洗浄と注油はチェーンメンテナンスの基本
自転車のメンテナンスをしよう
自転車のメンテナンスにはいろいろありますが、その中で最も基本的かつ重要なのがチェーンの洗浄と注油です。自転車のチェーンは、漕ぐ力をタイヤに伝えてくれる大切な働きをしています。チェーンがきちんと働かなければ、効率よくペダルを回すことができずタイヤに力を伝えられません。
定期的な手入れが必要
チェーンにゴミやほこりがついたまま走っていると、チェーンを傷つけることがあります。またチェーンオイルが切れると、ペダルが重くなって漕いだ力がタイヤにうまく伝わらないだけでなく、最悪の場合チェーンがサビて使い物にならなくなることもあるでしょう。そういった事態を避けるために、定期的にチェーンを手入れすることが必要です。
特にママチャリはおろそかにされがち
自転車メンテナンスに欠かせないチェーンの洗浄と注油ですが、特にママチャリやシティサイクルとなると「チェーンメンテナンスなんていつやったかな?」という人も少なくなく、中には自転車を買ってから一度も注油したことがないという人もいるのではないでしょうか。
チェーンメンテナンスは難しくない
チェーンメンテナンスをしない理由として「面倒だから」や「難しそう」といったものが多く挙げられます。しかし、それほど面倒だったり難しいものではありません。チェーンメンテナンスなどの手入れをすることで、愛車と長く付き合うことができます。
チェーンメンテナンスの頻度
チェーンメンテナンスの頻度は、自転車の使用状況や使用しているオイルの種類などによって異なります。目安としては、2~300km走行ごとに注油、1か月に一度チェーン洗浄をすればいいでしょう。ペダルが重くなったと感じたときも注油のタイミングです。
状況に応じて行おう
長距離サイクリングをしたあとやチェーンの汚れがひどいときには、その都度チェーン洗浄することをおすすめします。また、雨の日に乗ってチェーンが濡れた場合は、帰宅後すぐ水分を拭き取って注油することを忘れないようにしましょう。
自転車のチェーンメンテナンスで必要なもの
自転車のチェーンメンテナンスでは、いくつかのアイテムが必要となります。使っているうちに「これは必要ないかも」「これは別のもので代用できる」と判断できればそのうえでアイテムを厳選すればいいですが、まずは基本的なものを揃えることをおすすめします。
必要なもの①チェーンクリーナー(パーツクリーナー)
チェーンの汚れを落とすための必需品です。パーツクリーナーはチェーンの掃除以外にも使用できますが、チェーンの洗浄だけに限るならチェーンクリーナーのほうが効果は高いでしょう。
必要なもの②チェーンオイル(チェーンルブ)
チェーンの掃除が終わりきれいに洗浄できたなら、チェーンオイルを注します。チェーン洗浄とチェーン注油はワンセットの作業と考えましょう。オイルの種類はいくつかあるので、自分の乗り方や状況にあったものを選んでください。
必要なもの③ウェス
チェーンの汚れや余分なオイルを拭き取ったりする際に不可欠です。市販のものは使いやすくおすすめですが、使い古しのタオルやシャツなどを適当な大きさに切ったものでもOKです。ただし、けば立ったものや毛足の長いものはチェーンに引っかかったり、また吸湿性が低いものはしっかり汚れを拭き取りにくいのでNGです。
必要なもの④軍手や手袋
作業中の手の保護や汚れのために、軍手や作業用手袋をするのもいいでしょう。特にオイルを塗るときは、素手では滑りやすくなるのでおすすめです。
必要なもの⑤チェーン洗浄用ブラシ
チェーンの汚れがひどい時には、作業用ブラシで汚れをこすり取ることが必要になるかもしれません。専用ブラシも販売されていますが、歯ブラシで代用も可能です。メンテナンス工具のひとつとして鉄や真鍮製のブラシもありますが、これらはチェーン表面を傷つけるのでNGです。
必要なもの⑥メンテナンススタンド
