューンアップで交換といった際の、BBの上手な外し方を紹介しましょう。ただし、BBの種類は3種類ありそれぞれ外し方が異なるので、自分の自転車はどれなのかチェックしなければなりません。
BBの種類
- カップ&コーン式 一般的な自転車に多く使われている
分解してメンテナンスが可能 - カートリッジ式 クロスバイクや廉価なロードバイクに
多く使われている
分解してのメンテナンスは不可 - 外部BB ロードバイクに多く使われている
規格が乱立しているので交換時には注意が必要
また、メーカーやグレード、製作された時期などによって規格が異なるので注意が必要です。ここでは、ミドルグレードのロードバイクに採用されていることの多いコンポーネント、シマノ105の「ホローテックⅡ」というタイプのBBの外し方を例に挙げて進めていきましょう。タイプによって違いはあっても、基本的な作業はさほど変わりません。
外し方①クランクを外す
BBを外すためには、まずBBにアクセスできるようにしなければならないので、クランクを外す必要があります。クランクを外す手順は、最初にチェーンを外し、次に左クランク、続いて右クランクの順に外していきます。外すときは「シマノ クランク取り付け工具」というものを使います。
外し方②取り外しは左側から
BBの取り外しは左側から行います。BBの取り外しには各規格に沿ったBB取り外し専用工具が必要で、各メーカーの純正品を使用するのが好ましいです。クランクを取り外した後のBBにアダプター取り付け工具をはめ込んで、その工具を別のレンチのような専用工具で挟み込んで反時計回りにグッと回します。
外し方③同じ要領で右側も
シマノ TL-FC32 ホローテックII BBユニット取付工具 ハーフオープン フラットタイプ Y13009210
参考価格: 1,382円
左側のBBのキャップ部分が外れたなら、同じ手順で右側も行います。ただし、レンチのような工具は時計回りに回しましょう。これで、BBの取り外しは完了です。
固着して外れないBBの対処法
BBを外そうとすると、固着してしまいなかなか外れないケースも少なくありません。そんな場合の上手なBBの外し方を紹介しましょう。
外れない原因の多くは錆び付き
固着の原因の多くは、錆びついているからです。BB廻りは頻繁に外す場所ではないので、錆びつきやすいといえます。したがって、その場合はクレ556などの潤滑剤をネジ部分に注して、10分ほど浸透するのを待ってから作業を行いましょう。簡単な固着なら、モンキーレンチをBBにはめて回せば外れるはずです。
どうしても外れないときはショップに持ち込もう
外れないときは無理をしない
固着したBBに対して潤滑剤を注したり力づくで外そうとしても、ビクともしないことも少なくないようです。そんな場合は、錆び付きが原因ではないケースも考えられます。いくらがんばっても外れないのであれば、多少費用は掛かりますが、ショップへ持ち込むことも考えたほうがいいかもしれません。
無理はトラブルのもと
BBをセルフメンテナンスしたい思いや出費を抑えたいという気持ちはわかりますが、そのためにいろいろな工具を買って、結局外れなかったら意味がありません。また、新しいBBに交換するのなら無理やり外して古いBBに傷がついても構いませんが、メンテナンスだけでそのままBBを使うのなら、無理をしてはのちのトラブルの原因にもなりかねません。
まとめ
自転車の整備に慣れている人ならさほどではないかもしれませんが、そうでなけばBBの取り外しはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、規格や方式などの点に注意さえすれば、作業自体はさほど難しいものではないはずです。初めての人でも、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。