振れ取り台とは
自転車のホイールは、乗っているうちに路面からの振動や衝撃などが原因で歪みが生じてきます。特にロードバイクに装着されるような高級なホイールは軽さを追求するがために耐久性が犠牲になっていることも少なくなく、歪みやすいともいえます。その歪みを修正するのが「振れ取り」です。
振れの種類は2種類
ホイールが歪むと空転させたときにリムがブレてしまいますが、この症状を「振れ」といい、その振れを取るのが「振れ取り」です。振れにはホイールを回転させてリムを前から見たときに振れている「横振れ」と、リムを横から見たときに振れている「縦振れ」の2種類があります。
年に1度は振れのチェック
振れは乗り手のパワーをしっかり路面に伝えられないばかりでなく、そのままにしておくとリムがブレーキシューに干渉したり、最悪の場合はスポークが折れてしまうといったトラブルも起こりかねません。ロードバイクなら1年に1度はホイールの振れをチェックし、必要に応じて振れ取りをすることをおすすめします。
振れチェックの費用は?
ホイールの振れ取りは自転車屋やサイクルショップに頼めばすぐにやってもらえますし、費用はだいたい1,000~2,000円が相場のようです。
自分で振れチェックをしよう
毎年これだけの出費を何年も続けることや、わざわざお店に自転車を持っていかなければならないことを考えると、振れ取り台の購入を検討してみるのもひとつの手段です。振れ取り台とは、ホイールを乗せて振れの細かな調整作業を行う台です。振れ取り作業を行う際に必須なニップルレンチと併せて重要なアイテムになります。
振れ取り台購入のすすめ
振れ取り台の価格はさまざまですが、自分でセルフメンテナンスを行う程度なら1万円前後のものでも十分でしょう。毎年ショップに振れ取りを依頼するなら5年程度で元が取れますし、自分でホイールを手組みする際にも役立ちます。
振れ取り台の仕組み・機能とは
振れ取り台の購入を検討するにあたり、振れ取り台の仕組みや機能を知ることは重要です。それを知れば、どんな製品が好ましいのか、自分の使い方にあったものはどれなのかが判断しやすくなるでしょう。
振れている箇所を見つける
振れ取り台の仕組みや機能は、実に単純です。リムにインジケーターを近づけホイールを空転させて、リムとインジケーターの隙間が波打っていたり変化していないかをチェックすることで、振れている部分を発見できます。
振れ取り台は必要なの?
大きな振れなら振れ取り台を使用しなくても判別できますし、多少の変化でも発見可能なケースもあるでしょう。「それなら振れ取り台なんて必要ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
きちんと振れ取りをするなら必須
しかし、サイクルショップなどで多くのホイールを組んでいる、経験豊富で勘に優れたビルダーであっても振れ取り台を使って振れのチェックを行っています。つまり、精度を求めるのであればやはり振れ取り台は必要というわけです。ましてや、自分できちんと振れ取りをしようと思うなら、振れ取り台は必需品となるでしょう。
振れ取り台おすすめ5選
振れ取り台には多くの種類があり、価格も数万円のといったものもたくさんあります。しかし、高額な製品はプロショップなどで使用する本格的なもので、一般ユーザーが使用するのであれば1万円前後のコストパフォーマンスに優れたものを選ぶことをおすすめします。
おすすめ①MINOURA(ミノウラ)振れ取り台FT-1
MINOURA(ミノウラ) 振取台 FT-1
参考価格: 13,305円
人気のMINOURAの振れ取り台
アクセサリー関係や小物、ボトルケージ、トレーニング用三本ローラーなど、自転車関係の製品を開発・販売している人気メーカーMINOURA(ミノウラ)の簡易型振れ取り台です。簡易型とはいえ、横振れ、縦振れともに測定が可能です。
MINOURAは高評価
最大29インチ(700C)までのホイールがセットでき、折りたたみ式で収納に便利です。ホイールの左右対称をチェックするための、工具箱に収められる2つ折り式の軽量アルミ製ホイールセンターゲージも含まれています。先端の金属部分をひっくり返して樹脂部分をリムに当てることができるため、カーボンリムでも傷つかない点も評価が高いです。
おすすめ②PWT リム振れ取り台
リーズナブルなPWT
流通を自社で行い中間マージンを抑えていることから、リーズナブルな価格で高品質な製品を提供していると評判のPWTの振れ取り台です。PWTでは、さまざまなサイクル用品をはじめ、一般工具も取り扱っています。
プロユースな高品質
安定性の高いスチール製の振れ取り台は、プロユースとしても利用できるにもかかわらずリーズナブルな価格となっています。リムを振れ取り台に設置したままリムのセンター出しのできるリムセンターゲージ(別売り)が使用できます。また、スルーアクセルへの対応アタッチメントが付属しています。
おすすめ③Tacx Exact Truing Stand T3175
横振れと縦振れを同時にチェック
本体のクランプで厚さ2~5cmのテーブルや机などに固定して、縦振れ・横振れの調整を行います。16~28インチのホイール、ハブ軸100~135mmに対応します。角度の微調整がしやすいことや横振れと縦振れが同時にチェックできる点が扱いやすく時間短縮にもなり便利です。
リーズナブルで高品質
折りたたみ式でコンパクトなので収納しやすく、またクランプ式なので自分の好きな場所に設置でき、低い位置に固定すれば座りながらの作業も可能です。価格も非常にリーズナブルでお手頃ですが品質はしっかりしており、おすすめです。
おすすめ④PARKTOOL(パークツール)TS-2.2P
精度を求めるならコレ
頑丈で精度が高い工具ブランドとしてよく知られているパークツールの振れ取り台です。振れ取りは精密度合いが重要で非常に精密な調整が要求されますが、プロ御用達のこの製品はやはり信頼度が違います。
海外通販でお得に購入
振れ取りやホイールの手組みなど、セルフメンテナンスに本格的に取り組みたいという人におすすめですが、ネックは価格の高さで、国内のネット通販で購入しても40,000円程度はします。しかし、海外格安自転車関連通販のCRC(Chain Reaction Cycles)なら、2万円台後半での購入も可能ですよ。
おすすめ⑤X-Tools Pro Mechanic ホイール調整スタンド
ほとんどのホイールに対応可
プロ仕様の高品質で使いやすく、高い調整制度を誇る振れ取り台です。16~19インチホイール、最大4インチのリム、最大145mm幅のハブに対応可能と汎用性が非常に高いです。
海外通販でのみ購入可
ずっしりとした重さで安定感があり、作りもしっかりしていて耐久性にも優れている点が評価されています。ただ販売は国内では行っておらず、海外格安自転車関連通販CRCやWiggleのみで扱っているようです。
振れ取り台って自作できるの?
10,000円程度で手に入れることのできる振れ取り台もありますが、1年に1度くらいしか使用しないものにそれだけの出費はしたくないという人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが、自作するという方法です。
自作は難しくない
振れ取り台の仕組みと機能はホイールを空転させてその歪みをチェックすることと単純なので、自作することも難しくないでしょう。この方法なら費用はDIYショップなどでの材料の購入代だけなので、出費を半分以下に抑えることもできますよ。
まとめ
ロードバイクのセルフメンテナンスに欠かせない振れ取り台ですが、購入の際の選択のポイントとして挙げられるのは、精度、耐久性、重量の3つです。また、ニップルレンチやセンターゲージなどのツールがセットになっているものなら、追加の出費を抑えられるのでおすすめです。
https://www.wiggle.jp/lifeline-x-tools-pro-mechanic-ホイール調整スタンド/?