ロードバイクやクロスバイクなどスタンドがなく自立できない場合や、スタンドがあっても片足式の場合に便利です。自転車をメンテナンススタンドに設置すればタイヤが宙に浮くので、ペダルを回しながらのチェーンメンテナンス作業が楽です。
自転車のチェーンメンテナンスの方法
ひと口に基本的な自転車のチェーンメンテナンスといっても、方法はいろいろあります。ここでは、初心者や面倒くさがりな人でも簡単にできる基本的な手順ややり方を紹介していきましょう。
手順①チェーンの掃除・洗浄
まずはチェーンをきれいに
チェーンが汚れたままでは注油をしても効果がないだけでなく、かえってチェーンにダメージを与えることにもなりかねません。チェーンメンテナンスの第一段階は、まずチェーンの汚れを掃除することと心得ましょう。
チェーンクリーナーを使おう
チェーンの掃除は、チェーンクリーナーを使用するのが一般的で、汚れも簡単・きれいに落とせます。チェーンクリーナーはスプレー式や液体式が主ですが、手間が掛からないのはスプレー式で、汚れたチェーンに吹きかけて汚れを浮かせます。液体式は、チェーン洗浄器に入れて使用します。
クリーナーで汚れを拭き取る
スプレー式はチェーン下部にウェスを当ててクリーナーを噴射し、その部分をウェスで拭いて汚れを取ります。この作業を行いながら、チェーンを一周させます。汚れが残っていればもう一度、それでも取れないしつこい汚れはブラシで擦り取ります。
洗浄器を使用する場合
チェーン洗浄器を使用する場合は、洗浄液を入れた洗浄器をチェーンにセットし、洗浄器のレバーをゆっくり10~20回程度回します。汚れがひどければ汚れた洗浄液を交換して、再度同じ作業を繰り返しますが、何度もやると必要なオイルまで落ち切ってしまうことになるので注意しましょう。
ギアなどのパーツも忘れずに
チェーンクリーナーを使う場合も洗浄器を使用する場合も、前後のギアやディレーラーのプーリー、ハンガーなど、チェーンが通る部分も併せて掃除・洗浄しておきましょう。こういった部分も忘れずに手入れしておかないと、せっかくきれいになったチェーンに汚れが移ってしまいます。
手順②チェーンの注油
オイルを浸透させる
チェーン注油のポイントは、チェーンの表面ではなく内部に、またコマひとつひとつに浸透するようにオイルを注すことです。オイルはコマ同士の潤滑をよくするためのものですから、それぞれのコマに浸透させる必要があります。
一コマ一コマ丁寧に
チェーン全体にサーッとかけるのではなく、一コマ一コマに一滴ずつ、ゆっくりペダルを回しながらチェーン一周注油します。このときも、チェーンの目印を参考にするといいでしょう。
変速をしてギアにもオイルを
チェーン一周注油できたなら、ペダルを数回回してオイルをチェーン内部まで浸透させます。このときギアを変速させながら行なうと、ギアにまでオイルが行き渡るのでさらに効果的です。
余分なオイルは拭き取ろう
しばらく放置してオイルがしっかり浸透したなら、余分なオイルを拭き取ります。余分なオイルが残っているとそこに汚れやほこりがつきやすいので、触って薄くオイルが指につくくらいまできれいなウェスで拭き取りとれば、基本的なチェーン洗浄と注油は終了です。
灯油やガソリンに外したチェーンをつけこんでチェーン洗浄をする方法は頑固な汚れを取るには非常に効果的ですが、かえって必要なチェーン内部のオイルを落とし過ぎる恐れがあるので、個人メンテナンスとして行うのはおすすめできません。
まとめ
チェーンメンテナンスは一度やり方を覚えれば次からは同じことの繰り返し、慣れれば簡単・時間短縮もできるはずです。なにより、汚れたチェーンがきれいになるだけでなく、ペダルの軽さやスムーズさに感激することでしょう。チェーンメンテナンスは、最も簡単で安上がりかつコスパに優れたチューンアップともいわれるほどですよ。
チェーンを一周させる場合、チェーンのコマには一か所ピンの色が違ったり形が異なるところがあるので、それを目印にすればわかりやすいです。