自転車のタイヤのパンク防止対策(メンテナンス編)
自転車のパンクを防ぐには、走り方に加えメンテナンスも重要です。メンテナンスといっても簡単なことがほとんどです。日ごろから注意することで、パンク防止の確率がグンッと高くなりますよ。
メンテナンス①タイヤに空気を入れる
空気を入れるのは基本
タイヤに空気を入れるのはパンク防止だけでなく自転車に乗る際の基本ですが、面倒なこともありなかなか実行されていないケースもあります。タイヤの中に入っているチューブはゴム製で目に見えない細かな穴が開いているためにそこから毎日空気が少しずつ抜け、いつの間にか空気がない「スローパンク」といった状態になってしまいます。
スポーツバイクは頻繁に
ママチャリやシティサイクルなどはタイヤが太いので空気が多く入りますが、ロードバイクやクロスバイクのタイヤは細く空気が抜けやすいため、より頻繁に空気を入れなければなりません。ママチャリで最低でも1か月に1度、ロードバイクなら1週間に1度は空気を入れるようにしましょう。
適正な空気圧を保とう
ママチャリの場合は「しっかり」入れればOKですが、ロードバイクはただ空気を入れるだけでなく、タイヤの側面に記載された適正な空気圧に保つことも重要です。適正な空気圧はタイヤの側面に記載されているのでその数字に合わせればOKです。
空気圧ゲージ付きがおすすめ
ただし、ママチャリのように指で押して空気圧が適正かどうかの判断をするのは無理なので、空気圧ゲージのついた空気入れを使って入れるのが理想です。通勤や通学にロードバイクを使っている人なら週末、趣味で楽しんでいる人なら乗る前に必ず空気圧をチェックして、足りなければ入れるのを習慣づけることをおすすめします。
メンテナンス②走行後はタイヤ表面をチェック
走行中は気づきにくい
走行後は、タイヤ表面に異常がないかチェックしましょう。異物が付着していても走っている際には気が付かないケースも少なくありませんし、タイヤの痛みや亀裂などが見つかることもあります。異物があったならすぐに取り除く、痛みや亀裂を見つけたなら、タイヤを交換する必要があります。
汚れも落とそう
走行後にはタイヤ表面に泥や汚れがついています。それらを放っておくとゴムの劣化につながり、タイヤの寿命を縮めるだけでなくパンクリスクも高まるので、ブラシやウエットティッシュなどで落としましょう。
メンテナンス③減ったタイヤ、古いタイヤは交換
タイヤは消耗品
タイヤは消耗品です。走行距離が延びると、タイヤは減ります。パンクを防ぐためには、減ったタイヤは事前に新しいものに交換することも必要です。パンクもしていないのに交換するのは何となくもったいない気がしますが、パンクをしてからでは手遅れ、場合によってはリムを傷めたりして却って出費が高くつくこともあるかもしれません。
3,000~5,000kmが目安
タイヤの寿命は、タイヤの種類やメーカー、使用する路面の状況、ライダーの乗り方や体重などさまざま要素で異なりますが、一般的に走行距離3,000~5,000kmとされています。距離以外に「スリップサイン」やタイヤの接地面が平べったくなってきたり細かいヒビや亀裂が生じてきたなら交換が必要です。
メンテナンス④雨風にさらさない
タイヤはゴム製なので、紫外線や雨風にさらされると劣化しやすくなります。自転車はできれば室内保管がおすすめですが、無理な場合でもカバーをかけるなどしてなるべく紫外線や雨風を避けるようにしましょう。
メンテナンス⑤耐パンク性の高いタイヤに交換する
耐パンクタイヤもおすすめ
根本的にパンクを防ぐのであれば、パンクしにくいタイヤにするという手段もあります。各メーカーから耐パンク性能の高いタイヤが数多く販売されています。パンクを100%防止できるというわけではありませんが、一般的なタイヤと比較して大幅にパンクリスクは下がります。
パンクリスクへのメリットは大きい
価格が高い、重量があるといったデメリットもありますが、パンクを防ぐという点においては非常に効果的です。新しいタイヤに交換する機会にでも検討してみるのもいいでしょう。
メンテナンス⑥チューブの定期的な交換
チューブも消耗品
ゴム素材であるチューブも消耗や劣化をします。チューブはタイヤの内側でタイヤとこすれて摩耗しており、タイヤやチューブに穴が開いているのでもないのに空気を入れてもいつのまにかすぐに抜けている、いわゆる「スローパンク」の原因となりやすいです。
1年に1回の交換でリスクは減る
しかしタイヤは傷みや消耗が目に見えるので交換のタイミングがわかりやすいですが、タイヤの中にあるチューブはいつ交換すればいいのかの判断がつきにくいものです。したがって、タイヤを交換するときに同時に交換するのはもちろんですが、走行距離によってはできれば1年に1度は交換することでパンクを防ぐ確率はアップします。
リムテープはチューブの圧力に押されて凸凹が生じやすく、それがチューブとの摩擦となりスローパンクの原因へとつながります。したがって、チューブ交換の際にはリムテープも一緒に交換することもおすすめします。
ノーパンクタイヤってどうなの?
ノーパンクタイヤとは
タイヤの中にチューブではなくぎっしりとゴムや特殊ポリマー、ウレタンといった素材を詰めた「ノーパンクタイヤ」や「パンクレスタイヤ」というものもあります。タイヤの中に空気が入っていないためにパンクが起こらないので、これならパンクリスクから解放されるのは間違いありません。
デメリットに注意
ただし、タイヤの中に空気ではないものがぎっしり詰まっているので普通のタイヤよりかなり重くなること、空気より柔軟性に劣るためクッション性がよくないこと、またそのせいでフレームやスポークなどに伝わる衝撃が多く負担となり故障の原因となりやすいといった点がデメリットとなります。
ロードバイク向きではない
また通常のタイヤなら自分で交換をするという人でも、ノーパンクタイヤとなるとなかなか難しいかもしれません。さらに、自転車屋さんによってはノーパンクタイヤを扱っていないところも少なくありませんし、タイヤ自体の価格も割高です。ノーパンクタイヤはまだまだ一般的ではありませんし、ロードバイクに適しているとも言い難いのが実情です。
パンクリスクを限りなくゼロへ
自転車のタイヤのパンクが生じるのには、何らかの「原因」があります。その原因をなくせば、パンクを防ぐことは難しくありません。もちろんパンクする可能性をゼロにするのは不可能ですが、確率を大幅に下げることはできます。パンクしにくい走り方やメンテナンスを実践して、パンクリスクを回避しましょう。
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タイヤをきれいにしたいからと自動車のタイヤワックスで磨く人もいますが、特にロードバイクのタイヤは自動車のタイヤに比べて非常に薄いうえに、ケミカル類は一般的にゴムへの攻撃性を持っているためにタイヤの劣化を招くのでNGです。